壊れていない人間に、革命は起こせない。50歳の節目に、50人が語る“本当”の前澤友作とは。著書『偽善者』から一部抜粋。今回は、元ZOZO人事担当、前澤の飲み友だち兼女友だちとして恋愛相談も担当するニーナさん。

週刊誌対策のカモフラージュ飲み
前澤さんとはいわゆる飲み友で、ニックネームの「ニーナ」で呼ばれています。もともとはZOZO人事部で働いていましたが、15年ほど前に家庭の事情で退職したので、社長と社員の関係よりも、飲み友としての付き合いの方が長いです。
社内結婚した夫も前澤さんと仲がいいですし、うちの子どもたちもすっかり懐いていて、年に何度かは自宅に遊びに行かせてもらうなど、家族ぐるみのお付き合いをさせてもらっています。
一社員、しかも女性である私がなぜ前澤さんの飲み友になったかいうと、当時の男性社員はみんなお酒が弱かったから(笑)。私は幸いお酒が強く、遠慮なくものをいうタイプなので、前澤さんも気楽だったんだと思います。飲み友として意気投合してからは当時付き合っていた彼女も含めて一緒に宅飲みしたり、デートに同伴して一緒に飲んだりするようになりました。もちろん、カモフラージュの役目もありました。
「2人だと週刊誌に撮られちゃうから3人で行こうよ」と誘われて、2人でイチャイチャしてるのを横目で見ながら私一人で食べて飲んで(笑)。おいしいものを食べさせてもらって、お酒もたらふく飲ませてもらっていたので、カモフラージュに使われても全然構いませんでしたね。
飲み友として見た前澤さんの突き抜けているところは......やっぱり女性関係ですね(笑)。恋愛体質で、恋愛相談はもうしょっちゅう。気になる子ができるとデートのカモフラージュに誘われ、後から「この子どう思う?」「○○ちゃんと○○ちゃん、どっちがいいかな?」みたいなことを必ず聞かれます。
そして正直に答えると「なんだよ!」とキレられるのがオチ。自分の中でもう答えが決まってるのに、なんで毎度聞くんだろうと不思議に思いますけど(笑)、ただ話を聞いてもらって肯定してもらいたいだけなのかもしれませんね。そういうところは女子っぽいなと思います。
最後は必ず自分にスポットライト
歴代の彼女は全員知っています。なかには意気投合して前澤さん抜きで遊びに行ったり、今も連絡を取り合ったりするほど仲の良い子もいます。前澤さんからも彼女からも相談を受け、二人の間を取り持ったり、彼女のメンタルをケアすることが私の役割でもありました。
「彼女の友だち」という目線で見たら、それはもう最低な男ですよ(笑)。当時は女の影が常にありましたし、 前澤さんは無意識に相手を追い詰めるところがあるので、彼女たちの涙も数え切れないほど見てきました。ここでは言えないような話は山ほどあります。
彼女と別れる時はたいてい他に好きな人ができた時。普通の男性なら「ごめん」と謝って後腐れなく別れたいと思うはずですが、前澤さんは自分勝手だけどドラマチックな演出が好き。なかでも前澤さんらしいなと思ったのが、彼女に別れ話を切り出した後にミスチルの曲をかけて自ら泣いてしまったというエピソード。
彼女の言葉を借りれば「泣きたいのはこっち。なんであなたが泣いてんのよ!」って感じでしょうね。でも、前澤さんは自分の世界に入り込んでいるので、相手の気持ちはおかまいなし。最後は必ず自分にスポットライトを当ててしまうんです。
ちなみに別れ際に曲を流して泣いてしまうほど、前澤さんはミスチルが大好き。ZOZOでの忘年会でも毎年ミスチルを歌うのが恒例になっていました。服装も歌い方も桜井さんにそっくり。なかでも『彩り』という歌が好きで、忘年会の最初と最後に2回歌ったこともあるほど。
たぶん、前澤さんのテーマソングというか、経営に対する考えのベースは、この歌詞にあるんじゃないかなと思います。当時は「いつか桜井さんとご飯に行けるようになりたい」と言っていました。そんなふうに憧れを口にするピュアで可愛らしい面もあるんですけどね。

