韓国伝統料理を紡ぐ熱き志を持つシェフのいる、今注目のファインダイニングをまとめて紹介。※2024年12月号掲載記事を再編。

1.門外不出のレシピによる、韓国伝統の宮廷料理店「KwonSookSoo」
代々続く韓国料理人の家庭に生まれたクォン・ウジュン氏が営む「クォンスクス」。スクスとは韓国語で男性宮廷料理人を指し、その店名は「クォン宮廷料理人」を意味する。
テーブルの上には、それぞれの席にひとり膳が置かれ、その上に料理がサーブされる伝統的なスタイル。コースのなかには、僧侶の食事「テンプルミール」をモダンに解釈したメニューも。優しい味で、韓国料理の奥深さを感じられる。

住所:ソウル市江南区狎鷗亭路80ギル37 イエスビル4F
TEL:02-542-6268
営業時間:12:00~L.O.13:00、18:00~L.O.19:00
料金:ランチコース
₩
195,000、ディナーコース₩
340,000定休日:日・月曜、旧盆
2.辛いだけじゃない、韓国料理本来の優しい味を楽しめるレストラン「Jueun」
「韓国料理は辛いと思われがちですが、本来は淡白で優しい味なんです」
そう語るのは現在、韓国伝統料理界で注目されるシェフのパク・ジュウン氏。韓国料理によく使われる唐辛子は、実は日本から伝わったものであり、唐辛子で味付けするようになったのはさらにそこからずっと後のことだと考えられている。それ以前の宮廷料理の淡白で滋味深い味を体感してほしいと、パク氏は伝統的な韓国料理の調理法を貫く。

住所:ソウル市鍾路区慶熙宮ギル36 8F
TEL:02-540-8580
営業時間:12:00~L.O.13:00、18:00~L.O.20:00
料金:ランチコース
₩
150,000、ディナーコース₩
250,000定休日:日・月曜、旧盆
3.韓国料理に近づけたフレンチとは? 究極の隠れ家レストラン「ZERO COMPLEX」
住宅街を進み、狭い路地を進んでやっと辿り着く一軒家が、フレンチをベースにした創作料理を振る舞う「ゼロ・コンプレックス」だ。パリの名店「ル・シャトーブリアン」で修業したイ・チュンフ氏は、その料理をこう語る。
「例えばブイヤベースですと、本来は酸味のないものですが、私は韓国料理のように酸度を足しているんです。単に韓国の素材を使ってフレンチをつくるのではなく、フレンチの味を韓国料理に近づけ、韓国の人たちに親しまれる味にしたいのです」

住所:ソウル市龍山区西氷庫路59ギル11-8
TEL:02-532-0876
営業時間:12:00~L.O.13:30、18:00~L.O.19:30
料金:ランチコース
₩
190,000、ディナーコース₩
270,000定休日:月曜、旧盆
Instagram:@zerocomplex_seoul
4.ソウルが一望できるモダン韓国ダイニング「Eatanic Garden」
チョスンパレスホテル36階に位置するモダン韓国ダイニング。眼下にソウルの街をまるで庭のように眺められる場所にある。シェフは、アメリカでフレンチレストランを営んできたソン・ジョンウォン氏。
「バターや牛乳など本来韓国料理に使わない素材はなるべく用いず、アクセントにする程度。伝統的な味わいのまま、見た目には華やかさを添える意識しています」
コースは折り鶴の形をした海苔やズッキーニとにんじんのチャプチェなど繊細で美しいアミューズで始まり、メインは鮑と韓国牛ハヌのテリーヌ。デザートは美しい螺鈿(らでん)の箱に入った韓国伝統菓子の数々だ。

住所:ソウル市江南区テヘラン路231 チョスンパレス36F
TEL:02-727-7610
営業時間:12:00~L.O.13:30、18:00~L.O.19:00
料金:ランチコース
₩
190,000、ディナーコース₩
320,000定休日:月・火曜
※ 1₩
=0.1106円(2024年10月10日現在)