MAGAZINE &
SALON MEMBERMAGAZINE &
SALON MEMBER
仕事が楽しければ
人生も愉しい

AND MORE

2024.05.20

“I am in hot water.”は、お湯に浸かっているって意味ではなく、危ない状況だった!

英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第249回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは

英語力ゼロレッスン 第249回
Illustration=Norio

YOUはNOW、原宿のキャットストリートをWALKしてるのに……

先日、原宿にある取引先のオフィスに打ち合わせに行きました。

約束の時間よりだいぶ早く着いてしまったので、時間を潰そうかとキャットストリートを歩いてみたところ、たくさんの外国人観光客の方を見かけました。

見かけたというか、むしろ日本人の買い物客はほとんどおらず、聞こえてくるのは英語やスペイン語、韓国語など外国の言葉のみ。海外旅行に来たような気分にしばらく浸ってしまいました。

どうせ時間を潰すなら、ただ散歩しているだけではもったいない。これだけ外国人がいるのだから、道行く人の英会話を盗み聞きして、リスニングの練習をしよう。

そう思って、じっと耳をそばだてていると、前を歩く2人組みからこんなフレーズが聞こえてきました。

I am in hot water now.

「私は今、ホットウォーターの中にいる」とはなんでしょうか。日本に来たので温泉にでも行くのでしょうか。けれどはっきりnowと言っています。「YOUはNOW、原宿のキャットストリートをWALKしてるのに……」そう不思議に思っていると。

I see it’s not good to post his face on your Instagram.

2人組のもう1人がそんなようなことを答えていました。うまくリスニングできているかは不明です。そしてその後も早口でなにか言っていました。そっちは全然聞き取れず、そのままその2人組を雑踏の中に見失ってしいました。

「彼の顔をあなたのインスタにポストしたのは、よくなかったね」的なことをもう1人は言っていたのでしょうか。こっちはなんとなく意味がわかります。では最初の“I am in hot water.”とは一体なんだったのでしょうか。

“I am in hot water.”の意味を調べてみたら

まだまだ約束まで時間があるので、立ち止まって辞書を引いてみたところ、ケンブリッジの英英辞典にこう書かれているのを発見しました。

Be in hot water=
to be in or get into a difficult situation in which you are in danger of being criticized or punished.
(批判されたり罰を受けたりする危険のある、難しいシチュエーションにいること)

Hot waterと聞くと、お風呂が大好きな日本人の私は適温のお湯を思い浮かべてしまいますが、きっとこれは「熱湯」という意味なのでしょう。

グラグラ煮え立つ熱湯の中にいる、という危機的状況を示すフレーズだそうです。また“in danger of being criticized or punished”(批判されたり罰を受けたりする危険)とされているので、おそらく何か失態をやらかしてしまった後の「ヤバい! どうしよう、やってしまった!」というシチュエーションで使われる言葉だと思われます。

I am in hot water now.

という発言に対して、もう1人が

I see it’s not good to post his face on your Instagram.

と言ったということは、男性の写真をインスタに投稿して、炎上、トラブルに発展してしまった、ということでしょうか。

なんとなく意味がわかったところで、会話の続きを聞きたいと雑踏の中にその2人組を探しました。

そんなことをしていたら、約束の時間をかなり過ぎていました。

焦って打ち合わせ場所に行くと「初回の打ち合わせに遅れるなんて」と先方はいたくご立腹でした。Be in hot waterはやらかしてしまった時、自分が悪いことをしてしまってまずい状況になってしまった時に使うフレーズです。まさに今が、Be in hot waterじゃないか、そう思いながら、ひたすら平謝りをするしかありませんでした。

連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
英語力ゼロのまま渡英、行けばなんとかなると思いつつなんともならなかった2年間のイギリス生活。帰国後はせっかく覚えたいくつかの英単語も忘れ去り、それでも時々は英語と格闘してみる現在、40歳。
「その英語でよく外国に行ったね」「めちゃくちゃカタカナ英語だね」と、なぜか日本人に笑われながらも、覚えたフレーズの数々。いつかはうまくなりたいから、恥を忍んで今日もブロークンイングリッシュ。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。人のイングリッシュを笑うな。

↑ページTOPへ戻る

TEXT=MOMOKO YASUI

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2024年10月号

人生を変える最強レッスン

GOETHE2024年10月号カバー

最新号を見る

定期購読はこちら

バックナンバー一覧

MAGAZINE 最新号

2024年10月号

人生を変える最強レッスン

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ10月号』が2024年8月23日に発売となる。今回の特集は“人生を変える最強レッスン”。日常を鮮やかに彩る“大人の手習い”を紹介。表紙を飾るのは稲葉浩志。20Pにわたるボリュームで、彼が作りあげる作品の魅力に迫る。

最新号を購入する

電子版も発売中!

バックナンバー一覧

SALON MEMBER ゲーテサロン

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる