35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第204回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
君を感じている!?
昨年、フィリピンに出張に行った際のことです。
1日中、仕事でさまざまな場所を周り、食事のタイミングがうまくとれない日がありました。夕方頃に限界を迎えた私のお腹は、大勢の人がいる前だったにも関わらずグーッと大きい音で鳴ってしまいました。
お腹の音ばっかりは、世界共通。言語が違えど何の音か、誰の耳にも明らかです。その場には現地フィリピンと韓国の方がいて、全員私のお腹の音を聞いて苦笑していました。
しかし、その場にいたフィリピンの男性が、突然こう言ったのです。
I feel you.
直訳したら「君を感じる」です。なんだか’90年代J-POPのタイトルのようです。
そういえば、この人は1日親切にいろいろ案内してくれたし、何度か目が合ったような気がするし、これはもしかして愛の告白…!? と思って空腹を忘れて一瞬盛り上がったのですが。
feel you=あなたの気持ちがよくわかる
という意味でした。この場合は「僕もお腹が空いているんだ」ということでしょう。
なんだったら、その男性のお腹からも小さい音が鳴っていました。
ケンブリッジの英英辞典では、feel youの意味がこう説明されています。
I understand; I agree with what you have said:
理解する、あなたの言っていることに賛成する
「そうそう、わかるよ」くらいの意味かもしれません。
ケンブリッジの英英辞典の例文にも、私と似たようなシュチュエーションがありました。
Michelle, I feel you! I need coffee too.
(マイケル、わかるよ。私もコーヒー飲みたい)
マイケルが「そろそろ休憩しない?」とでも言ったのでしょうか。「そうそう、そうしよう。私もコーヒー飲みたい」というような会話でしょう。
イケメンのフィリピン人男性にI feel you.と言われて勝手に意訳して告白だと感じてしまった自分が恥ずかしいです。
とはいえ、朝から夕方まで何も食べていなかった一行は、私のお腹の音をきっかけに「そろそろ、なにか食べようか」となり、休憩となりました。他の人もきっとお腹が空いていたでしょうから、誰かが「そろそろ休憩しよう」と言い出すのを待っていたのかもしれません。
私も、誰かのお腹が鳴っているのを聞いたら、I feel you.とスマートにフォローできるようになりたいです。
連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。