35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第239回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは
衝撃的な“Pupu”の意味
アメリカ出張に来て2週間、最初は頑張って英語を使っていたものの、連日の睡眠不足と疲労がたまり、現在は完全に通訳さん頼みとなってしまっています。なんなら日本語すらままならない状態です。
出張前半、地元の人に聞いた安い店へ、ビールでも飲もうと向かいました。
PuPu
それがお店の名前でした。いまいち場所がわからなかったので、水を買いがてらスーパーの店員さんに「ププはどこか」と聞いてみました。
店員さんはすごく嫌な顔をして何も言わずに去っていってしまいました。
仕方ないのでスマホで位置を調べてそのレストランをなんとか見つけると、店を教えてくれた日本生まれのアメリカ人が待っていてくれて、開口一番こう言いました。
「この店、面白い名前でしょ。ププって『うんち』って意味だからね」
正確には「うんち」は英語のスラングでpoo(プー)とかpooh(プー)というのですが、時々pupu(ププ)ということもあるようです。
スラング辞典のアーバンディクショナリーにはこういう例文が載っていました。
David Pupu on the floor.(デイビッドが床にうんちしちゃった)
デイビッドが犬か猫であることを祈るばかりの例文ですが、このように動詞としても使えることがわかりました。
ということは、私はスーパーの店員さんに「うんちどこにありますか?」と聞いていたようなものでした。それは無視されて当然です。
もうひとつの“Pupu”の意味
ただし私たちが行ったレストラン「ププ」は、ハワイアン料理を出す店で、ハワイの言葉で「ププ」は「おつまみ」という意味だということ。
現在は「おつまみ」の方の「ププ」という言葉も広く知れ渡っていて、ケンブリッジの英英辞典でもこのように説明されています。
small dishes of meat and seafood (= fish or sea creatures with shells), cooked in an Asian style and served before a meal.(肉や魚、海などのシーフードの小さいお皿。食事の前に出てくる、アジアスタイルの料理)
刺身とか、ポケとか、貝や肉のちょっとした小皿のことで、アジア料理によくある「お通し」とか「突き出し」「おつまみ」みたいなことでしょう。
そのお店も、ハワイアンスタイルのたくさんの種類のおつまみを選べるスタイルのバーだったので、そんな名前だったのだと思います。その後、別のレストランに行った際も「お腹いっぱいなら、pupuくらいでいいか」と言われたりもしたので、飲食関係の人にはわりと通じる英語なのかなと思いました。
ふたつの意味の「ププ」を覚えられて大変有意義な出張になりました。
連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。