ただ時を刻むだけではない。高級時計は、人生を新たなステージへと導いてくれる。時計に魅せられた男たちが語る、その奥深き世界。今回は、美容外科医の細井龍氏に話を聞いた。【特集 時計をつける悦び】

美容外科医。1988年千葉県生まれ。東京美容外科で美容外科医としてキャリアを積む。がん研有明病院退職後、複数のクリニックに勤務し、2020年渋谷アマソラクリニックを開院。医学部受験塾MEDUCATE塾長も兼務する。
高級時計は自分を新しい世界に連れていってくれる
渋谷アマソラクリニック院長、医学部受験塾MEDUCATE塾長として数々のメディアに出演するドラゴン細井こと、細井龍氏は、37歳にして時計道楽にハマっている。
「学生時代から塾講師とか水商売とか金を稼ぐことをしっかりやっていて、その成果を目に見える形にしたいと思った時に、やっぱり時計だったんです。それで最初に買ったのがロレックスの『デイトジャスト』。当時、中古で30万円台でした。医学部でまわりがボンボンばかり。そういう環境だから、見せつけたい、成金思考みたいなものがあったのかもしれません(笑)」
「デイトジャスト」は、「デイトナ」になり、やがてパテック フィリップに興味が移り、「カラトラバ」や「アニュアルカレンダー」を購入。気がつけば高級時計を10本以上所有するコレクターになっていた。そんな細井氏が5年ほど前に出合ったのが、リシャール・ミルだった。
「もちろん存在は知っていました。カッコいいけどとんでもない値段のブランド(笑)。最初に買ったのは、『RM 010』という2008年のモデルです。中古だったんですが、価格は新品とほぼ変わらず。シンプルだったけど、機械的なデザインが美しく新鮮な感じがしました。どうしても欲しくて、手持ちの時計を入れ替える形で、新たなモデルを迎え入れました」
リシャール・ミルのよさは、つけ心地のよさと希少性だと語る。
「リシャール・ミルは本当に頑丈なので、ぶつけたり傷ついたりすることに気をつかわず使えるところが気に入っています。知らない人は、それがどれほど高価なものかわからないけど、知っている人から見ると『すごい』となる。時計店とか百貨店の人から『初めて見ました』と言われると、やっぱり嬉しい」
5000万円の現金と5000万円の腕時計
一度ハマったらとことんこだわる。リシャール・ミルコレクションは増え続けている。今夏、リシャール・ミルの代表作ともいえるラファエル・ナダルモデル「RM 35-03」を購入した。
「ブランドのなかでもデザイン性、機能性が際立っているモデルです。ようやくこれを買えるようになったという感慨があります。ナダルもそうですが、リシャール・ミルは、アスリートの名前を冠したモデルが多い。しかも単に名前を借りているのではなく、彼らと一緒にものづくりをしている。そういうストーリーにも憧れます」
これまで腕時計に注ぎこんだ金額は相当な額。だが、その“価値”は充分感じている。
「例えば、5000万円の現金を持っていたとして、それってただの札束じゃないですか。でも5000万円の腕時計を持っていたら、それだけでステータスになるし、人に与えるインパクトも大きい。さらにたとえばリシャール・ミルなら顧客が集まるイベントに参加できて、同じリシャール・ミルのオーナーとのつながりが生まれる。高級時計は、そういう新しい世界に連れていってくれる存在です」
今、手もとにあるのは、ロレックス、パテック フィリップ、リシャール・ミルの3ブランド。
「共通点は、客側が『買わせてもらえる』という気持ちになれるところ(笑)。それだけこの3つのブランドが価値を持っていることの証だと思います」
普段の生活では趣味であるランニング用のデジタル時計を愛用。高級時計をつけるのは、メディアや人前に出る時だけだ。
「時計好きってオジさんが多い(笑)。だから僕みたいな人間がいい時計をつけて人前に出ることで、若い人にも興味を持ってほしいと思っています」

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