35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第238回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは
アメリカ出張でホテルを予約したら旧姓だった
「この名前のご予約はありませんが」
現在アメリカ出張に来ています。到着した際、ホテルのチェックインでいきなりこう言われました。
この出張、日本からは私を含めて4人のスタッフが来ていて、他社の人もお連れしています。私がその方の分のホテルの手配をしており、よりによって「予約の名前がない」と言われたのはその他社の方の分でした。
「そんなはずはない、確かに予約した」と言って、ホテルの受付の人が不思議そうに眺めているその方のパスポートを見てみると。
「あれ? 山田さん、パスポートの名前、佐藤って書いてありますけど?」
その山田さん、実は旧姓で仕事をしていて、結婚後の苗字は「佐藤」でした。それを知らなかった私は、予約の名前を「山田」にしてしまっていたのです。
「山田は旧姓でした。本当は佐藤です」を受付の人に英語で言えなかった私はとっさにこう言いました。
Yamada is her previous name, actually her name is Sato.(山田は彼女の前の名前で、実は彼女は佐藤なんだ)
けれど受付の人は首をかしげるばかりです。
現地コーディネーターが言った“maiden name”と“married name”
その様子を、見ていた現地コーディネーターの方がこう言ってくれました。
Yamada is her maiden name. Then Sato is her married name.
受付の人は納得したようで「名前変えておくからちょっと待ってね」と言って手続きのためバックオフィスに消えていきました。正直コーディネーターの方がなんと言ったのかこの時は聞き取れず、あとでこっそり聞いてみたらこういうことでした。
maiden name=旧姓
married name=結婚した後の名前
私は最初に“previous name”と言ってしまいましたが、「それは彼女の前の名前です」と突然言われても、意味不明でしょう。また “previous”の発音が難しいのでそもそも“previous”と言っていたことも伝わっていなかったんだと思います。惨めな限りです。
そのホテルには2泊し、次のホテルにチェックインする際も同じことが起こりました。
覚えたての“maiden name”と“married name”を使うチャンスだとハリキリましたが、ここでも発音が下手すぎで通じず結局コーディネーターの方に伝えてもらいました。
ほかにも出張中「ちょっとあなた何言ってるかわからない」と何度も言われ、心は折れる一方です。とりあえず大きな声で、ゆっくりはっきり、そして母音をしっかり発音することを心がけて、残りの滞在を過ごしたいと思います。
連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。