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2024.03.04

「ご予約がありません」海外出張先のホテルでトラブル…「旧姓」を英語で言える?

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第238回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは

英語力ゼロレッスン 第238回
Illustration=Norio

アメリカ出張でホテルを予約したら旧姓だった

「この名前のご予約はありませんが」

現在アメリカ出張に来ています。到着した際、ホテルのチェックインでいきなりこう言われました。

この出張、日本からは私を含めて4人のスタッフが来ていて、他社の人もお連れしています。私がその方の分のホテルの手配をしており、よりによって「予約の名前がない」と言われたのはその他社の方の分でした。

「そんなはずはない、確かに予約した」と言って、ホテルの受付の人が不思議そうに眺めているその方のパスポートを見てみると。

「あれ? 山田さん、パスポートの名前、佐藤って書いてありますけど?」

その山田さん、実は旧姓で仕事をしていて、結婚後の苗字は「佐藤」でした。それを知らなかった私は、予約の名前を「山田」にしてしまっていたのです。

「山田は旧姓でした。本当は佐藤です」を受付の人に英語で言えなかった私はとっさにこう言いました。

Yamada is her previous name, actually her name is Sato.(山田は彼女の前の名前で、実は彼女は佐藤なんだ)

けれど受付の人は首をかしげるばかりです。

現地コーディネーターが言った“maiden name”と“married name”

その様子を、見ていた現地コーディネーターの方がこう言ってくれました。

Yamada is her maiden name. Then Sato is her married name.

受付の人は納得したようで「名前変えておくからちょっと待ってね」と言って手続きのためバックオフィスに消えていきました。正直コーディネーターの方がなんと言ったのかこの時は聞き取れず、あとでこっそり聞いてみたらこういうことでした。

maiden name=旧姓

married name=結婚した後の名前

私は最初に“previous name”と言ってしまいましたが、「それは彼女の前の名前です」と突然言われても、意味不明でしょう。また “previous”の発音が難しいのでそもそも“previous”と言っていたことも伝わっていなかったんだと思います。惨めな限りです。

そのホテルには2泊し、次のホテルにチェックインする際も同じことが起こりました。

覚えたての“maiden name”と“married name”を使うチャンスだとハリキリましたが、ここでも発音が下手すぎで通じず結局コーディネーターの方に伝えてもらいました。

ほかにも出張中「ちょっとあなた何言ってるかわからない」と何度も言われ、心は折れる一方です。とりあえず大きな声で、ゆっくりはっきり、そして母音をしっかり発音することを心がけて、残りの滞在を過ごしたいと思います。

連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

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連載
英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」

英語力ゼロのまま渡英、行けばなんとかなると思いつつなんともならなかった2年間のイギリス生活。帰国後はせっかく覚えたいくつかの英単語も忘れ去り、それでも時々は英語と格闘してみる現在、40歳。いつかはうまくなりたいから、恥を忍んで今日もブロークンイングリッシュ。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

TEXT=MOMOKO YASUI

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