HEALTH

2025.11.16

英国プレミアの一流選手が施術にドキッ!? 腰痛の最大要因は「デリケートゾーン」にあり

吉田麻也をはじめ、南野拓実、冨安健洋、菅原由勢ら日本代表メンバー、 英国プレミアリーグの超一流選手たちからもオファーが殺到する治療家・木谷将志氏が、日本人の3大不調「腰痛」「肩こり」「股関節痛」がみるみる改善する“身体ほぐし”を伝授。ポイントは“筋肉の端っこ”をほぐすことだという、木谷流リカバリー術とは? 『世界が認めた神リカバリー』(サンマーク出版)の一部を抜粋して紹介する。【その他の記事はこちら】

英国プレミアの一流選手が施術にビックリ!?  腰痛の最大要因は「デリケートゾーン」にあり
Unsplash / Igor Omilaev ※写真はイメージ

リカバリーの鍵は「デリケートゾーン」にあり

私はときどき、選手をビックリさせてしまうことがある。それは施術中に起きる。

アスリートへの施術に、私は下半身にある鼠径部(そけいぶ)、いわゆるデリケートゾーンをガッチリとさわる。だから、私の手や腕が、股間の急所にふれてしまうことがたびたびあるのだ。

慣れていない選手は驚いて、「マサ、ソーリー! 俺にはそっちの趣味はないんだ!」とサッと距離を取ろうとする選手もいる。もちろん不可抗力で起きていることなので、「安心してくれ。私もそちらの性的指向ではないから」と誤解を解いてから施術を続けさせてもらう。

いきなり何の話をしているんだ、と思った人もいるかもしれない。じつはここに大切なことが含まれているので、知っておいてもらえるといつか役に立つはずだ。

つまり、効果的なマッサージをするためには「刺激を入れる場所」がとても重要、ということ。

指や手を使って「押す方法」もそうだが、まず「押す場所」が間違っていると十分なリカバリー効果を得られない。それは筋肉の端っこである「起始・停止」部分に不調や疲れ、痛みを感じるセンサーが密集しているからだ。

だからここでは、【筋肉を押す・刺激を入れる場所】について、特に重要なことをお伝えしていきたいと思う。

話を施術中に戻そう。

私はアスリートの疲労回復を早めるために、鼠径部の近くを通っている“ある筋肉”の起始・停止を刺激しようと、デリケートな部分に攻め込んでいく。だから初めてのセッションのときに、驚いてしまう選手もいる。

話を聞いてみると、そのような選手のほとんどが、デリケートゾーンに近い場所を治療された経験はないという。そう聞くたびに、私は不思議に感じるのだ。

「では、私以外の治療家やトレーナーたちは、どうやって腸腰筋(ちょうようきん)にアプローチしているのだろうか」と。

腰が痛くなる原因の「腸腰筋」を刺激せよ

「腸腰筋」はトップクラスで重要なものだ。ぜひ場所を覚えておいてほしい。

なぜなら、多くの人にとって「腰痛」の原因になっている可能性があるからだ。今は腰痛トラブルと無関係の人も、家族やまわりに悩んでいる人がいたら、ぜひシェアしてほしい。

腸腰筋は、身体の奥にあるため「インナーマッスル」とか「深層筋」などと呼ばれている。ひとつの筋肉の名前ではなく、大腰筋(だいようきん)、小腰筋(しょうようきん)、腸骨筋(ちょうこつきん)という3つの筋肉の総称だ。

世界が認めた神リカバリー

背骨から骨盤、そして太ももの大(だい)腿(たい)骨(こつ)という、身体を支えている「要の骨」をつないでいるのが、この腸腰筋なのである。

私たちが立ったり歩いたりするときや、股関節を曲げるときに大きく関わり、人間の姿勢を安定させている。人間の生命活動において、とりわけ重要な役割を担っている筋肉と言える。

さらに腸腰筋は、一流サッカー選手たちさえも脅かす恐ろしい症状にも関わっている。

それが「グロイン・ペイン」と呼ばれる股関節の痛みだ。グロイン(Groin)は鼠径部のことで、日本語に訳すと「鼠径部痛(そけいぶつう)症候群」。

特にサッカーやラグビー、バスケットボールといったダッシュとストップ、方向転換、キック動作が多いスポーツ選手に多く見られる。休むと軽くなるものの、再発しやすく、放置すると慢性化してしまう。

グロイン・ペインが厄介なのは、根本的な原因がわからないケースが多いことだ。大まかには「股関節まわりの筋肉のどこかが硬くなっている」ために、関節内や筋肉に痛みが生じていることはわかっている。

しかし、それではどの筋肉が主原因なのかというと、明確には判明しないことも多々ある。そのため、最高の治療を受けられるはずの一流選手であっても、対症療法でだましだましの対策しか取れないことも多いのだ。

だが私の経験上、慢性的なグロイン・ペインに悩んでいるアスリートの何割かは、この腸腰筋が悪さをしている。

【その他の記事はこちら】

「世界が認めた神リカバリー」著者の木谷将志氏
木谷将志/Masashi Kitani
国際治療家/My Natural Clinicディレクター。世界のトップアスリートから厚い支持を得る治療家。プレミアリーガーを筆頭に、世界中のサッカー代表選手とプライベート契約を結ぶ。クライアントには欧州の代表チームのキャプテンや国民的人気選手も名を連ねる。英国を拠点にしながら欧州各国や米国に赴き、足も使う独自の施術でリカバリー治療に当たっている。日本時代は柔道整復師として10年以上にわたりJリーガー、プロ野球選手、大相撲力士ら幅広いトップアスリートを施術。治療をきっかけに吉田麻也選手と出会ったことで後年、専属トレーナーに。2020東京オリンピックや2022カタールW杯などで、当時日本代表キャプテンの吉田選手を全面的にバックアップした。多数の日本代表選手からも熱心に支持されており、トップ選手たちを陰で支える。

TEXT=木谷将志

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