カラダは究極の資本であり、投資先である。そう断言する堀江貴文氏が、最先端の医療と美容情報を惜しげもなく伝授する本連載。第34回は「YOBO万博」。堀江氏が理事を務める予防医療普及協会が手がける“予防医療の祭典”について、イベント内容と、予防医療の進化や医療従事者の気づきにもつながる開催理由を語ってもらった。
診療科の枠を超えて予防医療を考える機会に
2024年9月14日(土)、東京・有明にある東京ビッグサイトで「YOBO万博2024」を開催します。誰でも参加でき、予防医療を幅広く学べて、いろいろ健康になれる体験もできるイベントを目指して準備を進めている最中です。
この話をするとあちこちで開催の理由を聞かれるんだけど、主にふたつあります。2016年に設立した予防医療普及協会は多くの医師や専門家、企業、団体の協力で活動を続けてきて、それなりの成果を上げてきました。さまざまな検査キットも作っていて、それらもまあまあ売れている。メンバーは基本的に無給で活動している、予算規模が小さな団体ではあるけれど、ある程度、活動資金が貯まってきたなかで何かできないかなと考えたのが、ひとつ目。
毎月、第一線で活躍する医師らを迎えて行う「YOBO対談」というイベントがあって、コロナ禍ではずっとオンラインだったのが、リアルで開催できるようになったのも大きい。その大規模版のようなイベントができないかとアイデアを出し合い、予防医療系のオールジャンルを扱う万博を自分たちで主催しようとなりました。
医療界では小児科とか産婦人科とかそれぞれの専門分野別に「日本○○医学会」という組織があって、年に1度「学会総会」という大きなイベントが開催されています。そこでは、講演やシンポジウムなどが行われたり、医薬品や医療機器メーカーなどの出展も多数ある。ただ、これらの学会は専門領域別の“縦割り”になっていて、「予防」という“横串”を刺した形での学会はほとんどありません。
予防医療普及協会には、オールジャンルの医者、専門医がたくさん所属しています。たまに行っている交流会の場では、けっこう貴重な意見交換がなされているんです。それを見て、異なる専門分野の医師がざっくばらんに話せる場って意外とないことに気づきました。医療関係者にとっても「YOBO万博」のようなイベントは交流の場として役立つのではないか。これが、ふたつ目の開催理由です。
複数の専門領域の医師が関わったからこそわかることって実はあるんです。例えば、2022年に約8年ぶりに積極的勧奨が再開された(子宮頸がんの予防につながる)HPVワクチンですが、その副作用が問題として取り沙汰された当時、産婦人科医だけでなく、思春期の女子の診療も行う小児科医が議論に加わっていたら、そもそも積極的な勧奨中止という結果にはなっていなかったかもしれない、とか。
また、咽頭がんの原因の多くはウイルスだと知られてきたのは、耳鼻咽喉科の医師ではなく、歯科医が患者の唾液にさまざまなウイルスが含まれていることを突き止めたからだという事例もあります。
企業展示や医療相談ブース、トークセッションも
診療科に「予防」という横串を刺すことで、これまでわからなかった予防指針が見えてくるのは、大きな社会的意義のあること。「YOBO万博」の開催は一般の方々のみならず、医療従事者にも新たな気づきがありそうだと思っています。「YOBO万博」では東京ビッグサイトの4つの会場を使い、企業展示や医療相談のようなブースも設け、体組成の計測ができたり、自宅でできる検査キットの販売や身体にいい食事の提供もします。
トークセッションについては下に告知しました。例えば、糖尿病の怖さについては、僕と専門医、そして透析治療を行っているお笑いタレントのグレート義太夫さん、糖尿病で右腕の切断にいたった元近鉄の佐野投手も順調に退院・回復されればご登壇予定です。
他にも加齢による運動機能の低下(フレイル)を防ぐ方法や、最近話題になっている子供のイヤホン難聴やスマホ近眼を予防するための医師の提言など、トークセッションは全部で21テーマを実施予定。これを1日でやり切ります。おそらく、自分が興味を持てるテーマの対談がどこかで必ず行われているはずです。
1日限りのこのイベントに来るだけで、健康寿命が何年か延びるかも。いや、きっと延びるはずだと思っています。
予防医療にまつわる21のトークセッションを実施!
胃がん・大腸がん予防
お笑い芸人/胃がんサバイバー・宮迫博之
東京女子医科大学 消化器内視鏡科教授・野中康一
ホリエモンが選ぶ予防医療
実業家・堀江貴文
医師/東京予防クリニック院長・村上友太
医師/東京予防クリニック大阪院院長・長野広通
医師/医療法人社団有洸会理事長・西野輝泰
子供の「スマホ近眼」を予防する
眼科専門医/OUI Inc.CEO・清水映輔
ファッションモデル/シングルマザー・長谷川万射
糖尿病の「本当の怖さ」を知る
実業家・堀江貴文
糖尿病専門医・渥美義大
透析治療を行うお笑いタレント・グレート義太
夫糖尿病で右腕を切断した・元プロ野球選手・佐野慈紀
子供の個性と心のトラブル予防
児童精神科医/カケミチプロジェクト代表取締役・岡琢哉
タレント/実業家・住谷杏奈
性感染症予防
実業家・堀江貴文
参議院議員・音喜多駿
東京大学医科学研究所附属 先端医療研究センター教授・四柳宏
美肌をつくるスキンケア
医師/アンチエイジング専門家・青木晃
タレント/モテクリエイター・ゆうこす
本当に身体にいい「姿勢」とは
5万足以上のインソール製作に携わった義肢装具製作技師・坂尻憲治
ジャストケアコミュニケーションズ代表取締役・佐藤康弘
東京オリンピック フェンシング エペ団体金メダリスト・宇山賢
スポーツ障害予防
整形外科医/江戸川病院スポーツ医学科部長・岩本航
トミー・ジョン手術を3回経験した元プロ野球投手・館山昌平
整形外科医/日本肘関節学会理事長・正富隆
and more.
2024年9月14日(土)開催! YOBO万博2024 @東京ビッグサイト
著名な研究者やインフルエンサーが集結し、アンチエイジングからがん予防まで幅広いテーマでコンテンツを展開。無料で参加できる展示ブースのほか、6800円のチケット購入で21のトークセッションを観覧できる。詳細はこちら
堀江貴文/Takafumi Horie
1972年福岡県生まれ。実業家。ロケットエンジン開発や、アプリのプロデュース、会員制オンラインサロン運営など、さまざまな分野で活動する。予防医療普及協会理事。著書に『堀江貴文のChatGPT大全』ほか。本連載をまとめた書籍が好評発売中。