HEALTH

2024.03.24

欧米では普通なのに…日本男性が知らない、タイパ&コスパ良しの精力UP法とは?【堀江貴文の健康投資論】

最先端医療を8年以上取材し、「老化は克服できる」ことを自らの身体で実験し続ける堀江貴文氏。「バーキン買うならカラダに使え」と提言する堀江氏が今、特に伝えたい健康で長生きするためのノウハウとは!? ゲーテの人気連載を書籍化した『金を使うならカラダに使え。 ⽼化のリスクを圧倒的に下げる知識・習慣・考え⽅』の一部を再編集してお届けする。第4回。#1#2#3#5 

『金を使うならカラダに使え。老化のリスクを圧倒的に下げる知識・習慣・考え方』
Joshua Earle / Unsplash ※写真はイメージです

テストステロン低下は働く意欲を下げる

僕は毎年人間ドックを受けている。会社を作って独立したころ、当時の経営のパートナーから言われたのがきっかけで、そこからずっとだ。

男性更年期の研究でもよく知られている順天堂大学の堀江重郎教授によると、一般的な人間ドックと、男性更年期やアンチエイジング医学の検査とでは内容が異なるそうだ。その違いは「専門分野の検査項目が加わること。そして、検査結果を解析し説明する医師の専門性が異なること」(堀江教授)。

男性のアクティビティについて重要な項目が男性ホルモンの代表である「テストステロン」と、テストステロンの合成や増加に関わる「亜鉛」と「ビタミンD」で、ベーシックな健康診断には入っていない項目だ。僕もテストステロン値は測ったことがなかった。自分の身体に気を配る経営者には必要な検査だと堀江教授に指摘された。

そもそも、ホルモンとは何か? ホルモンはごく僅かな量で身体のさまざまな機能の調節を行う情報伝達物質で、タンパク質のもととなるアミノ酸やコレステロールから作られる。男性ホルモンとも呼ばれるテストステロンは、男性においては主に精巣で、一部は副腎という小さい臓器でも作られている。堀江教授によると、男性ホルモンの働きには、骨・筋肉の形成、筋力の維持、造血作用、性機能、動脈硬化の予防、脂質代謝への関わりなどがあり、その影響で現れる“性質”が3つあるという。

1つめは冒険。狩猟や旅、新しい物事へのチャレンジ。
2つめは仲間を作ること。
3つめは競争心。縄張り争いやゲーム、スポーツ、仕事も含まれる。

これらの性質により、仲間は作るが他のグループと競うこともし、新たな仕事にチャレンジして達成感を得ようとする時には必要なホルモンだとわかる。

そのテストステロンの数値は個人差があって、年を取ってもそれほど変化のない人もいる半面、30~40代から減っていく人もいるそうだ。しかし、確実に影響が大きいのはストレス。特に社会的な変化によるものが大きいことが最近わかったと堀江教授は教えてくれた。

たとえば、退職や望まぬ配置転換、仕事の不調など。社会で自分が評価されたり、自分らしさを表現できていたり、仕事が好調だという実感があるとテストステロンは分泌されるが、ストレスを感知すると、身体はテストステロンを分泌することをやめてしまう。そしてテストステロンが減ると、意欲が低下したり人間関係がおっくうになったり、眠りが浅くなったりするなど心身への影響が現れる。これが健康リスクの増加にもつながり、高血圧や糖尿病、がん等の病気にも関わってくる。

男性更年期は「LOH症候群」

「更年期」と聞くと女性のことだと思う人は多いだろう。女性更年期は「女性すべてが経験すること」だが、男性の更年期障害は病気として扱われている。それは「LOH症候群」といい、テストステロン値が一定の値よりも低くなる状態で「加齢性腺機能低下症」という名前もついている。

代表的な症状は、疲れやすい、発汗、ほてり、筋肉痛、肥満、頻尿、イライラ、鬱、集中力の低下など。そう、テストステロンの数値が低すぎる状態を放っておいてはいけないのだ。年齢を言い訳にして放置すると、より深刻な病気につながりかねない。

日本ではなじみの薄いテストステロン補充

LOH症候群の治療は泌尿器科など男性更年期を診る科のほか、アンチエイジング医療を行うクリニックで受けられるが、テストステロン補充療法や、薬物療法、エクササイズ、食事療法、マインドフルネス、リラクゼーション等さまざまな治療法がある。原因がテストステロンの減少なのだから、足りないものを与えるテストステロン補充療法が理にかなっていると思うのだが、日本では男性に向けたテストステロン製剤が少ないのだそうだ。

保険適用されるのは、なんと30年以上前に承認された筋肉注射剤しかなく、効果は数日程度で副作用も大きく、何より注射なので痛い。海外ではテストステロンを補充するゲルや経口薬などがあるというのに。

なぜ日本では、テストステロン補充を目的とした薬が開発されないのか?

「日本では、ホルモンを補充するという考えがまだ一般的になっていないんです。不安を感じたり、危険意識を持ったりする方も少なくありません。また、定年退職という制度があり、退職後は隠居して静かに暮らすという、ある意味“枯れていく”文化も背景にあるのだと思います。ですが、少子化や高齢化社会の状況を鑑みると、このままで良いわけはありません。ストレスによって早期にLOH症候群になることを防ぎ、健康寿命を延ばすためにも、治療に使える新しいテストステロンゲルを開発しました。ゲルのタイプで経皮吸収されやすく、副作用が少ないのが特徴です」(堀江教授)

テストステロン補充療法の効果は、筋肉が増える、脂肪が減る、男性機能の回復、糖尿病リスクの低減、脂質異常症の改善などがあり、臨床テストでの主観的な効果としては、睡眠が深くなった、他者に左右されなくなった、不安感が減ったなどがあるそうだ。もちろん個人差はあるが、少量でも効果が現れるのも特徴だという。

ストレスにやられるのではなく、バネとして闘う気力に変えられるようになれば仕事を続ける期間も長く延ばせそうだ。

(中略)

「テストステロン補充のリスクは非常に少ないです。ボディビルダーのように、一時的に大量投与する場合は注意しなくてはいけませんが、そうでない限りほとんどリスクはありません」と聞き、まずはテストステロン値を測ってみることにした。

ゲルを塗るだけで働く気力が上がる!?

測定結果を聞くために、クリニックを再び受診して堀江教授の説明を受けた。堀江教授の所見はこうだった。

「総テストステロン値はあまり高くはありませんが、フリーテストステロン値は高いです。フリーテストステロンとは『遊離型テストステロン』とも呼ばれるもので、心身の症状との相関性も明らかになっています。我々はこの2つの数値を見て判断するのですが、良いパターンですね。血液のデータ自体も非常に良く、亜鉛の数値も十分で、食生活が良いことがわかります。ビタミンDもまあまあいいですが、サプリを少し足してもいいかもしれません」(堀江教授)

テストステロン補充が必要という結果ではなかったが、モニターとして試用させてもらうこととなった。堀江教授が開発に関わったテストステロンゲルである。チューブ入りで皮膚に塗るだけなので使い方は簡単。基本的にはどこに塗ってもいいが、あまり毛が生えていないところがベターらしい。「会社ではやる気が出ない」という人はテストステロン値が低い結果が多いから、堀江教授はゲルの使用を勧めるそうだ。

「テストステロン補充に関して、ものすごくニーズがあるのがアメリカです。定年制度がないこともあるでしょうが、70歳を過ぎたお爺さんでも仕事をしているわけです。筋力が落ちて仕事に影響しないようにとか、93歳で会社の社長を続けているからという理由でテストステロン補充をしている。私が出会った高齢の方々は、皆、姿勢も話し方もとてもピシッとされていました」(堀江教授)

こんなに簡単に使える薬があるのに、テストステロン減少が原因とも知らず、さまざまな症状に耐えている人がいるのが日本の現状なのだ。

なぜ閉経後の女性は元気なのか?

テストステロンは男性ホルモンの代表と伝えたけれど、女性も副腎や卵巣から男性の5~10%程度分泌されている。堀江教授から「なるほど」と思う話を聞いた。

女性は50歳前後の更年期に女性ホルモンの分泌量が急激に低下するため、閉経後はテストステロンの分泌量の割合の方が高くなるそうだ。そのころ、同世代の男性はテストステロン値が下がってくるため、女性の方がものすごく元気でアクティブだと感じるという。男も女もお互いに「昔と違う、性格が変わった」と思うのは、テストステロンの変化の影響もあるのだろう。

なぜテストステロンの分泌が低下するのか。そもそも老化としてプログラミングされているのか。その答えはまだ得られてはいないが、ごく少量分泌されるホルモンというタンパク質に、身体や精神までも左右されていると思うと滑稽にも感じる。要するに社会生活をする上で、テストステロンは重要だということだ。

ちなみに、僕はテストステロンゲルの試用は続けていない。理由は、検査の結果、テストステロンの数値はそれほど低くなかったし、LOH症候群の症状にも当てはまらなかったから。ちゃんと血液検査をして自分の数値を把握することで、必要な治療がわかるし、やめ時の判断もできるのだ。

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COMPOSITION=海野由利子

TEXT=堀江貴文

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