2026年10月8日(木)から11日(日)に開催されたPGAツアー「Baycurrent Classic Presented by LEXUS」を、24歳のマイケル・ブレナンが通算16アンダーで制した。飛距離だけでなく、91.67%という圧倒的なフェアウェイキープ率が光った今大会の強さを分析し、アマチュアが真似できる「高速バックスイング」のレッスンを動画解説とともに解説する。吉田洋一郎コーチによる最新ゴルフレッスン番外編。

今季2勝目を挙げた24歳。飛距離が武器の若手有望株
「Baycurrent Classic Presented by LEXUS」初日に8アンダーの63をマークしたジェイコブ・ブリッジマンが単独首位に立ち、2日目はキース・ミッチェルと首位タイで折り返した。3日目にはブレナンが65をマークし、ブリッジマン、ザック・ボウチョウと通算13アンダーで首位に並んで最終日を迎えた。
優勝争いが混戦となるなか、ブレナンは10番でボギーを叩いたものの、11番と12番で連続バーディーを奪取。その後は残り6ホールをパーでまとめ、1打差で逃げ切った。
ブレナンは2025年、PGAツアーの下部ツアーにあたるPGAツアー・アメリカズで3勝を挙げ、年間王者に輝いた。同年10月に主催者推薦で出場した「バンク・オブ・ユタ選手権」では、プロとして初出場したPGAツアーの大会で初優勝を果たすという衝撃的なデビューを飾っている。
2026年シーズンはレギュラーシーズン最終戦のウィンダム選手権で2勝目を挙げ、フェデックスカップランキング105位からプレーオフ進出圏内の70位以内に滑り込んだ。最終的にランキング46位でシーズンを終え、今大会でも優勝。PGAツアー通算3勝と、急速に存在感を高めている。
ドライビングアキュラシー91.67%。飛距離を生かすマネジメントの強さ
今大会のブレナンは、持ち前の飛距離に加え、ティーショットの正確性も際立っていた。ドライビングアキュラシーは91.67%でフィールド1位。全60回のティーショットのうち55回でフェアウェイを捉え、第2ラウンドと最終ラウンドは15ホールすべてでフェアウェイキープを記録した。平均飛距離も317.40ヤードで6位に入っており、飛距離と正確性を高いレベルで両立していたことがわかる。
ブレナンの2026年シーズンの平均飛距離は327.0ヤードでツアー3位。さらに、ティーショットの貢献度を示すストロークゲインド・オフ・ザ・ティーもプラス0.695で3位に入っている。一方、今季のドライビングアキュラシーは61.73%で80位。シーズンを通じて正確性が突出して高かったわけではないだけに、今大会で91.67%を記録したことが際立った。
その背景には、コースに合わせたゲームプランがあった。ブレナンは今大会、普段よりやや保守的な戦略を採り、ドライバーを使う場面を抑えた。初めての日本でのプレーとなり、慣れない芝への対応も求められたことが、その判断にも影響したと考えられる。特にラフではボールが予想以上に飛び、距離のコントロールが難しい。そのため、飛距離を追求するよりも、フェアウェイを捉えて次のショットを打ちやすい状況を作ることを優先した。
飛距離のあるブレナンだからこそ、毎回ドライバーで最大限の飛距離を狙う必要はない。状況に応じてクラブを選び、正確性を優先する。そのマネジメントが、安定したショットとスコアメークを支えた。
シーズンを通じて課題の一つだったグリーン周りでも、今大会は好プレーを見せた。グリーン周りからの貢献度を示すストロークゲインド・アラウンド・ザ・グリーンは今季マイナス0.553で162位だったが、今大会のスクランブリング率は77.78%で3位タイ。最終日の16番パー3でも、グリーン脇のバンカーからピンそばに寄せてパーセーブするなど、終盤の難しい場面でもスコアを崩さなかった。
ブレナンの強みは、圧倒的な飛距離だけでなく、それを生かす判断力とショットの精度にある。コース状況に応じてリスクを管理し、次の一打を有利にするマネジメントが優勝につながった。力強くスピード感のあるスイングと、ローリー・マキロイを思わせる美しいフィニッシュも魅力だ。24歳の若き実力者は、次世代のスーパースター候補といえる。
飛距離と方向性を両立するブレナンのスイング
ブレナンのスイングは基本に忠実で、いわゆる飛ばし屋のような派手さはないが、飛距離と方向性を高いレベルで両立している。体と腕がシンクロした状態から、素早く滑らかなバックスイングでクラブを上げていく。その勢いを生かし、切り返しではクラブの反動を利用してパワーを生み出している。
ブレナンのような完成度の高いスイングをそのまま真似するのは難しいが、アマチュアが参考にできるポイントもある。それがバックスイングのスピードだ。
ゆっくり上げるほうが再現性は高いと思われがちだが、クラブを素早く上げることでシャフトのしなりや反動を生かしやすくなる。飛距離を伸ばしたいなら、ゆっくり振り上げることだけにこだわらず、バックスイングの勢いを利用する意識も取り入れたい。
動画で解説|マイケル・ブレナン流・高速バックスイング
◼️吉田洋一郎/Hiroichiro Yoshida
1978年北海道生まれ。ゴルフスイングコンサルタント。世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベター氏を2度にわたって日本へ招聘し、一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。『PGAツアー 超一流たちのティーチング革命』など著書多数。

