美容医療は“印象”への投資。男性美容研究家・藤村岳は、表情の悩みを美容治療で解決できるのか。第2弾は、首のたるみ。第1弾「眉間のシワ編」はコチラ。

撮影で気づいた輪郭の変化…老け顔は横顔から始まる
“スマホ首”という言葉を、最近よく見聞きするようになった。オンライン会議や動画撮影の機会が増えたことで、正面からは気づきにくい輪郭の変化、特にあご下のもたつきやフェイスラインの緩みに悩む人が増えている。実は筆者もそのひとり。
先日、とある撮影で、正面、横、背面と写真を撮られた。その画像チェックで驚いてしまったのが横から客観的に見る自分の姿。ここ最近、食事の節制やウォーキングなどで適度に節制しており、先日受けた健康診断で血液検査でなんとオールAという成績(?)をたたき出したのだが、この首の“たるみ”には、正直、まいってしまった。
前回(「何か怒ってます?」眉間のシワをボトックスとヒアルロン酸で治療してみたら)、眉間のシワをボトックスとヒアルロン酸で整えていただいた。おかげで、会う人から「若返った」「印象が違う」などうれしい声がけが増えたのも事実。そこで、今回もまた、衣理クリニック表参道の片桐衣理先生に今回はこの“首下のたるみ”について話を聞きにうかがった。
たるみは一種類ではない。まず見極めが必要だ
“たるみ”とひとくくりに語られがちだが、衣理先生いわく、その中身は一様ではないという。大きく分けると、脂肪が余分についているタイプ、皮膚そのものが伸びて垂れているタイプ、表情筋や首まわりの筋肉が緩んでいるタイプなどがあると言う。そして、厄介なことだが、これらが単独で起きることもあれば、複数が絡み合っていることも多い。
「実際、加齢だけでなく、姿勢や生活習慣の影響も大きいですね」と衣理先生。長時間スマホを見続けたり、PC作業でうつむいた姿勢を続けたりすると、首の筋肉が常に緩んだ状態になり、たるみを助長する。
また、急激なダイエットなどで皮下脂肪が減った場合には、それまで内側から皮膚を支えていた土台が失われ、余った皮膚がたるみとして表面化することがあるという。「原因は人によって異なるため、まずどのタイプかを見極めることが出発点になる」のだそうだ。
“ほぐし”と“引き締め”、2つのアプローチ
筆者の場合、皮膚のたるみと脂肪の両方が関係しているとのこと。そこで提案されたのが、“レジェンドプロ+”と“クールスカルプティングエリート”の併用だった。「ほぐして引き締めるアプローチと、数そのものを減らすアプローチ。性質の違う施術を掛け合わせて初めて“たるみ”は整うんです」と衣理先生。前回の眉間のシワでも感じたことだが、一点だけを見ず、全体のバランスから逆算して組み立てていく発想はまさに“Dr.衣理式”。

まず、レジェンドプロ+タイトニングは、高周波(RF)と電気刺激(DMA)を同時に当てることで、皮膚の表面から筋肉まで複数の層に働きかけるマシンだ。RFの熱がコラーゲンの生成を促し、電気刺激が筋肉そのものを鍛えるようにアプローチ。“引き締める”と“土台を強くする”を一度に行うイメージである。

実際に受けてみたところ、これはとにかく温かく心地いい。首からフェイスラインに沿ってアプリケーターをダイナミックに滑らせていくと凝り固まった筋肉をほぐされる感覚がある。高周波を流すので筋肉がピクピクと動く独特の感覚があるが、痛みというほどのものではない。

皮膚の表面から筋肉まで、表皮・真皮・皮下組織・筋肉の4層を一気に通り抜けていくような感覚があり、何か一つの悩みにピンポイントで効くというより、首まわり全体の巡りと張りを底上げしていくイメージだ。なんというか、温泉に浸かりながら、エステで揉みほぐされているような感覚と言えばわかっていただけるだろうか。

脂肪細胞を凍らせてアポトーシスへと誘う
その後に行ったのは“クールスカルプティング エリート”。こちらは該当箇所に専用のアプリケーターデインジャーを挟み込み、約4度まで冷却することによって脂肪細胞を凍らせ、アポトーシス(細胞死)を起こさせるというマシンだ。メスも麻酔も使わず、体外から狙った箇所の脂肪細胞の数自体を減らせるのが最大の特徴で、リバウンドしにくいと言われている。ハーバード大学医学部の研究を基に開発され、米国のFDA(食品医薬品局)や日本の厚生労働省の承認を受けた医療脂肪冷却痩身機器でもある。
こちらのクリニックでは、このマシンを2台所有しており、最大4ヵ所を同時に施術できる体制を整えている。今回は筆者はとりあえず、首下だけの施術だったが、腹部や二の腕など、気になる部位を一度に施術することも可能だ。1回の通院で効率よく効かせたいビジネスパーソンにとっては、こうした「一度にまとめて済ませられる」というのは重要なポイントだろう。

あご下にアプリケーターを装着し、しばらく冷却。装着直後はきゅっと引っ張られる感覚と冷たさがあるが、数分もするとほぼ何も感じなくなる。施術中はスマホを操作したり、軽く休んだりできるほど拘束感は少ないが、せっかく首のたるみを退治しにきているのだから、ここは目をつぶって、受けることにした。

ダウンタイムについても、レジェンドプロはほぼゼロ。巡りがよくなるので、少し顔が上気したようにはなるがそれもすぐに引いた。これだけなら施術後すぐに人と会っても問題ないだろう。また、Dr.衣理式、クールスカルプティング エリートも腫れや内出血といった副作用はほとんど見られないというが、冷却直後のみ多少の赤みや軽い違和感が出ることもある。もし、施術直後に人前に出るようなタイミングがあるのならば、少し時間をずらす方が無難だろう。とはいえ、筆者は吸引圧で少し赤みは出たが、1時間もしないうちに落ち着いた。
ダブルの施術、首のたるみの気になる効果は?
効果が出るまでの期間は、作用機序が異なるぶん、それぞれ違ってくる。レジェンドは1週間から10日おきに複数回重ねることで、筋肉の形状記憶によりハリが持続していくのだそう。1回でも、滞って詰まっていた感覚がずいぶんと収まり、巡りがよくなった気がする。中途半端なマッサージに通うより、断然こちらの方がよい、と感じた。
一方のクールスカルプティングは、凍ってアポトーシスした脂肪細胞が体内で分解され、2~4ヵ月ほどかけてゆっくりと体外へ排出される。そういった仕組みのため、施術直後よりも2~3ヵ月ほど経った頃に効果を実感しやすく、リバウンドしにくいという。
大切な会食やプレゼン、撮影の予定がある場合は、そこから逆算して1ヵ月前後の余裕を見て施術を受けておくのが賢いスケジューリングと言えるだろう。実際、個人的な感想だが、この施術を受けてから3週間ほど経ち、たしかに首周りのもたつきがずいぶんとスッキリとした。あごのラインがきちんと出て、シャープさが先日の撮影時とはまるで異なっている。

リスクはゼロではない。だからこそ経験値がものを言う
もちろん、医療行為である以上、リスクがまったくないわけではない。「クールスカルプティングは基本的に安全性の高い治療ですが、まれに施術部位の感覚が一時的に鈍くなることがあります。数週間から数ヵ月で回復するケースがほとんどですが、事前にきちんとご説明いたします」と衣理先生。

寒冷刺激に敏感な体質や、特定の既往症がある場合は施術を避けるべきケースもあるという。レジェンドについても、金属製のインプラントが施術部位にある場合などは注意が必要とのこと。こうしたリスクの見極めやアプリケーターの当て方、出力の調整は、医師の経験によって差が出やすい重要なポイントだという。
セルフケアで、できること、できないこと
では、「自宅でのセルフケアで何とかならないのでしょうか?」と尋ねると、「姿勢を整えたり、保湿をしっかりすることはある程度の予防にはなりますが、すでに増えてしまった脂肪や、緩んだ皮膚や筋肉を戻すのは、セルフケアの範囲を超えています」ときっぱり。ここは医療でなければ届かない領域、ということだ。
だからといって、何もセルフケアをしないでもよいというわけではないので、筆者はネック&デコルテ用のクリームをいつものスキンケアルーティンへと組み込むことにした。意識してケアをすると、人は自ずと変われるとも信じている。
たるみは単なる“老化”ではなく、土台の重心のズレ
今回の取材でわかったのは、首まわりのたるみとは単なる老化のサインではなく、姿勢や体組成の変化によって生じる“ズレ”のようなものだということ。体重や体型が変われば、それに合わせて土台の調整も必要になる。各人の姿勢のクセや日々の生活習慣も、すべてが輪郭に反映され、それらが総じて印象へと投影される。
ただ「痩せてよかった」、「体脂肪率が減ってよかった」という短絡的な話ではなく、今度は、痩せた分、新たに身体のバランスを整えることが重要となってくる。そんなメディカル視点でのメンテナンスもまた、ビジネスパーソンの印象を支える投資のひとつと言えそうだ。


住所:東京都港区南青山3-1-34 3rd MINAMI AOYAMA 7F
TEL:初診 03-5786-1155 / 再診 03-5786-0077
【首のたるみへの施術】
レジェンドプロ+ 首周り:¥30,000~
クールスカルプティングエリート:2カップ ¥140,000~
※別途、初診料などがかかる



