2026年2月、ジェイコブ・ブリッジマンがザ・ジェネシス招待でPGAツアー初優勝を飾った。26歳の新星を支える大きな武器が、ツアー1位のパッティングだ。今回は、急成長を続けるブリッジマンのキャリアとスタッツを紐解きながら、アマチュアにも参考になるショートパットのポイントを紹介する。吉田洋一郎コーチによる最新ゴルフレッスン番外編。

PGAツアー初優勝、プレジデンツカップにも選ばれた26歳
2026年のPGAツアー・レギュラーシーズンでは、8人の選手が初優勝を挙げた。そのなかでも注目されているのがジェイコブ・ブリッジマンである。
2月のザ・ジェネシス招待で初優勝を飾ると、プレーオフ最終戦のツアー選手権で4位タイに入り、その活躍によってプレジデンツカップの米国代表メンバーにも選ばれた。
26歳のブリッジマンを語るうえで欠かせないのが、パッティングだ。2026年シーズンのストローク・ゲインド・パッティング(SG:パッティング)はツアー1位。勢いに乗る26歳は、PGAツアーの次世代を担う存在へと着実に成長を続けている。
ジュニア時代から頭角を現し、PGAツアーへ
ブリッジマンは1999年、サウスカロライナ州インマン生まれ。幼いころは野球にも取り組んでいたが、7歳からゴルフの大会に出場し、徐々にゴルフへ専念するようになった。高校時代には州の個人選手権で3度優勝するなど活躍した。
その後、地元のクレムソン大学に進学。大学では60台のラウンドを通算50回記録し、4年間で5勝を挙げるなど活躍。2022年4月にはアトランティック・コースト・カンファレンス(ACC)選手権の個人戦をプレーオフで制し、同年にはACC男子ゴルフの年間最優秀選手にも選ばれた。
それらの活躍により、PGAツアーユニバーシティランキングでは2位に入り、コーンフェリーツアーの出場資格を得た。その年にプロ転向を果たし、コーンフェリーツアーを主戦場とした。2023年は優勝こそなかったものの、トップ10を6回記録。ポイントランキング14位でPGAツアーへの昇格を決めた。
2024年にPGAツアーへ昇格すると、トップ25を10回記録するなど安定した成績を残して113位でシードを獲得。そして、2025年にはコグニザント・クラシックで2位タイ、バルスパー選手権で3位タイなど、優勝争いに何度も加わり、シーズンのトップ10は5回。初めてツアー選手権にも出場し、フェデックスカップランキング27位に入るなど、着実にステップアップを続けた。
そして2026年2月、シグネチャーイベントのザ・ジェネシス招待でブリッジマンは初日から上位をキープ。最終日は2位のローリー・マキロイに6打差をつけてスタートしたが、終盤にはリードを縮められた。それでも最後までリードを守り、マキロイとカート・キタヤマに1打差をつけ、通算18アンダーでPGAツアー初優勝を飾った。
その後も安定した成績を残し、トップ10を6回記録。プレーオフ最終戦のツアー選手権でも4位タイに入るなど、初優勝を足掛かりに着実に成長を続けた。
さらに、米国選抜キャプテンのブランド・スネデカーからキャプテン推薦を受け、プレジデンツカップの米国代表メンバーに選出された。ジュニア時代には米国代表としてジュニア・プレジデンツカップに出場しており、26歳で今度は本大会のメンバーに名を連ねることになった。
そして、プレジデンツカップを翌週に控えたビルトモア選手権・アッシュビルでは、最終日に10アンダーの61をマーク。通算26アンダーで2位に2打差をつけ、2026年シーズンで2勝目を挙げた。最終日の61は自身のPGAツアー最少スコアとなり、プレジデンツカップを前に強いインパクトを残した。
武器はツアー1位のパッティング。特にショートパットがすごい
2026年のブリッジマンののスタッツで目を引くのが、パッティングの数字だ。平均的な選手と比べてどれだけスコアを稼いだかを示すストローク・ゲインド(以下SG)で、パッティング部門がツアー1位となっている。特に短い距離のパッティングは際立っており、約1.5メートルのパット成功率は93.04%でツアー1位と大きな武器になっている。
さらに、100~125ヤードからのショットは平均約4.65メートルに寄せており、こちらもツアー1位。パー4の平均スコアは3.94でツアー2位、パー4でバーディー以上を記録する割合も21.98%でツアー2位となっていることから、400ヤード台前半のパー4では、得意の短い距離のショットとパッティングを生かしていると考えられる。
一方で、まだ伸ばせる部分もはっきりしている。2026年のSGでは、SGトータルが15位なのに対して、ティーショットの貢献度を示すSGオフ・ザ・ティーは70位、グリーンを狙うショットのSGアプローチ・ザ・グリーンは40位と、ショットには改善の余地がある。
さらに、グリーン周りのSGアラウンド・ザ・グリーンは118位となっている。特にサンドセーブ率は133位と課題となっている。
今後、ショットやグリーン周りの安定感が加われば、現在のパッティングという武器をさらに生かせる場面も増えてくるだろう。複数回の優勝を狙える選手へと成長していく可能性もある。26歳のブリッジマンは、まだ成長の途上にある。
※SGは2026年9月21日時点の数値をもとにしている。
アマチュアも真似したい、ショートパットの「目線」
ブリッジマンはショートパットの成功率の高さが際立っているが、アマチュアゴルファーにとっても、ショートパットの確率を高めることはスコアを安定させるうえで欠かせない。
短い距離の精度を高めるには、アドレスでボールとフェースの向きを正確に合わせることが重要だ。ボールに入ったラインを目標方向にセットし、それに対してパターフェースを合わせることで、アドレスの方向性を確認しやすくなる。
また、構えたときに「まっすぐ向いているはずなのに違和感がある」という場合は、アドレスの目の位置も確認したい。目の位置がボールより手前にあると右を向いているように感じやすく、反対にボールより先にあると、ボールに覆いかぶさるような構えになり、左を向いているように感じやすい。
ボールとフェースを正しくセットしたうえで、自分がまっすぐ構えやすい目の位置を見つけることも大切である。
ショートパットの精度を高めるには、まず自分がまっすぐ構えやすい位置を見つけ、狙った方向へ打ち出せているかを確認することから始めたい。
動画で解説|ショートパットを安定させる「目線」ドリル
◼️吉田洋一郎/Hiroichiro Yoshida
1978年北海道生まれ。ゴルフスイングコンサルタント。世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベター氏を2度にわたって日本へ招聘し、一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。『PGAツアー 超一流たちのティーチング革命』など著書多数。

