GOLF

2021.11.20

ゴルフ初級者でもわかる! 飛距離が伸びる、シャローイング(シャロースイング)とは?【動画解説】

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム168回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。今回は、シャローイングを初心者や女子にもわかりやすく解説。

【ゴルフクラブを倒すのは手や腕ではない】

ここ数年、「シャローイング」という言葉をゴルフ雑誌やゴルフレッスン動画で見聞きしたことがあるのではないだろうか。シャローイングの「シャロー」とは「浅い」という意味があり、ダウンスイング初期にクラブを寝かせ、緩やかな角度で下ろすことだ。逆に、カット軌道のスライサーにありがちな、クラブが立った状態で急角度にクラブを振り下ろすことを「スティープ」という。

日本では「シャロー」という言葉は、あまり馴染みがなかったが、欧米では昔から使われている言葉だ。ベン・ホーガンやボビー・ジョーンズといった往年の名選手もシャロー軌道のダウンスイングをしていたが、近年、科学的な分析によってダウンスイング軌道をシャローにすることのメリットが裏づけられ、注目を集めるようになった。

ダウンスイングの角度がシャローになることで、インサイドからクラブが下り、ドローボールを打ちやすくなる。加えて、ダウンスイング後半にパッシブトルクと呼ばれる外力を使えるようになるため、ヘッドスピードが上がり飛距離も出るようになる。

シャローイングについて「切り返しでクラブが倒れる」もしくは「クラブを寝かせる」などと説明されることがあるが、この動きを手や腕を使ってクラブをシャローな状態にすることだと勘違いしている人がいるかもしれない。特にありがちなのは、ダウンスイングで腕を自分の身体に引きつけて、クラブを寝かせようとする人だ。確かに右肘を身体に引きつけると、クラブが倒れて角度が浅くなるのだが、腕が窮屈になりしっかり振り切ることができなくなる。更に、身体と腕のシンクロが崩れることで振り遅れの状態になるため、飛距離をロスするだけではなく、方向性も損なうことになる。

【下半身の動きでゴルフクラブがシャローに下りる】

シャローイングは、決して手先でクラブを操作してダウンスイングを行うわけではない。クラブの動きと身体の動きが連動することで、結果的に振り下ろす角度がシャローになるというのが理想だ。実際、下半身先行のダウンスイングをおこなうことができれば、自然にクラブはインサイドからシャローに下りてくる。

先日、アジアパシフィック女子アマチュアゴルフ選手権で優勝した橋本美月選手は、バックスイングをアウトサイドに上げ、インサイドからシャローに下ろすスイングをしていた。決して手先で軌道を作るのではなく、下半身をしっかりと使ってダウンスイングを行い、シャローにクラブを下ろすことができていた。

橋本選手のようにバックスイングをアップライトに上げ、ダウンスイングをシャローに下ろす「ループ軌道」のスイングを行うことで、ダウンスイングの軌道をシャローにすることが体感できる。

シャローに下ろすためには、バックスイングもフラットな方がよさそうに感じるが、フラットにバックスイングを上げると、アウトサイドからクラブが下りる「逆ループ軌道」になる可能性がある。それとは反対の「ループ軌道」なら、バックスイングで右腕を内旋しているので、そのままクラブを振り下ろすことは難しい。そのため、右手を外旋させなければ打てないので自然とダウンスイングの軌道がシャローになる。

シャローイングの具体的な方法だが、バックスイングはシャフトを立てて、極端にアウトサイドに上げる。

トップから切り返すときに左足を踏み込み、スクワットをするような姿勢で上半身をやや沈み込ませると、クラブも一緒に沈み込み、背中のほうにクラブが倒れやすくなる。このとき、腕の力を抜けば自然にクラブが下りてくるはずだ。

このとき、右手にクラブの重さを感じ、背中のほうにクラブが下りてくるイメージを持つと、シャローな軌道でクラブが下りてくる。決して、腕や手でクラブを下ろしたり、わざとシャフトを傾けるわけではないということを覚えておいてほしい。

こうしたシャローイングの動きを強調したドリルでスイング練習を繰り返すことで、下半身を使ってクラブを寝かせながら下ろす感覚が養われる。特にカットスライサーの人は、シャローイングを上手に取り入れることができれば、スイングは安定し、ボールも力強く飛んでいくはずだ。

【動画】シャローイングをマスターする練習方法はこちら↓

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TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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