GOLF

2022.01.29

フォロースルーで左ひじが引けてしまう原因とは?──連載「吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン」Vol.177【動画解説】

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム177回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。今回は、脱スライスを克服する正しいスイングのポイントを紹介。

【フォロースルーを改善してチキンウィングを改善】

スライスで悩んでいる人のフォームを見てみると、フォロースルーで左ひじが引けている場合が多い。ボールを打った後に左ひじが曲がり、後方に引いてしまうのが「左ひじが引けている」という状態で、左ひじの状態がニワトリの羽のように見えることから「チキンウィング」などとも言う。

このようなフォロースルーでは見た目が悪く、飛距離も方向性も損ねてしまう。だからといって、プロゴルファーのように両ひじが真っ直ぐ伸びたフォロースルーを意識してみても簡単に直るものではない。

なぜなら、左ひじが引けている人の多くはスイング軌道がアウトサイドインになっているため、左ひじを引かなければクラブを振り抜けない状態になっているからだ。そのようなスイング軌道でひじを真っ直ぐ伸ばそうとすれば、大きく左へボールが曲がったり、クラブがボールに当たらなくなってしまうだろう。

左ひじの引けを解消するには、曲がっているひじを直すのではなく、スイング全体を見直す必要がある。

【スイングの入口と出口を意識する】

簡単に言ってしまえば、左ひじが引ける原因はアウトサイドインのスイング軌道にある。ダウンスイングが始まる地点である「入口」で、クラブがスイングプレーンよりも高い位置から下ろされると、フォロースルーの「出口」はスタンスのラインより内側になる。入口がアウトサイドだと、出口は必然的にインサイドになり、左ひじを引かなければクラブを振り抜けなくなるのだ。

逆に、クラブをインサイドから下ろし、アウトサイドにクラブを振り抜けば、フォロースルーで体からクラブが離れていくため左ひじを曲げることはできない。インサイドアウト軌道でクラブを振ることができれば、左ひじの引けは解消されるのだが、一度身についたスイングの癖は簡単に修正できるものではない。

左ひじの引けを改善するために「出口」であるフォロースルーを意識してみてほしい。多くの人はインパクトでボールを打つことに集中するため、フォロースルーの意識やイメージを持っていないことが多い。フォロースルーのイメージがないとボールにクラブを当てて終わりということになり、ダウンスイングの軌道が適切でも内側にクラブを引き込む可能性がある。そこで、フォロースルーのクラブポジションを意識することでスイング軌道が明確になり、クラブが最終的にどこに向かうかがイメージすることができる。出口が決まれば、必然的に入口であるダウンスイングも自然と改善される。

フォロースルーの出口は右腕が地面と平行のポジションに設定してほしい。そのポジションで右腕を飛球線と平行にし、シャフトを立たせる。この出口の位置は通常よりも極端にアウトサイドに設定しているため、クラブを振るためにはかなりアウトサイドに振らなければいけないだろう。人によってはクラブを振るというより、クラブを押し出すような感覚になるかもしれない。これくらい極端に動きを行わないと長年しみついた動作は新しい動きに置き換わらない。今までの内側にクラブを引き込む癖を上書きするために極端に行ってほしい。

この出口のポジションを確認したら、出口からトップに向かって逆方向にスイング軌道をなぞり、入口のダウンスイングの位置までクラブを戻してみよう。このような逆モーションを行うと、自然とクラブがインサイドに上がり、この位置からクラブを振り下ろせば、自然とインサイドアウトに振り抜くことになるのがわかるだろう。

それでも、左ひじが引ける癖が染みついて直らないという人は、クラブを右斜め45度に向かって振っていく極端な感覚を持つといい。かなり違和感を感じると思うが、極端な動きでスイングすることで、今までの左ひじを引く動きが矯正されて適切なスイングになっていく。

左ひじが引けるスイングを修正するには、インサイドアウトのクラブ軌道に慣れるために根気強く練習に取り組む必要がある。左ひじの引けを解消できれば、見た目が良くなるだけではなく、飛距離も方向性も改善する。是非、見た目もパフォーマンスもワンランクアップした理想のスイングを身に付けてほしい。

フォロースルーを改善し、理想的なスイングを身につける練習方法

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TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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