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GOLF

2020.07.31

飛ばそうと力む人に多い、右手の使いすぎを治すゴルフ練習法

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム105回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。今回は右手の使いすぎを治す練習方法について。

吉田洋一郎

腕力だけではボールは飛ばない

アマチュアのラウンドレッスンを行った。当日参加してくれた山木さん(仮名)を3年ほど指導している、ハンディ12前後の50代後半の男性ゴルファーだ。山木さんは筋力トレーニングをしており、腕力が強いということもあって、ボールを遠くへ飛ばそうとすると上半身に力が入る傾向がある。特にドライバーショットで力んで大きなミスショットが出るという傾向があり、スイング中の力みをとることに取り組んできたが、3ヵ月ぶりにスイングをチェックすると元の力感の強いスイングに戻ってしまっていた。

アドレスから力みが強く、トップでは肘の位置が高く右わきが開いたフライングエルボーになっていた。その結果、ダウンスイングで右手を使ってアウトサイドからクラブを振り下ろしてしまい、プルフックやこすり球のミスが出ていた。更にインパクトで強く打とうと力むため手元が先行してフェースが開き、プッシュアウトやシャンクが出ることはもちろん、ヘッドスピードも落ちてしまっていた。

ゴルフの場合、筋力があり腕っぷしが強いからといって、飛距離が出るとは限らない。むしろ、飛ばそうとして力任せのスイングになってしまう恐れがある。山木さんの場合も、力を入れてもプラスにならないと頭では分かっていても、ドライバーを手にすると飛ばしたくなって手や腕に力が入ってしまうようだ。力を入れて飛ばそうとすればするほど、球は曲がって飛距離も落ちるものだ。上半身に力を入れてクラブを急加速させることは何もメリットを生まない。

右手の力を抑え、左手を使う

飛ばそうと手や腕に力が入ると、人はどうしても普段使い慣れている利き手や利き腕に力を入れてしまう。つまり右利きのゴルファーは右手を過剰に使ってしまうのだ。

力任せのスイングにならないようにするには、利き手である右手を使い過ぎないようにすることが大切だ。普段から使い慣れている右手を使えないようにすれば、末端部分のコントロールができなくなるため、体を使ったスイングを覚えやすくなる。

右手を使いにくくするために、右手の親指と人差し指を離して、クラブを握ってみてほしい。利き手の中でも最も器用で、普段の生活で使用頻度の高い親指と人差し指をグリップから外した状態でクラブを振るのだ。特に右手に頼ってスイングしていた人はどのように振っていいのかわからなくなるかもしれない。しかし、クラブヘッドの重みを感じながら体全体を使ってクラブを振れるようになれば、右手を使わなくても振れる感覚が理解できるようになる。最初は素振りから始めて、ボールを打つ練習をしてみるといいだろう。

右手を使わずにクラブを振る感覚を覚えたら、次は左手を使う練習だ。よくプロゴルファーが左手1本でクラブを振る片手打ちの練習をしているが、この練習は左手の使い方を覚えるのに非常に有効な練習だ。不器用な左手だと、自分の意思を伝えることは難しい。そのため、飛ばそうと力むことがなくなり、スイング軌道の中でボールをとらえることができる。左腕と体と一体化させてスイングすることで、力みによるトップのオーバースイングが軽減されたり、ダウンスイングでクラブがアウトサイドから下りづらくなる。まずは左わきをしめて、素振りから始めてみるといいだろう。

右手を使わない感覚と左手を使う感覚を覚えたら、次は左手9割右手1割の力配分でクラブを振ってみる。利き手である右サイドの強さや使いやすさを考えれば、それくらいのイメージでちょうど5対5くらいになるだろう。

ラウンド前の練習場で山木さんにも右手の親指と人差し指をグリップから離し、左手をメインにスイングするように指導した。最初は全くボールに当たらなかったが、徐々にコツをつかみ、ラウンド後半にはドライバーショットで見事なドローボールを放ち、他の参加者をオーバードライブしていた。その数日後、こんなメールが山木さんから来ていた。

「先日は雨の中、有意義なレッスンをありがとうございました。レッスン以降の練習では、右手グリップは軽く添えるだけにして、左手主導で腹筋と腹斜筋に力を入れて体で振っていくことで、左のひっかけも右プッシュアウトも少なくなり、だいぶ手ごたえを感じることができました。おかげさまで、昨日は久しぶりの業界のコンペでしたが、ドライバーは13回中10回はストレートあるいは軽いドローボールで260~270ヤードのショットが打てて大満足でした」

飛ばすために強く振っているのに飛距離が伸びないと悩んでいるアマチュアゴルファーは、ぜひ右手を使う度合いを弱め、左手を使う感覚を身につけてほしい。

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TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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