CAR

2026.02.20

“新・跳ね馬”フェラーリ アマルフィが変えたクーペの新常識【試乗】

ポルトガルでFR 2+クーペの新型「アマルフィ」を走らせた。滑らかな出足と理性的なブレーキで、艶やかな走り心地。毎日連れだせるドライバーフレンドリーな“新・跳ね馬”が現れた。

疾走するフェラーリ アマルフィ

さらに親しみやすくなった、毎日乗れる“新様式”美

ポルトガル最南端、ファロ。冬でも光が強いリゾートで、フェラーリ新型「アマルフィ」を走らせた。名は、世界遺産の漁村風景が広がる南イタリアの海岸から。新型は──肩肘張らずに上質を味わうイタリア流の様式美─“ドルチェ・ヴィータ”の続編。ローマの次章である。

FR 2+クーペ「ローマ」の後継にして、ムードには現代っぽさが加わった。格子状グリルは姿を消し、面はよりふくよかに。型式はF169M──ローマ(F169)の進化版を示すM=モディフィカータである。寸法やホイールベースもほぼ同じ。では、何が変わったのか?

その答えは、走りだした瞬間に感嘆とともに現れる。まず発進がスムーズなのだ。8速DCTの変速のキレ味はそのままに、低速ではトルコンATのように自然。視界良好で、日常のテンポに寄り添うフレンドリーさがある。心臓部は3.9ℓV8ツインターボで、最高出力は640CV。踏んだ瞬間から立ち上がる、キレ味鋭い吹け上がりが何より気持ちいい。

姿勢は終始フラット。電子制御の見直しで、街から快走路、ワインディングまで落ち着きがある。なかでもブレーキは特筆に値する。ブレーキ バイ ワイヤの採用で、タッチは繊細かつ唐突にならないから、“走る・曲がる・止まる”の一連の動きが淀みなくつながり、跳ね馬と呼吸が合う。その感触が躍動となって返ってくるから楽しい。

パフォーマンスは0→100㎞/h加速3.3秒。容赦ない数値を掲げながら、キャラクターはドライバーしだい。ドライビングモード「マネッティーノ」ひとつでジェントルなGTにも、スポーツにも振れる。その振り幅も大いなる魅力である。

熱視線を跳ね返す存在感

ファロの街では、跳ね馬の美声と存在感に誰もが視線を送る。アマルフィはデザインの受け取り方も象徴的だ。タイトな美学を知る40代以上のオールドファンには、アマルフィはやや挑戦的に映るかもしれない。一方、今の20代は、オーバーサイズで、上質をラフに着崩す。派手さではなく、抜け感で品をつくる。ローマにローファーを合わせるならば、アマルフィはカーボンを内蔵したランニングシューズだ。

余白を纏う、フェラーリの新様式である。

走るフェラーリ アマルフィの後姿

フェラーリ アマルフィ

伝統のFRレイアウトを採用する2+クーペ「ローマ」の系譜を受け継ぐ、日常使いできる新型。骨格や寸法はほぼそのままに、質感を磨きこむアプローチで新たに美しいボディフォルムと一体化した可変アクティブリアウィングを搭載する。¥34,180,000~。詳細はこちら

Specifications

全長×全幅×全高:4660×1974×1301mm
ホイールベース:2670mm
車両重量:1470kg
エンジン:3.9ℓ V型8気筒+ツインターボ
最高出力:640CV/7500rpm
最大トルク:760Nm/3000-5750rpm
トランスミッション:8速DCT
タイヤサイズ:(前)245/35R20/(後)285/35R20
最高速度:320km/h 0→100km/h:3.3秒

Engine|V8サウンドが奏でる官能と背徳のビート

受賞歴豊富なV8エンジンは「F154」系の進化型を搭載している。7500rpmで640CVを発生し、リッターあたり166CVを誇る。最高回転数は7600rpmへ。8速DCTが低速から高速まで滑らかにつなぎ、途切れなくパワーを盛り上げる。キレ味鋭いV8サウンドは、街中の何気ないドライブさえ高揚へと変える。しかも厳しい騒音規制にも準拠。

フェラーリ アマルフィのエンジン

Interior|一体感を生む、デュアルコクピットも進化

エレガントな印象のデュアルコクピット。ドア~ダッシュ~低いセンタートンネルが一体感を演出する。操作系は物理ボタンへ回帰。ステアリングホイールにはアルミ製スタートボタンも再搭載した。最新のADAS(先進運転支援システム)とアダプティブ・クルーズ・コントロールも備え、初乗りでも視界良好で、長距離移動も気負わずこなせる快適性が堪能できる。

フェラーリ アマルフィの内装

TEXT=ゲーテ編集部 EDIT=ダニエル利樹(c3ec-creations)

PHOTOGRAPH=フェラーリジャパン

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