友人宅に急にお呼ばれした場合やちょっとしたプレゼント、自宅でのカジュアルなランチ会などの際に、近所のスーパーやデパートなどで5,000〜1万円で買える“ちょっといいワイン”を知っておくと大変便利なもの。おいしいのは絶対条件で、ちょっと蘊蓄も語れると最高ですよね。そんな「街中で買える、1万円以下の“お宝ワイン”」を、年間1000種類近いワインをテイスティングし、つねにおいしいワインを探し求めているワインブロガー・ヒマワイン氏がご紹介。

ボルドーの有名シャトーのサードワイン
ヨーロッパに古くから伝わるという「6月に結婚した花嫁は、一生涯幸せな結婚生活を送れる」という言い伝えに由来する“ジューンブライド”という言葉とともに、ひと昔前の6月は結婚シーズンだったように思います。
なぜ急にそんな話をしたかといえば、とあるお店でハートのラベルのワイン「ル・セ・ド・カロン・セギュール」を目にしたから。6月にピッタリだな、と思ったわけです。
「カロン・セギュール」と聞いて「知ってる!」と思った方も多いかもしれません。ボルドーの格付け3級シャトー「シャトー・カロン・セギュール」はハートのラベルがとても有名な、バレンタインデーや記念日の定番ワインとして知られています。
ワイン漫画なんかでもよく取り上げられている印象なので、ラベルを見たことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回私が購入した「ル・セ・ド・カロン・セギュール」は、そのサードワインにあたるワインです。
カロン・セギュール自体が素晴らしいワインなのですが、現在流通価格は20,000円超。「1万円以下のお宝ワイン」連載では残念ながら対象外です。しかし、サードワインであるこちらのワインであれば5,000〜6,000円で購入可能。
もちろん安くはありませんが、ちょっとした記念日や、知人へのお祝いに贈るのにまことにちょうどいい価格帯でもあります。
サードワインってなに? と思う方もおられるかもしれませんが、ボルドーのシャトーのなかには、最高峰のフラッグシップの基準を満たさないブドウやワインを使い、セカンド、サードとしてリリースすることがままあるんです。
よりコストがかからない材料と方法で造られているぶん、価格が安いのがセカンドでありサードワイン。ですが、ここ大事なのでぜひ覚えて帰っていただきたいのですが、サードだからっておいしくない、劣っているってことはまったくもってありません。
セカンドやサードがファーストに比べて飲みやすく、親しみやすい味わいであることはむしろ世の常。長期熟成を経たあとでのワインのスケール感という点ではファーストが優れていますが、リリース直後からおいしく飲めるのはこれらのワインだったりするんです。理由を話すと長くなるので、ともかくそういうものなんだ、と思っておいてください(笑)。
それを証明すべく、買って帰ってセラーに入れること数時間、その日のうちに抜栓して飲んでみましたが、その味わいは非常に滑らかでブドウ由来の果実味と旨みに溢れ、エレガントな酸と、重厚な渋みがジャズバンドにおけるベースとドラムのごとくに全体を支えており、開けていきなりうまい。
いいワインは抜栓直後は味も香りも広がらない、いわゆる“閉じている”ことがありますが、いきなりバンバンに香りも味も楽しめるのがサードワインの楽しさなのです。
ハートのラベルは最近の若い方の言葉ではなんというのでしょうか。「好きピ」などと言うのでしょうか。好きピにプレゼントするにも良いですし、「C」が強調されたラベルは、イニシャルが「C」の方に贈るのにも適していると思います。
ちなみに私がこのワインを購入したのはまさかの家電量販店の“ビックカメラ”。ビックカメラは実はワインにかなり力を入れており、その売り場には定番から自社輸入品まで、侮れないラインアップが揃います。
というわけで愛の季節である6月に、ビックカメラで“愛のワイン”を探してみてはいかがでしょうか。クミンを効かせたラム肉のソテーとか、最高に合いますよ!
ヒマワイン
年間約1000種類のワインを飲み、「ヒマだしワインのむ。」というブログを運営するワインブロガー。高いワインも安いワインも、地球上で造られるすべてのワインが好き。

