友人宅に急にお呼ばれした場合やちょっとしたプレゼント、自宅でのカジュアルなランチ会などの際に、近所のスーパーやデパートなどで5,000〜1万円で買える“ちょっといいワイン”を知っておくと大変便利なもの。おいしいのは絶対条件で、ちょっと蘊蓄も語れると最高ですよね。そんな「街中で買える、1万円以下の“お宝ワイン”」を、年間1000種類近いワインをテイスティングし、つねにおいしいワインを探し求めているワインブロガー・ヒマワイン氏がご紹介。

高級ボルドーに匹敵するクオリティ!?
みなさんは、日本に輸入されるワインのなかで、どこの国のものがもっとも多いかわかりますか? フランスでしょうか、それともイタリアでしょうか。実は正解は「チリ」です。
動物のマークだったり自転車のマークだったりがラベルに描かれたチリワインは安くて高品質。コンビニやスーパーで1,000円も支払えば気軽にワインが楽しめる。それがチリワインの魅力です。
チリワインが安くてうまいのは今や常識。ならば、“高級チリワイン”は一体どんな味がするのか? というわけで、全国に展開する酒販店「リカーマウンテン」で売られているチリのプレミアムワイン、「サルドス」を買ってきました。
サルドスはインドミタというブランドのフラッグシップレンジのワイン。リカーマウンテンの自社輸入ワインであるため、非常にコストパフォーマンスの高いワインです。
余談ですが、インドミタは上級レンジの「デュエット」というラインのワインの品質も驚くべき高さ。白のシャルドネ、赤のピノ・ノワールはとくに秀逸な上に2,000円くらいで買えるので、覚えておく価値があります。
さて、サルドスに話を戻しましょう。ワイナリー最高峰のワインであるこのワインは、品種はボルドーやカリフォルニアでよく栽培されるカベルネ・ソーヴィニヨンを100%使用し、樽で18〜24か月熟成されています。とても贅沢な造りです。
味わいにもきちんとプレミアム感があります。ねちっと濃厚な舌触り、お金持ちの家の書斎に置かれた高級な革のソファや上等な葉巻の残り香のような落ち着いた香りがあり、味わいにおいてはしっかりと果実味を感じられつつ、豊かな酸も兼備。完熟した質のいいぶどうを使っているんだろうなあと思える完成度です。
「高級ボルドーにも匹敵する」。リカーマウンテンのサイトにはこう書かれていますが、味の方向性としてはボルドースタイルのカリフォルニアワインに近いような味。本格感がありつつも、万人受けするわかりやすさも兼備しています。うーん、うまい。チリの高級ワインおそるべし。
さて、私は「お得感」に異様にこだわる酒飲みなので、日本で売られているワインが海外でいくらで売られているかを調べるという異常な行動をしばしばとることがあります。
今回、この記事を書くにあたって海外のショップサイトをいくつか調べてみたところ、米国ミシシッピ州のワインショップに在庫を見つけることができました。定価は59.87ドル。それがセールで45.87ドルになっていました。
45.87ドル。最近の円安で、日本円にすると7,000円強といったところです。ではこのサルドス、日本ではいくらで売られているのかとリカマンオンラインで調べると、なんと4,048円です(ただしヴィンテージは異なります)。
アメリカでの売価と比較するのかが適当かはわかりませんが、ともかくアメリカでの売価の半額近い価格で日本では買える。リカーマウンテンの商品調達力の強さを感じます。
ワイン通になればなるほど、チリワインから興味が離れていく傾向はなきにしもあらず。ブルゴーニュやらピエモンテやらナパ・ヴァレーやらに興味関心は移りがちです。
しかしどっこいチリはプレミアムレンジもうまいのです。しかも、はっきり言って世界の好事家たちは注目していないため、価格も他地域と比べればぜんぜん高騰していません。
知ってそうで意外と知らないチリワインの底力、ぜひこの「サルドス」でたしかめてみてください。
ヒマワイン
年間約1000種類のワインを飲み、「ヒマだしワインのむ。」というブログを運営するワインブロガー。高いワインも安いワインも、地球上で造られるすべてのワインが好き。

