CAR

2025.08.06

“ワーゲンバス”が帰ってきた! BEVの新型ミニバン「ID. Buzz」【試乗】

3列シートを備える電気自動車の新型ミニバンが、フォルクスワーゲンの「ID. Buzz」だ。重くてかさばるエンジンの存在を想定せずに設計された電気自動車専用の基本骨格を採用しているため、室内は広々。電動化のほかに先進的な運転支援装置も備え、同社のイメージリーダー的な役割が期待されている。

走るフォルクスワーゲン「ID. Buzz」
ひと目で”ワーゲンバス”の後継だとわかるアイコニックなデザイン。

帰ってきたワーゲンバス

日本におけるフォルクスワーゲン「ID. Buzz」の販売がスタートした。2024年夏にドイツで試乗して好印象を抱いていたので、待ちに待った日本導入である。

日本上陸を待ち望んでいた理由のひとつは、多人数乗車のミニバンスタイルのBEV(バッテリー式電気自動車)が日本市場に直近では存在しなかったこと。「ID. Buzz」の登場で、BEVミニバンという選択肢が新たに生まれた。

さらに、ドイツの試乗会では、このデザインを日本で見かけたら楽しいだろうな、と感じた点。かつて“ワーゲンバス”の愛称で親しまれた、フォルクスワーゲン「タイプⅡ」から着想を得たルックスには愛らしいキャラクターがある。少々コワモテのミニバンが多いなか、「ID. Buzz」のようにピースフルな雰囲気を望む方も多いだろう。

フォルクスワーゲン「ID. Buzz」
右の標準仕様の「Pro」のほか、250mm長い「Pro Long Wheelbase」もラインナップ。

インテリアも外観と同様、飾ったり盛ったりしないシンプルなデザインで、機能を重視するこのブランドらしさが表現されていて好感が持てる。

また、なによりも実際にドライブしてみると“入魂の”という表現を使いたくなるぐらい、力の入ったモデルだったことも挙げられる。

モーター駆動のBEVだから原動機はほぼ無音・無振動であるけれど、それだけではない。タイヤからのロードノイズも、ボディが風を切る音も巧みに遮断されていて室内は実に静か。乗り心地も快適で、ファミリーカーとしてはもちろん、標準仕様とともにもうひとつ用意されているロングボディ仕様をショーファーカーとして使うのも面白い。運転支援機能の充実度もこのクルマの特徴で、長距離運転でも疲労が少ない。

かつてのワーゲンバスは、元祖ミニバンとしてアメリカ西海岸のサーファーやキャンパーに新しいライフスタイルを提案した。その末裔ともいえる「ID. Buzz」も、電動化や自動運転というクルマ社会の新ステージへ先導する役割を担っている。

VOLKSWAGEN ID. BUZZ

フォルクスワーゲン「ID. Buzz」
<ID. Buzz Pro SPEC>
駆動用バッテリー:84kWh リチウムイオン電池
ボディサイズ:全長4715×全幅1985×全高1925mm
最高出力:210kW(286PS)/0-3581rpm
最大トルク:560Nm(57.1kgm)/2100-5500rpm
一充電走行距離:524km(WLTCモード値)
価格:¥8,889,000〜[Pro]、[Pro Long Wheelbase]¥9,979,000〜[Pro Long Wheelbase]

問い合わせ
フォルクスワーゲン カスタマーセンター TEL:0120-993-199

TEXT=サトータケシ

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