ドン ペリニヨンが「ドン ペリニヨン ヴィンテージ 2018」をリリースした。気鋭の醸造家・ヴァンサン・シャプロンが、醸造最高責任者として初めて手がけたヴィンテージだ。豊かな実りに恵まれた年を、彼はどう一本のシャンパーニュに仕上げたのか。

積み重ねた時間を、ドン ペリニヨン ヴィンテージ 2018で祝う夜
大きな仕事を終えた夜、仲間とグラスを交わす。そんな祝杯の一本を選ぶなら、銘柄だけでなく、造られた年にも目を向けるのもいい。
ドン ペリニヨンは、単一年に収穫されたブドウだけで造るヴィンテージ シャンパーニュを貫いてきた。だからこそ、メゾンが理想を表現できないと判断した年には、ヴィンテージを宣言しない。毎年必ず造られるわけではないのだ。
そんなメゾンで、ヴァンサン・シャプロンが醸造最高責任者として初めて手がけたのが、今回のドン ペリニヨン ヴィンテージ 2018である。「初めて」といっても、新参者ではない。2005年から前任の醸造最高責任者リシャール・ジェフロワとともにワイン造りに携わり、名高いドン ペリニヨン ヴィンテージ 2008を含む4つのヴィンテージを世に送り出してきた人物だ。

2018年は、早熟と豊作が重なった年だった。春の日照時間は平年より25%長く、夏の暑さは2003年の記録を超えた。シャルドネもピノ・ノワールも記録的な熟度に達し、収穫は8月に行われた。シャプロン自身、恵まれた条件を「初めて手がけたアッサンブラージュへの歓迎の贈り物のようだった」と振り返る。
一方で、早く熟せばよいワインになるとは限らない。2018年はドン ペリニヨンにとって5度目の8月収穫。過去には、同じく8月に収穫しながら、2007年と2011年のようにヴィンテージを宣言しなかった年もある。自然の恵みを、どう一本のワインに結実させるかが問われる。
シャプロンが選んだのは、シャルドネの成熟をさらに進める一方、ピノ・ノワールには抑制を効かせるという道だった。与えられた豊かさをただ押し出すのではなく、二つの品種の表情を見極め、均衡を探る。彼の言う「自然に自由に表現させること」と「それに形を与えること」の両立である。
その判断を経て、セラーで8年の歳月を重ねた2018年は、果実の密度やミネラル感、塩味を感じさせながら、フィニッシュへ向かうほど軽やかに開いていくという。シャプロンはその味わいを「野性味がありながら、同時に親しみやすさもあります」と表現する。
最初のひと口に広がる豊かさと、余韻に向かうほど増す軽やかさ。ともに試行錯誤を重ねてきた仲間と、その変化をゆっくり味わう。次にそんな祝杯の夜が訪れたら、2018年のドン ペリニヨンを開けてみたい。
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