毎年10万人以上を動員する「CRAFT SAKE WEEK」などのイベントをプロデュースし、また日本酒アプリ「Sakenomy」を開発するなど、日本酒の伝道師として活躍する中田英寿さん。これまでに全国400以上の酒蔵を訪れた中田さんが、数あるなかから今おすすめの日本酒を紹介する。さらにその日本酒と合わせる逸品を、その造り手の蔵元に教えてもらった。12回連載の第10回。【中田英寿の最愛酒】
陸奥八仙 natural sparkling/八戸酒造(青森県)
元文5年(1740年)、初代駒井庄三郎が青雲の志で近江の国を出て、陸奥の地で酒造りの道に入り、以来蔵元代々酒を造り続けてきた八戸酒造。 八戸・蟹沢地区の名水を使用した『陸奥八仙 natural sparkling』は、程よく米の甘みと旨味、そして柔らかくきめ細かい泡が特徴。
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「八戸酒造の大正時代の蔵は、国の登録有形文化財、さらには青森県では初となる景観重要建造物にも指定されている。しかし、9代目蔵元の駒井秀介が造る『陸奥八仙 Natural Sparkling』は、非常にモダンで、アップルパイのような豊かな果実の香りと味わい、ジューシーな酸味が特徴の微発泡酒で、チーズケーキなどの乳製品を使った料理によく合います」
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蔵元が厳選! 陸奥八仙 natural sparklingと合わせたい逸品
ル・スゥブラン/酒粕ドーナツ
「ほどよく米の甘みと旨味、そして柔らかくきめ細かい泡が特徴で、普段日本酒を召し上がらない方におすすめできる1本です。酒粕ドーナツの甘さをきめ細かい泡とキレイな酸が包み込みます。大人な食後のデザートとして合わせてお召し上がりください」(蔵元 駒井秀介さん)
秀鳳 純米大吟醸 超辛口/秀鳳酒造場(山形県)
純米大吟醸らしい香りと旨みが広がりつつ、後口は辛口らしくスッとキレるお酒。蔵元では、使用する米の種類17前後、精米歩合22~70%、麹歩合19~66%、日本酒度-30~+20など日本酒の味わいの幅を広げる試みを行っている。
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「山形県産にこだわって酒造りをしている秀鳳酒造場。その秀鳳酒造場の『秀鳳 純米大吟醸 超辛口』は、吟醸王国として全国的にもレベルの高い山形県が大吟醸向け品種として開発した酒米『雪女神』を使用して醸され、最初は柔らかな甘みがありますが、深みが出てきて、後味はキリッとした辛口になります。味の濃い海鮮料理にマッチします」
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蔵元が厳選! 秀鳳 純米大吟醸 超辛口と合わせたい逸品
ジョウセン/山ノ縁 (魚の酒粕漬け)
「脂がのっており、また酒粕で身が引き締まり、濃厚な旨みの魚の酒粕漬けに豊かな旨みと辛口らしいキレのよい後口のお酒の相性が非常に良いです。また、酒粕の香りとお酒の華やかな香りが相乗効果を示し、香りでもこれまでの魚と酒にない楽しみが生まれます」(蔵元 武田荘一さん)
山の井 60/会津酒造(福島県)
福島県の南西部、南会津の地で約340年間酒造りを行う会津酒造。 『山の井60』は、「やわらかく・きれいで・飲みやすい」をテーマに、飲み飽きせず盃を重ねられるよう、いろいろな味わいをバランスよくもたせている。
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「日本でも有数の豪雪地帯である福島県南会津町にある会津酒造。豊かで美味しい雪解け水は、全国屈指の超軟水。そんな水で仕込まれる『山の井60』はすっきりとした香り、甘味、旨味、酸味のバランスが良く、後味が爽やかなので、卵やバターを使用したコクがある料理との相性が抜群です。銘柄が読みづらいラベルも必見!」
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蔵元が厳選! 山の井 60と合わせたい逸品
CAFE JI*MAMA/スコーン
「南会津の風土と人によって生まれた、スコーンと日本酒です。異色の組み合わせですが、会津のヨーグルトと地鶏の卵の風味と甘味が、やわらかく・きれいでありながら複雑な味わいの『山の井60』によく合います」(蔵元 渡部景大さん)
鏡山 純米おりがらみ/小江戸鏡山酒造(埼玉県)
少量生産、品質重視、小江戸川越が誇る伝統の銘酒が2007年に復活。 テニスコート1面分の極小の蔵元による純米酒は、濃厚で旨味が凝縮された味わい。
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「徳川家城下町の面影が残る埼玉の川越にある鏡山酒造は、2007年に7年間閉鎖されていた酒蔵を復活! 日本で最も新しく、最も小さな酒蔵のひとつです。秩父連峰からの清冽な地下水で醸された『鏡山 純米おりがらみ』は、濃厚で複雑な味わいと、爽やかな酸味がすっきりとした後味に仕上がっています。濃厚なチーズにぴったり!」
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蔵元が厳選! 鏡山 純米おりがらみと合わせたい逸品
三原食品/鏡山 酒粕クリームチーズ
「日本酒もチーズも同じ醗酵をもとに造り上げられます。弊社の酒粕クリームチーズは酒・酒粕・チーズの3重からなる発酵から得られた美食です。食べ方はカットしてそのまま、わさびやアンチョビをのせて、海苔で巻いてなどさまざまなアレンジでお楽しみいただけます。それに合わせる日本酒は濾過の工程を一切行わない搾りたての酒を火入れせずに生詰めした『鏡山 純米おりがらみ』。米や麹が膨らみフルボディーな味わいで華やぐ香りに包まれるが、爽快な酸により後口を引き締めます」(蔵元 五十嵐智勇さん)
白鴻 四段仕込み純米酒 赤ラベル/盛川酒造(広島県)
広島杜氏伝統の軟水醸造法で醸す、広島随一の極軟水の蔵元が手掛ける純米酒は、甘酒四段仕込みで旨みを残した、やや甘口の1本。
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「『白鴻』とは『白い大きな鳥の総称』で、純白清楚な”おおとり”が鴻図(こうと:大望の意)を抱いて大空に舞い上がっていく気概を表しています。盛川酒造の銘柄である『白鴻 四段仕込み純米酒 赤ラベル』は、まろやかでありながらキレのある日本酒として、国内外でも羽ばたいています。広島風のお好み焼きや、牡蠣を使った料理と合わせるのが◎」
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蔵元が厳選! 白鴻 四段仕込み純米酒 赤ラベルと合わせたい逸品
seeds カクイチ横丁事業部/宮島産かき米油オイル漬け
「広島の特産品、大粒で濃厚な味わいの牡蠣をパンチのあるガーリックの風味とピンクペッパーの刺激、しっかりとした塩味でバランス良く調和した「かきのオイル漬け」です。この牡蠣のコク深い味わいに『白鴻 四段仕込み純米酒 赤ラベル』が持つやさしい甘みとまろやかな旨みがとてもよく合います。冷酒でもマッチしますが、おすすめは燗酒。燗をつけることで更に相性が調和し、双方の美点が際立ちます」(蔵元 盛川知則さん)
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