毎年10万人以上を動員する「CRAFT SAKE WEEK」などのイベントをプロデュースし、また日本酒アプリ「Sakenomy」を開発するなど、日本酒の伝道師として活躍する中田英寿さん。これまでに全国400以上の酒蔵を訪れた中田さんが、数あるなかから今おすすめの日本酒を紹介する。さらにその日本酒と合わせる逸品を、その造り手の蔵元に教えてもらった。12回連載の第5回。【中田英寿の最愛酒】
六根 タイガーアイ/松緑酒造(青森県)
松緑酒造は、江戸時代からこの地で酒母造りを生業とし、津軽一円の造り酒屋に販売。代々伝わる昔ながらの手造りを貫く。「六根 タイガーアイ」は飲みやすさのなかにも、酒造好適米の華吹雪が醸し出す、複雑で繊細な味わいを楽しめる。
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「松緑酒造は、地元津軽で愛されている『松緑』『麗峰』、新たな酒造りへと挑戦する『六根』、特別な思いを込めて醸す『刑事』などテーマを設定した酒作りをしている。『六根 タイガーアイ』は、独特の香り、コク、辛さがあり、タイのグリーンカレーなど、マイルドでクリーミーなカレーとの相性が抜群です」
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蔵元が厳選! 六根 タイガーアイと合わせたい逸品
青森県特産品センター/在来津軽・清水森ナンバ【一升漬】
「一時は海外製の唐辛子に押され生産量が激減、しかし研究会が発足し伝統野菜として再注目を集めている清水森ナンバ。風味が抜群に良い清水森ナンバと麹、醤油(すべて青森県産!)を同量で漬け込んだこの一升漬は、辛味、旨味、塩味、そして甘味が絶妙なバランスとなっています。お豆腐やご飯にのせて食べると最高においしいですし、そのままでもお酒に合います」(蔵元 千田祐理子さん)
千駒 特別純米 手造り ~麹塵~/千駒酒造(福島県)
今なお城下町の風情が残る白河にある千駒酒造。故郷を愛する地元杜氏と蔵人が丁寧に丁寧に手をかけ、酒の旨さを追求する。昔ながらに米と麹だけで醸した「千駒」は、 濃厚で、クセがなく、米の旨味がうまく引き出された一本だ。
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「千駒酒造の建物は白河市の歴史的建造物で、東日本大震災で大きな被害を受けました。その後、醸造所は修復され、若い世代にアピールする商品を作るなど、新たな挑戦をしています。『千駒 特別純米 手造り 麹塵』は、コクがあり、スパイスや味の濃いアジア料理によく合います」
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蔵元が厳選! 千駒 特別純米 手造り ~麹塵~と合わせたい逸品
王王楼/白河焼売
「白河市の人気中華料理店『王王楼』さんは、品質の良い材料のみを使って作るこだわり焼売を販売し、食で地元白河を盛り上げる活動をされています。自然の恵みを感じる焼売は、流行のさらりとした日本酒とはちょっと表情が違う『特別純米 手造り 麹塵』と好相性。口にひろがる旨味の余韻のハーモニーをご堪能ください」(蔵元 櫻井慶さん)
手取川 山廃 純米酒/吉田酒造店(石川県)
伝統的な山廃酒。冷や、常温、熱燗それぞれの飲み方により、温度帯で違った味わいを楽しめる。冷や、常温ではフルーティーさとほのかな酸味が、熱燗では穏やかで優しい旨味、酸味が口中に広がり、フィニッシュにキレの良さを感じられる。
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「吉田酒造は、映画『THE BIRTH OF SAKE』でも知られる石川県を代表する酒蔵。2017年、わずか31歳で6代目の吉田泰之が杜氏となり家業を継いでいる。その濃厚で上品な酒を造る手取川の中でも、『手取川 山廃純米酒』の深い味わいとジューシーな酸味は、北京ダックや複雑な味わいの中華料理との相性が抜群です」
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蔵元が厳選! 手取川 山廃 純米酒と合わせたい逸品
つば甚/合鴨和風ロースト
「『手取川 山廃純米酒』はなめらかな口当たり、ほどよい酸味と旨味が特長のお酒です。旨味のあるタンパク質との相性がいいので、鴨肉やジビエとぜひ一緒に。おすすめは金沢の老舗料亭『つば甚』さんの合鴨和風ロースト。ジューシィなのにさっぱりとしているので食べ疲れしません」(蔵元 吉田泰之さん)
三重の寒梅 純米吟醸 辛口/丸彦酒造(三重県)
1867年(慶応3年)に創業。酒蔵は三重県北勢鈴鹿山系の麓、四日市市川島町に位置する。「三重の寒梅」は酒造好適米、山田錦を100%使用した、地産地消にこだわった辛口の純米吟醸だ。 口の中で広がり喉で消える、すっきりとした味わいを楽しめる。
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「丸彦酒造は、今のライフスタイルにあった気軽に楽しめる日本酒を数多く取り揃えています。『三重の寒梅 純米吟醸 辛口』は、フルーティーでバランスのとれた味わいと、キリッとドライな後味が特徴、焼肉や韓牛プルコギなどの肉料理の脂分をカットするのに最適です」
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蔵元が厳選! 三重の寒梅 純米吟醸 辛口と合わせたい逸品
三重畜産/伊勢水沢牛 特選カルビ
「『三重の寒梅 辛口』と、地元の知る人ぞ知る『伊勢水沢牛』との相性は抜群です。日本酒は冷やすとより美味しく飲めます」(蔵元 鈴木哲夫さん)
紀土 -KID- 純米酒/平和酒造(和歌山県)
「紀州の風土を届けたい」「日本酒に親しみがない方にも、日本酒の魅力を伝えたい」……。そうした想いから生まれた、和歌山の柔らかで綺麗な水を表現した「紀土」。口当たり良く優しい味わいが特徴だ。
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「平和酒造の4代目蔵元はイノベーター。地域の自然環境を表現した日本酒『紀土(紀伊の風土)』、和歌山ならではの南高梅を使った梅酒、さらには隠れたヒットのクラフトビールまで新しいイノベーションを起こしています。『紀土 KID 純米酒』の滑らかで優しい旨味は、醤油や魚醤を使った料理によく合います」
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蔵元が厳選! 紀土 -KID- 純米酒と合わせたい逸品
丸田屋/丸田屋 豚骨醤油 中華そば
「『中華そば 丸田屋』は、和歌山の人にとって馴染みが深く、温かな思い出の味です。それは店主・丸田征吾さんが幼い頃から大事にしてきた、和歌山の中華そばへの想いが詰まっているからなのでしょう。濃厚ながらも、あっさりした味わいの豚骨醤油スープは自家製麺によく絡みます。そちらに合わせる『紀土 純米酒』は米の優しい旨味で、スープの味わいをしっかりと受け止め、さらに味わいを豊かにします」(蔵元 山本典正さん)
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