一般的に“二面性”という言葉には、ネガティブなイメージがあるかもしれない。しかしそれをギャップと捉えれば、深みが出てくる。状況に合わせて臨機応変に変化する個性は大きな長所となるだろう。それは時計も同様だ。

明と暗の二面性で見せる夜光映えの時計たち、その真価
一般的に時計の表現は、明るい場所を前提としている。時計は明るい場所だけで使うものではないが、時刻を読みやすくするダイヤルデザインやケースの輝きなどは、明るい光の中でこそ効果を発揮する。しかし暗闇でも個性を放つ二面性のある時計であれば、もっと身につけることを楽しめるのではないだろうか?
時計を最初に光らせようと考えたのは「パネライ」であるといわれている。イタリア海軍特殊潜水部隊のためにさまざまな計器を製作してきたパネライでは、海中での隠密活動でも方向や時間を判読できるように、ラジウムを主成分とする夜光塗料ラジオミールを開発し、1916年に特許を取得。その後安全なトリチウムを用いた夜光塗料ルミノールを開発し、1949年に特許を取得した。そして現在は、根本特殊化学が開発した「N夜光」をベースとするスーパールミノバが、時計を光らせる根幹技術となっている。
針やインデックスにスーパールミノバを塗布する時計は、屋外で使用するスポーツウォッチが多い。機能や目的を持って生まれた時計であるため、第一義は暗い場所での針やインデックスの視認性を高めること。しかし明るく光るということは、明るい場所では気がつかなかった個性が引きだされるということでもある。どこを明るく光らせるかによって、時計の個性や性能が明確になるのだ。
パネライであれば歴史が、ベル&ロスであればデザインが、そしてIWCであればコンセプトが、明るく光ることで浮かび上がってくる。こんな楽しい二面性であれば大歓迎。夜が待ち遠しい時計だ。
1.IWC|ビッグ・パイロット・ウォッチ・パーペチュアル・カレンダー・セラリューム®
すべてが明るく光る異端パイロット
セラミックの粉末とスーパールミノバの顔料を均質に混合した特殊な独自素材「セラリューム®」を採用。セラミック素材のような質感があり、明るい所ではオールホワイトで、暗所では神秘的に光る。ダイヤルやストラップも明るく光り、手元は光に包まれる。複雑機構にテクノロジーと遊び心を取り入れた、比類なき時計だ。世界限定250本。

2.パネライ|ルミノール ルナ・ロッサ GMT PAM01791
この輝きだけでパネライだとわかる
パネライの魅力はその明るさ。スーパールミノバを塗布したディスクの上に、インデックスをカットアウトしたプレートを重ねることで、必要な表示を明るく光らせる。このモデルはヨットチーム「ルナ・ロッサ」とのコラボレーションとしては初となるメタルブレスレット仕様。グレーのトーンを生かしたクールな配色だが、そこにグリーンの光が入ると美しい存在感が加わる。

3.ベル&ロス|BR-03 GMT グリーン ラム
コックピットと時計が連動する
縦方向のグリーングラデーションダイヤルが特徴のGMTモデル。そして暗所では大型の針やインデックス、両方向回転ベゼルの24時間表示がグリーンに光る。これはパイロットのヘッドアップ・ディスプレイを思わせるカラー。まるで自分がパイロットになったかのような、不思議な感覚を楽しめる、ベル&ロスらしいスタイルだ。世界限定500本。


