かつてはスイスで開催される春の発表会にて、ほぼすべてのブランドが新作時計を発表していた。しかし近年は発表から発売までタイムラグを減らすために、さまざまな時期に時計イベントが開催されている。そして2025年のトリを飾るのが11月末に開催された「ドバイウォッチウィーク」で、90以上の実力派ブランドが参加した。

実り多き2025年のフィナーレを飾る新作時計たち
既存モデルをベースにしつつ、ホリデーシーズンへと向かう華やかな時節に合わせてカラーリングや素材でアクセントを加えるブランドが多いなか、異彩を放ったのがタグ・ホイヤー。2025年F1の公式計時に復帰し、中東の地で開催される最終2連戦に合わせて、造形の美しいケースを持つハイエンドクロノグラフを発表した。
またユリス・ナルダンは、実力派時計ブランド、ウルベルクとのコラボレーションモデルで話題となった。
しかし時計愛好家がひそかに注目したのは、オーデマ ピゲのウォッチボックスだ。実はこれ、永久カレンダー機構のカレンダーの修正と巻き上げを完全自動で行うもの。時計の進化は、こんなところにまで及んでいる。だからこの世界は面白い。
1.タグ・ホイヤー|タグ・ホイヤー モナコ スプリット セコンド クロノグラフ エア1
大胆不敵なデザインに
モータースポーツウォッチの大定番が進化。最先端レーザー技術により角型ケースにハイパーカーを思わせるダイナミックなデザインを取り入れ、クロノグラフ機構はスプリットセコンド式を採用。世界限定30本。

2.H.モーザー|ストリームライナー・パーペチュアルムーン コンセプト メテオライト
宇宙のロマンをその腕に
1027年間で、わずか1日のずれしか生じないという、驚異的なパーペチュアル・ムーンフェイズ機構を搭載。大型のムーンディスクが主張するダイヤルは、ナミビアで採取されたギベオン隕石を薄くカットし特殊加工を施したものだ。

3.チューダー|レンジャー
気軽に使える良作ウォッチ
あらゆるチャレンジをサポートしてきた「レンジャー」に、小ぶりな36mmケースが加わった。ダイヤルには砂丘の白砂を意味する「デューンホワイト」を採用。防水性能は100mと必要十分で、COSC認定クロノメーターも取得済みだ。

4.ユリス・ナルダン|ウル-フリーク
表現力を楽しむドリームウォッチ
ムーブメントそのものが回転して分針となるユリス・ナルダンの特殊機構フリークと、ウルベルクのアイコニックな機構ワンダリングアワーサテライトが融合。リューズを回転させて針合わせを行うため、ケースデザインも独特。世界限定100本。

5.パルミジャーニ・フルリエ|トンダ PF ミニッツ ラトラパンテ アークティック・ローズ
美しい時間を封じこめた
ケースサイドのプッシュボタンで分針を操作し、設定時間の到来を伝えるミニッツ ラトラパンテ機構を搭載。ダイヤル色は、朝焼けの美しい空を思わせる「アークティック・ローズ」と命名。上質な美学を纏った時計だ。

オーデマ ピゲ|永久カレンダーユーザーのクオリティ オブ ライフを高める新しいウォッチボックス
ケース内にキャリバー7138を搭載した永久カレンダーモデル(41mm径)を収めると、フタが自動的に閉まり、カレンダーの状態を識別して正しい日付と時刻へ約5分間で修正してくれる。これはドバイ未来財団とのパートナーシップによって2年かけて開発したもので、高級時計愛好家たちには、垂涎のアイテムとなるだろう。


