ビッグブランドを軸にしつつ、マイクロメゾンも数多く参加する、時計の国際見本市「ジュネーブ ウォッチ デイズ」。2025年は9月上旬に開催され、レマン湖沿いの広場に設営されたパビリオンをメイン会場に新作時計を発表した。

時計の未来を感じる国際見本市ジュネーブ ウォッチ デイズ
今回の連載ではその一部を紹介するが、毎年春に開催される「ウォッチズ アンド ワンダーズ」で発表された新作と比較すると、生産本数は少なく、挑戦的かつ前衛的なモデルが多いのが特徴。寒い季節となり、腕元が隠れる機会が増えるからこそ、個性を楽しめる時計を積極的にリリースしているのかもしれない。
例えばカーボン製のヒゲゼンマイやケース、実用性を追求した高性能な永久カレンダー、フランケエナメルの新しい表現、機能美家具とのコラボレーション、そして宝飾を超える新しい美的表現など、どれもがブランドの個性や伝統を生かしつつ、ネクストレベルを目指そうという時計が多かった。
端正で美しい王道デザインも魅力だが、この小さな世界の中で、新しい表現を追求しようという姿勢が詰まった時計も面白い。時計はどこまでも自由になれる。そんなメッセージを感じ取ってほしい。
1.タグ・ホイヤー|カレラ トゥールビヨン クロノグラフ エクストリーム スポーツ TH-カーボンスプリング
ヒゲゼンマイの新展開
開発に約10年をかけた「TH-カーボンスプリング」を搭載。非磁性、軽量、耐衝撃という優れた性能を有し、時計の性能をさらに高める。世界限定50本。

2.ユリス・ナルダン|フリーク X グレー エナメル
先進性と伝統美の融合
ムーブメントそのものが回転し、分針となる驚異のカルーセル機構を搭載した「フリークX」の日本限定モデル。時針の役目も果たす回転式のアワーディスクには、ギヨシェ彫りとフランケエナメルを施しており、繊細な美しさを楽しめる。日本限定25本。

3.ジェラルド・ジェンタ|ジェンティッシマ ウルサン 36 ブラックオニキス
常識を打ち破るラグジュアリーウォッチ
天才デザイナー、ジェラルド・ジェンタの創造性を継承するブランドで、このモデルは“ウニ”に着想を得た無数の凹凸をケースに表現。ブラックオニキス製の立体ダイヤルも美しい。

4.グルーベル・フォルセイ|QP バランシエール
高度な機構ほど実用性が問われる
リューズのみで操作する実用的永久カレンダー機構を搭載。30度傾いたテンプなどハイエンドなメカニズムで愛好家を喜ばせる。世界限定22本。

5.ゼニス|デファイ クロノグラフ USM
挑戦的なプロダクトが融合
1969年に生まれたゼニス デファイのスタイルに、同時代に生まれたスイスの家具ブランド「USM」のシグネチャーカラーである「USM ピュアオレンジ」を組み合わせたコラボレーションモデル。世界限定60本。


