子供に「時計を描いて」と言えば、丸の中に二本の針を描くだろう。時計のデザインは教会の塔時計の時代からほとんど変わらないが、それは視認性やわかりやすさという点で優れているからに他ならない。しかしそういう常識に、敢えて抗った「ユニークな表示の時計」もまた魅力である。

常識を打ち破る! ユニークな表示で個性を語れ
例えばA.ランゲ&ゾーネの「ツァイトヴェルク・デイト」は、機械式ムーブメントで動かすデジタル表示式ウォッチ。シンプルな機構に見えるが、カレンダー表示も含め4枚のディスクを瞬転させるためのエネルギーマネジメントは、高い技術を必要とする。
ロジェ・デュブイでは、ダイヤルをキャンバスに見立てて、そこにアートワークを取り入れた。またレッセンスは、創業時から回転ディスクを組み合わせたROCS(レッセンス・オービタル・コンベックス・システム)を採用。不思議な視覚効果で、時計を眺める時間そのものを楽しめる。
またフランク ミュラーでは、創業当時から大切に進化させてきたトゥールビヨン機構をダイヤルの中央に配置することで、時分針以上に目立つ存在に仕立てた。
そしてタグ・ホイヤーは、ヘリテージから着想を得たムーンフェイズ表示を現代的に再解釈。月の満ち欠けをグラフィカルに表示することで、定番の「タグ・ホイヤー カレラ」に新しい表情を加えた。
唯一無二の外見を持つ時計は、常識に縛られない自分をも語るのだ。
1.A.ランゲ&ゾーネ|ツァイトヴェルク・デイト
エネルギーマネジメントは匠の技
初代ランゲが開発に携わったゼンパー歌劇場の五分時計をイメージした、デジタル表示式時計。ダイヤル外縁部にカレンダーを備え、グレーダイヤルとピンクゴールドケースの合わせも絶妙だ。

2.ロジェ・デュブイ|エクスカリバー モノトゥールビヨン Dr. Woo エピソードⅢ
メカニズムも最高峰のアートピース
タトゥーアーティストのDr.Woo氏とのコラボレーションモデル。繊細なニードルアートを施してダイヤルに宇宙の姿を形づくる。トゥールビヨンの上には渦巻銀河を表現した。
3.レッセンス|Type 8 DE2
時を刻むアートウォッチ
グラフィカルなグラデーションが美しく、着用者を不思議な世界へと誘う。ドイツ人アーティスト、ダニエル・エンゲルバーグ氏とのコラボレーションモデルだ。世界限定40本。
4.フランク ミュラー|ラウンド グランド セントラル トゥールビヨン
技術を追求し美を極める
中央にトゥールビヨン機構を搭載するために、時分針は極めて小さく設計し、トゥールビヨンキャリッジの周りをまわるようにした。圧倒的な技術力があるからこそ実現できる機構だ。
5.タグ・ホイヤー|タグ・ホイヤー カレラ アストロノマー
宇宙とのつながりを表現
1962年にホイヤー製のストップウォッチが、NASAの宇宙計画で使用されたという逸話から生まれた時計。回転ディスクと7つのイラストで、月の満ち欠けを表現した。