ダブルやシングル、はたまたノーラペルなど。ジャケットひとつとってもバリエーションは実に豊か。幅ある着こなしのスタイルをご紹介。シングル・アイテム編。【特集 大人のジャケットスタイル】

1.Ernesto|エルネスト
レッドやネイビー、イエロー、ブルーの4色のウール糸でチェック柄を構築。サイドベンツ仕様かつ、軽やかな着用感で実にコンフォート。袖にはライニングを配しているため着用時のストレスも感じさせない。1着で圧倒的なインパクトを与えてくれる、主役級のジャケットだ。

2.Finjack|フィンジャック
イタリアのテーラー技術を駆使した日本ブランドの1着を、ビームス Fが別注。トラディショナルなハウンドトゥース柄を配し、ホーンボタンも相まって貫禄ある大人の威厳を覗かせる。硬派な印象ながら、4者混素材により適度なストレッチを効かせ、快適な着心地を堪能できる。

3.J. Press Original|J.プレス オリジナルス
芯地や肩パッドのないアンコンタイプ。3ボタンのクラシカルな佇まいを見せる一方で、くすんだグリーンの色合いや柔らかな風合いは実に今時。よく見ると、ブラックのステッチで小さな格子模様を描いており、単色のそれとは異なる奥行きあるデザインに仕上げているのだ。

4.Auralee|オーラリー
装飾のないミニマルなデザインの1着は、一見フォーマルに見えてもオーバーサイズで仕立てることで旬なゆるいカジュアルと相性抜群。極細のウールを高密度に織り上げたギャバジン素材を採用し、その上から超撥水加工を施すなど、シンプル顔とはいえ侮れない機能美も見どころだ。

5.Sartorio|サルトリオ
中畝のコットンコーデュロイが秋冬にぴったりな季節感ある佇まいが特徴。段返り3ボタンのジャケットを、ゆったりさせた構築的なシルエットで形成しており、上品ながらもリラックスした着用感に。地厚なインナーでも着膨れしにくいから、レイヤードスタイルにもってこい。

6.Engineered Garments|エンジニアド ガーメンツ
3ボタンや本切羽、チェンジポケットなど、英国伝統のディテールを持ちながら、オーバーサイズでデザイン。光沢感のあるコットン素材がスポーティさを滲ませ、現代的に仕上げている。やや斜めにしたポケットはアクセスしやすく、気の利いたディテールもありがたい限り。

7.Blue Blue Japan|ブルーブルージャパン
適度に身幅と肩幅に余裕を持たせた、カジュアルなボックスシルエットが特徴。縦糸はコットン、横糸にコットンウールを使用し二重組織のように織り上げることでソフトな仕立てに。七宝柄をジャカードで表現した総柄デザインながら、着こなしやすい落ち着いた雰囲気にまとめているのは流石。

8.Lucien Pellat-Finet|ルシアン ぺラフィネ
おなじみのロゴなどの装飾を省いた、ドレススタイルにも最適な1着。肩にはパットが入り、台場仕立てを採用するなど本格テーラーのディテールを採用。しかしながら、鹿の子のようなドライな表面感を持つウール生地なので、軽やかな着心地を味わえる。

この記事はGOETHE 2025年11月号「特集:スタイルのあるジャケット」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら