かつてフォーマルだったジャケットも現代では、カジュアルに使えるなど汎用性が加速している。幅が広がったということは、自身のらしさを表現できるということ。正装一辺倒にならないジャケットスタイルを模索し、改めて自分に似合うお洒落を纏いたい。【特集 大人のジャケットスタイル】

1.ドルチェ&ガッバーナ
硬派な男性像をキープしながらも、どこかワンアクセントが欲しくなる。人とは違う、とはいえあくまでラグジュアリーに。ワンランク上を求める大人にこそ、ヘリンボーンウールの3ピースは最適だ。
クラシカルな雰囲気とともに男らしさを漂わせ、さらにカーディガンをレイヤードし着こなしに変化を生む。ニットのショールカラーがリラックス感をプラス。

2.ラルフ ローレン
レギュラーフィットのチェック柄ダブルは、上質なカシミアを採用し、なめらかな表面感は都会的なエレガンスを演出。インナーにニットを合わせ柔和な印象を与え、コーデュロイの白パンツが爽やかさをプラス。
この整ったバランスが知性ある大人を表現してくれるのだ。上質な素材選びが、大人のお洒落には欠かせない好例。

3.ディオール
ピークドラペルのダブルをベースにしながらも、スタンドカラーで仕上げられた1着。パフィーな質感のウールベースの生地を採用し、軽やかに仕上げている一方で切り替えやダーツがシルエットにメリハリを加味。
これにより、本来ドレッシーな白ジャケット×黒スラックスを程よく堅すぎない印象に。ボトムスのワイドなシルエットもその一手に。

4.サンローラン
アンコンをはじめラフなジャケットスタイルが定着するなか、芯地の入った王道のジャケットがクラシック回帰の昨今では注目株。
とはいえ、そのままではʼ80年代の流行りそのもの。ゆえにエッジを効かせるのが今時の男だ。
ボトムスにレザーを合わせることで、雰囲気は一変。クセがありながらも一本筋の通った男らしさを感じさせるスタイルに。

5.ジョルジオ アルマーニ
トレンド回帰とは、あくまで現代のトレンドや自身のマインドを媒介にすることが肝要だ。
それを象徴するのがクラシカルなショールカラージャケット。ダブルをベースに、ショールカラーをニットでアレンジし、ゆるさと硬派のバランスがとかく絶妙なのだ。
この塩梅を持つ上品さが、古きを知るエグゼクティブの今あるべき着こなしのひとつと言える。

6.コモリ
カジュアルスタイルにおいても広く使われるジャケットは、ゆるさがひとつのキーワードに。しかし、素材は一級品。カシミヤの紺ブレがまさにそれだ。
ゆったりしたトラックジャケットのセットアップ。ジャケットを羽織るだけでリラックスかつクラシックな雰囲気にまとまるのだ。カシミヤの質感とブレザーの仕立てが、上品な着こなしへ格上げしてくれる。

7.オールドジョー
同じラペルジャケットと言っても、ワークジャケットともなれば装いも一変。フォーマルなディテールを取りながらもあくまで作業着としての佇まいは、ツナギと好相性なのは言うまでもない。
しかしラギッド一辺倒にならないのが現代の在り方だ。ストリートを地で生きてきた男たちから漂う品格を、見事に表現してくれている。

8.ベルルッティ
爽やかでクールな青×黒の着こなしにラグジュアリーさを加えるなら、素材にこだわったメゾンに頼るのが常套。上質なカシミアを採用したジャケットは、袖を通せばその高級感を実感するはず。
シャツと共生地のパンツを合わせたライトな着こなしでも、その高級感は損なわれず、エグゼクティブにふさわしい都会派なエレガンスを堪能できる。

この記事はGOETHE 2025年11月号「特集:スタイルのあるジャケット」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら