エグゼクティブが纏うべき、本物の「贅沢」とは何か。スタイリストとしてこれまで数多のスタイルを構築し、ブランドディレクションも手がける野口強氏は、最も重視すべき点として“上質素材がもたらす心地よさ”を挙げる。レザーの魅力を開花させるパワフルな表情とシルエットに刮目。【特集 贅沢な服】

1.ボッテガ・ヴェネタ
夏の強い光が当たって浮かびあがる複雑かつ優美な陰影は、ボッテガ・ヴェネタが誇るイントレチャートでしか表現できない贅沢な味わい。圧倒的な存在感のシャツジャケットは、ブランドの歴史と熟練の職人技を体現した至高のラグジュアリー。

2.ザ・ロウ
思わず頬ずりしたくなるような肌理(きめ)の細かなカーフスキンスエード。肌当たりのいいモヘアシルクのリブ。薄く柔らかなシルクライニング。究極のディテールを備えたブルゾンを、敢えてリラクシーなスタイルで仕上げる、このブランドならではの哲学と余裕に脱帽。

3.エルメス
レザーでそれもエクリュカラーがホワイトとなれば、アウターとしては最も「贅沢」といわれる部類に入るだろう。フラップカラーのスポーティなブルゾンは、しなやかな風合いとともに、ナチュラルカラーのカーフレザーがまばゆいほどの存在感を放つ。細心の注意とともに着こなすというのも、野暮に感じる。

4.ベルルッティ
メゾンのアイコンであるパティーヌレザーをフルに用いたフードブルゾン。ラグランスリーブで着やすく、裾や袖口のリブもレザー仕立ての凝った仕様。内側にはスクリットのフルライニングをあしらうなど、ディテールへのこだわりも最上級。

5.ビズビム
キャメルの色合いが美しいスイングトップ型のジャケットは、フランス製のベジタブルタンニンを施したラムレザー製。ダメージ加工で生じたシワが演出するヴィンテージライクな風合いも味わい深く、袖を通した瞬間に身体になじむ質感も、極上を感じる至福のひと時に。

6.ダンヒル
洗練されたサファリテイストを感じさせる、ブラウンスエードのベルテッドジャケット。4つのマチつきポケットを配したフロントの面持ちも威風堂々としているほか、裏地にはチェックのコットン地をあしらうなど、プレイフルな遊びも忘れない。キャリアを重ねた大人こそが似合う、卓越のレザーアウターだ。

この記事はGOETHE 2025年5月号「特集:エグゼクティブが着るべき贅沢な服」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら