鞄やコートであれ、時代は軽さを求めている。それは時計も同じこと。長く愛するものこそ、軽さは重要だ。【特集 時計をつける悦び】

軽やかという悦び
かつて時計コレクターに日常使いの愛用時計を聞いたところ、軽い時計を挙げる人が多かった。たしかにゴールドケースのハイコンプリケーションのような時計はかなりずっしりとした重みがある。もちろん特別な日のための時計と考えるなら、その重みも心地よいだろう。しかし日常的に使う場合は、軽くてつけ心地がよいに越したことはない。
時計を軽くするなら、チタン素材でケースやブレスレットをつくるのがセオリー。定番素材のステンレススティールよりも約33%も軽いので、着用感に優れる。しかも金属アレルギーの心配もなく、耐食性も優れるため日常使いの時計としての性能は完璧だ。加工が難しいため少々価格は上がるものの、それを上回るメリットがある。
またアルミニウムやカーボンといった素材も、時計の軽量化に欠かせない素材だ。素材の質感や色合いなども含めて時計の個性になるので、軽いというメリット以外でも選択する価値はあるだろう。
せっかく手に入れた時計は、いつだって使っていたいもの。軽量な時計であれば着用時のストレスも少ないので、それが可能になるのだ。
1.ロジェ・デュブイ|エクスカリバー モノバランシエ チタンエディション
高度なエンジニアリングから生まれる星形のアストラルスケルトンムーブメントは、大胆不敵でありつつ、見た目も軽やか。ケースとブレスレットには、軽量なグレード5のチタン合金を使用。加工が難しい素材だが、磨きも仕上げも完璧だ。

2.モーリス・ラクロア|アイコニック オートマティック 43mm
シャープで都会的なデザインを持つ「アイコン」が、最新素材を使用する「アイコニック」へと進化。ブラック×グレーの縦柄が特徴のカーボンダイヤルを使用し、ケースはブラックDLCのチタン素材。精悍なルックスだが、つけ心地は軽やかだ。

3.クストス|チャレンジ K. ハチャノフ
世界的なテニスプレイヤー、カレン・ハチャノフとのコラボレーションモデルで、ケースは軽量なアルミニウム合金。さらにムーブメントは3本のブリッジ上にセットされ軽やかに見せる。世界限定55本。

4.ロンジン|ウルトラ-クロン カーボン
1968年に誕生した高振動ダイバーズウォッチが進化。ブランド初のカーボンケースは、荒々しい素材感も魅力になる。搭載ムーブメントは毎時36,000振動で、TIMELABによるクロノメーター認定も取得。ケースバックはチタンで、30気圧を実現。

この記事はGOETHE 2026年1月号「特集:つける悦びを知るLUXURY WATCH」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら



