連載「ヴィンテージウォッチ再考」の第53回は、ロレックス「GMTマスター Ref.1675」を取り上げる。
アメリカ製のジュビリーブレスレットを装備した逸品
1950年代初頭、ロレックスがパンアメリカン航空から依頼を受けて開発が始まり、1955年に発表となった「GMTマスター」。
それ以前にもデュアルタイムやワールドタイムなどの機構を搭載した腕時計はあったが、ロレックスは時差に注目し、24時間表示の回転ベゼル、24時間針を取りつけることで、シンプルな操作を考案し、差別化を図った。
また、当時海外旅行は一部の富裕層だけが楽しめるレジャーであったため、トラベルウォッチである「GMTマスター」は憧れの対象ともなっていった。そのためか、高価なゴールドモデルもいち早く登場している。
今回紹介する1977年製の「GMTマスター Ref.1675」マーク5ダイヤルは、この時代の“マットダイヤル”の模範とも言うべき個体。適度に退色した赤と青のベゼルインサートに、オレンジがかったトリチウムの夜光が絶妙にマッチしている。
スタイリングの決め手となるブレスレットは、人気が高いアメリカ製のジュビリーブレスレットを装備。オリジナリティやコンディションの面からもヴィンテージウォッチの入門機としてもふさわしい1本だ。
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