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2024.12.16

ロレックス、オーデマ ピゲ…中卒社長の“高級時計沼”コレクション公開

腕時計を身につけることは己を鼓舞し、挑戦することへのパワーを与えてくれる。そう、腕時計は男の本能を刺激し、解放する重要なアイテムなのだ。ビジネスの最前線を走る仕事人たちはいったいどんな時計を選んでいるのだろうか。今回は、ベースメントファクトリープロダクション代表取締役・北村健氏のコレクションを紹介する。【特集 欲望をブーストする高級腕時計】

北村健氏の時計コレクション
ベースメントファクトリープロダクション代表取締役社長、北村健氏のワインディングマシーン。多くの高級時計が収まっている様子は圧巻。

「世界で数本しかない」と言われると無性に欲しくなる

最終学歴は中卒。ディスコDJと音楽プロデューサーを経てウェブ制作の事業で成功し、現在は話題のタッチ名刺「MEET」を手がける。ベースメントファクトリープロダクション代表取締役・北村健氏の波瀾万丈の人生をブーストしてきたのは、これまで20本以上購入してきたという高級腕時計だ。

「いい時計を買って、いい所に住んで、アメックスのブラックカードを持つ。今思うとダサいですが、若い頃はそれが夢でした(笑)。家やブラックカードはなかなか手に入らなかったけど、まずは腕時計からと思って」

最初に買ったのは、ロレックス「エクスプローラー Ⅱ」。

「20代の頃、周りのお金持ちがみんな『コスモグラフ デイトナ』を持っていた。僕はまだお金がなかったから『エクスプローラー Ⅱ』を。確か30万円台だったと思います」

1997年、ベースメントファクトリープロダクションを創業。当時は有名アーティストの曲をリミックスしながら、自身の楽曲を海外で発売していた。その後、ウェブ制作にも乗りだして事業が軌道に乗った2006年頃に出合ったのが、ウブロの「ビッグ・バン」だった。

「ウブロというブランド名も知らなかったんですけど、雑誌で『ビッグ・バン』を見てひと目惚れ。銀座の時計店で発売日に買いました。そうしたら2週間後にホワイトモデルが入荷すると言われて、それも買った(笑)」

ウブロ「ビッグ・バン」
「ロレックスのあとは、しばらくウブロばかりつけていました。これはたぶん、日本で発売された最初の『ビッグ・バン』。発売日に現金を持って買いに行きましたから(笑)」。

クラシックよりスポーティなデザインが好きな北村氏は、しだいにオーデマ ピゲに魅了されるようになったという。

「2010年くらいに『ロイヤル オーク オフショア』の存在を知って、それからはもうオーデマ ピゲしか買っていません。ダイナミックなデザインが本当に好きなんです。みんながつけているような腕時計は欲しくないし、『世界で数本しかない』とか言われると、めちゃくちゃ買いたくなるんです。オーデマ ピゲの時計はレアなものが多いし、所有欲を刺激されるんですよね」

オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ」
ホワイトゴールドの「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ」は、幡ヶ谷の時計店YOSHIDAの50本限定モデル。「この頃白い時計が欲しくて、ストラップを白にしました」。

また、北村氏は、“リセールバリュー”にもこだわる。

「実際に腕時計を売ったことはないんですけど、リーマンショックの時に経営が傾いたので、リセールの価値は気にしています。いざという時に頼りになるものだけ買いたいんです」

ダイヤが煌めく「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ」は、上場の記念に購入した。

オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ」
ダイヤモンドがセットされた「ロイヤル オークオフショア クロノグラフ」は、上場した記念に購入。「ストラップが簡単につけ替えられるから、服に合わせて使いやすい」。

「上場してから、時計店がやたら高いモデルを薦めてくる気がします(笑)。でも、これをつけている人を今まで見たことがなかったし、1本くらいこういうのがあってもいいかなって」

時計への欲は際限がないという北村氏。“時計沼”からは、まだまだ抜けだせそうにない。

ロレックス「ディープシー チャレンジ」
ケース径が50mmもあるロレックス「ディープシー チャレンジ」。海外のショップで発見して「デカすぎて面白い」と興味を持ち、日本で購入したという。
北村健/KEN KITAMURA
ベースメントファクトリープロダクション 代表取締役社長。1970年大阪府生まれ。ディスコDJ、音楽プロデューサーを経て、1997年にベースメントファクトリープロダクションを創業。ウェブ制作を行う傍ら、タッチ名刺「MEET」などのサービス開発や販売も行う。

【特集 欲望をブーストする高級腕時計】

この記事はGOETHE 2025年1月号「特集:欲望をブーストする高級腕時計」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら

TEXT=川上康介

PHOTOGRAPH=高橋敬大

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