サッカー日本代表のDF冨安健洋が2026年夏の移籍市場でプレミアリーグのクリスタルパレスに加入した。ケガによる長期離脱から復帰間もないワールドカップ北中米大会で質の高いプレーを見せて、世界最高峰リーグへの返り咲きを実現。レベルの高い環境に身を置き、2030年ワールドカップを視野に入れて更なる成長を目指している。

「ここに来られて、とてもワクワクしている」冨安健洋が選んだ、再びプレミアリーグという環境
理想のリーグ、理想のクラブへの加入を実現させた冨安は心を弾ませていた。
「ここに来られてとてもワクワクしています。競争がある環境にいたいと思っていたので、ここは私の望む場所です。このクラブは素晴らしい時期を迎えており、過去2シーズンで3つのタイトルを獲得しています。ここが私がいたいと思っていた場所です」
半年前からプレミアリーグ復帰を視野に入れていた。右膝手術で長期離脱していた2025年7月に4シーズン所属したアーセナルとの契約を解除。同年12月にオランダ1部アヤックスと半年間の短期契約を結んだ。
その際には「サッカー人生はまだまだ続くので、プレミアリーグに戻るチャンスもあると思っている」と語っていた。青写真通りのイングランド返り咲きだった。
開幕前最後の国際Aマッチとなった2026年5月31日のアイスランド戦で約2年ぶりに日本代表復帰を果たして、メンバーに滑り込んだ今夏のワールドカップ北中米大会では4試合中3試合に出場し、2試合に先発。対人プレーの強さ、ビルドアップ能力の高さを示した。
1-2で逆転負けした決勝トーナメント1回戦のブラジル戦も世界屈指の突破力を誇るFWビニシウスとマッチアップして奮闘。それでも自己評価は厳しく、終了間際にFWマルティネッリに許した決勝弾はベストの状態なら対応可能だったとの見解を示している。
「いい時であれば、確実に対処できた。あのワンシーンだけを切り取ってみても、本当に駆け引き負けしたというか、力不足を感じた。もし日常が違って、ああいうシーンが毎日あるような環境であれば、問題なく対処できた。実際、アーセナルの時はそういう日常にいたと思っている。ブラジル戦が終わって感じたのは、厳しい環境に身を置かないといけないということ」
世界との差を痛感したW杯。「厳しい環境に身を置く」ことで成長する
プレミアリーグは言わずと知れた世界最高峰の舞台。世界各国のワールドカップメンバーにプレミアリーグのクラブに所属する選手は計180人近くおり、約100人で2位のブンデスリーグを大きく引き離す。
新シーズンは冨安のほかにもMF三笘薫(ブライトン)、MF田中碧(リーズ)、FW前田大然(イプスウィッチ)、MF遠藤航(リバプール、)MF守田英正(ハル・シティ)、MF坂元達裕(コヴェントリー・シティ)、DF高井幸大(トットナム)ら過去最多9人の日本人がプレミアリーグに集結する。
冨安の新天地となるクリスタルパレスには日本代表のチームメートであるMF鎌田大地も所属。2024~25年にFA杯、2025~26年には欧州カンファレンスリーグを制するなど実力のあるチームだ。昨季リーグ戦は15位に沈んだものの、欧州カンファレンスリーグ優勝により、今季はヨーロッパリーグ出場権を得ている。
冨安は言う。
「僕はワールドカップ前の1年半ぐらいケガでサッカーができてない状態だった。そこを考えると、ワールドカップのメンバーに選出されて、かつピッチ上でプレーできたというところは一つポジティブに捉えるべき。ワールドカップでは今持っている全力は出したと思っているし、シンプルに力不足を感じることもできた。ちょっとずつでも成長して世界との差を埋める。そのために進んでいきたい」
2030年ワールドカップは31歳で迎える。クリスタルパレスを舞台にした新たな4年間の始まり。充実のシーズンを重ねた先に、北中米で届かなかった最高の景色があると信じている。
冨安健洋/Takehiro Tomiyasu
1998年11月5日、福岡県生まれ。福岡U-18に所属した2015年にトップチームでデビュー。2016年には高校3年でプロ契約した。2018年1月からベルギー1部シントトロイデン、2019年7月からセリエAボローニャ、2021年8月からはプレミアリーグ・アーセナルに所属し、2025年7月に双方合意のもとで契約を解除した。2025年12月にオランダ1部アヤックスに半年契約で加入。2026年夏からプレミアリーグ・クリスタルパレスに所属する。日本代表は2018年10月にデビュー。ワールドカップは2022年カタール大会、2026年北中米大会の2大会に出場。身長1m88cm、体重78kg。

