2020年に公開された『映画 えんとつ町のプペル』の続編、『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』が2026年3月27日より公開。今作で西野亮廣氏が仕掛けたもの、そしてその挑戦の一部を解説する。

1.『アナと雪の女王2』超え
ムビチケ前売券販売枚数歴代1位の『アナと雪の女王2』の6万7910枚を上回ることを最初の目標に、足を使った営業を敢行。ある程度の枚数をまとめて購入した人のもとには直接、西野氏が届けて回った。西野氏はこれを「地上戦」と称して山間部でも離島でも、あらゆる所へ赴き、結果『アナ雪2』を大幅に上回る10万枚以上を売り上げた。
「仕掛けたとかじゃないんです、なんも特別なことはしていない。ただ足を動かしただけ(笑)。映画ってどんな大手の作品だって、蓋を開けてみないとヒットするかどうかわからない。だから作り手はめちゃくちゃ怖いんです。何かしていないと居ても立ってもいられない。だから、ひたすらお客さんに会いにいっていただけです」
2.4億8000万円の資金調達に成功
本作の製作費も、事業投資型クラウドファンディングで募り、1日半で4億8000万円を集めた。
「僕はオンラインサロンをやっていてお客さんとすごく距離が近いんです。そこでわかったのは、みんな作り手になりたがっているっていうこと。彼らは自分たちでイベントをやりたがるんですよ、それがひどい仕上がりなんですが(笑)、それでもすごく幸せそうで。クオリティが高いものだからお金を出してもらえるってずっと思ってましたけど、それは古い考えであって、みんな、ただ作りたがっている。まぁ、西野なら力技で黒字に乗せてくるだろうという、投資家的見方もあったかもしれないですが(笑)」
3.前作の権利を買い取り、テレビで遊ぶ
前作『映画 えんとつ町のプペル』は西野氏が吉本興業在籍中に製作、作品の権利は吉本興業にあった。本作宣伝のため前作の素材を使いたくても、吉本興業の許可が必要に。そのため権利を西野氏が買い取り、公開前にはテレビ地上波でこの前作を放送。大々的なPRを行った。
「元所属事務所から買い取るって、難易度高いんですよ(笑)。テレビは、いまだにすごい人数にリーチしています。だから僕らもテレビで遊びたい。テレビを空中戦にしつつ、地道にチケットを渡しにいくっていう地上戦も仕掛けているんです」
4.映画のド素人が配給する
本作では、宣伝、劇場への営業などを行う「配給」を、西野氏の会社、チムニータウンが東宝と行っている。
「僕らのような弱小会社がよくやりますよね(笑)。映画のド素人が配給できるのかって。だからみんなでむちゃくちゃ勉強してきたつもりです。単に根性なんですが(笑)」
5.強烈に心に残るシーンを数多く仕こむ
幼い頃、強く惹かれたものを人は生涯忘れない。時には大人になっても執着する。だからこそ、子供たちの「初めての感動」を獲得することがエンタメ業界において大事なことだと、西野氏はこれまで説いてきた。
「メッセージ性とか中身とかって、大人にとっては大事だけど、子供にはそうでもないと思うんです。だって僕が子供の頃は『ネバーエンディング・ストーリー』の変なバケモンが空飛んで『すげー!』ってなったり、『ルパン三世 カリオストロの城』でルパンが屋根を走って『カッコいい!』って興奮したりしていた。だからとにかくビュンッて飛ぶとか、キャン! って落っこちるとか、キャラクターの造形が面白いとか、そういう要素はたくさん入れたつもりです。僕自身、説教くさいのは得意ではないので(笑)」
『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』

2019年に「にしのあきひろ」名義で出版した絵本『チックタック 〜約束の時計台〜』を原案に、アニメーションは前作同様に日本を代表するアニメーション制作会社STUDIO4℃が行う。2026年3月27日より公開。
原案:『チックタック 〜約束の時計台〜』(にしのあきひろ 著/幻冬舎)
製作総指揮・原作・脚本:西野亮廣
監督:廣田裕介
声の出演:永瀬ゆずな、窪田正孝/MEGUMI、小芝風花 ほか
アニメーション制作:STUDIO4℃
配給:東宝、CHIMNEY TOWN
製作:見城徹、岡崎真治、佐藤成高、田中栄子、渡辺章仁、檜原麻希
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西野亮廣/Akihiro Nishino
1980年兵庫県生まれ。1999年漫才コンビ「キングコング」結成。これまでの著書に『革命のファンファーレ』『新世界』『夢と金』など。最新映画『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』が2026年3月27日公開。

