PERSON

2025.03.07

西野亮廣、トランプ大統領とゼレンスキー大統領の舌戦から“交渉の本質”について語る!

23万部のロングセラー『夢と金』の著者であり、今、ビジネスパーソンが追うべき人物の筆頭である西野亮廣さんは、孤軍奮闘、数々の難解な交渉をこなしてきた人物だ。さて、ビジネスにおいては「正義と正解は違う」という場面がよくあるが、我々日本人は、子供のころから「正義=正解だ」という教育しか受けていない。しかし今回のゼレンスキー大統領しかり、「正義カード」だけでは議論が前に進まないことは多々ある。西野さん自身も、吉本興業を退所したときの“交渉”を振り返ると、反省すべき点があるという。今回も、音声メディア「voicy」で配信中の「#西野さんの朝礼」から編集してお届けする。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ

今日は【トランプ大統領とゼレンスキー大統領の会談から学ぶこと】です。

第186回
相手のカードの方が強かったら、まずは衝突を避けて、相手の言い分を受け入れ、その中で「変数(交渉次第で少しでも条件を上げられる場所)」を探して、そこを狙い打つしかない!

西野亮廣

正義と正解は違う

ゼレンスキー大統領とトランプ大統領の口論が物議を醸しております。

外交の場で、あのような感情的な舌戦が展開されることはなかなか無いと思うのですが、まぁ、あそこに至るまでには僕らの知りえないバックストーリーがあり(とくにゼレンスキー)、それが大声に繋がったことは想像に難くありません。

切り取られた動画を観たかぎりだと、「正義」を主張していたゼレンスキー大統領と、アメリカの取り分をチラつかせながら問題を片付けることを主張していたトランプ陣営…という風に僕の目には映ったのですが、今回の会談に限らず、議論する際に、「正義カード」をテーブルに出す人と、「おとしどころカード」(最大公約数)をテーブルに出す人がいて、「お前が正しいことは分かっているけれど、今、お前の正義を主張したところで話は前に進まないだろう?」という衝突が起きている現場をよく見ます。

お仕事というものは算数や道徳じゃないので、「正義と正解は違う」という場面がよくあるわけですが、ただ、考えてみたら、子供の頃から僕らは「正義=正解」の教育しか受けてこなかったように思います。

たとえば「イジメやめよう!」という正義はよく耳にしたのですが、「『イジメやめよう』という正義だけでは、結局イジメが世の中から無くならないのだから、イジメの止め方の正解は別にあるんじゃね? さぁ、皆で考えよう」という授業とかって無かったじゃないですか?

ビジネスシーンで必要な筋肉は、そういった「正解を探す訓練」で養われるわけですが、そういった訓練をする場がないまま社会人になった大人達が、ひたすら自分の正義を主張し続けて、壁にぶち当たっている。

「カードを持っていない側」の戦い方

「交渉の話」に話を戻すと、やっぱり「自分の手札と相手の手札を机に並べること」が一歩目で、相手の手札の方が強かったら、まずは衝突を避けて、相手の言い分を受け入れて、その中で「変数(交渉次第で少しでも条件を上げられる場所)」を探して、そこを狙い打つしかない。

今回の会談の両者の言い分の是非はさておき、トランプさんが仕切りに言っていた「キミはカードを持っていない」という言葉は、交渉の本質をついていて、カードを持っていない側は「カードを持っていない側の戦い方」をしないといけないなぁと、あらためて思いました。

僕が吉本興業を退所した一番の理由は、吉本の方針として「担当マネージャーがコロコロ変わる」というのがあって、それだと『映画』のように「IPを作って育てる」ということができないので(新しく就いたマネージャーが、何の思い入れもない作品の売り込みをしなきゃいけなくなるので)、「マネージャーだけは変えないで」と主張していたのですが、今思うと、その時の僕は「西野のマネージャーを変えると会社に大きな損失が出る」というカードを持っていなかったのだと思います。

その後、CHIMNEY TOWNとして担当スタッフが変わらない形となり、たとえば『えんとつ町のプペル』というIPはミュージカルになり、ブロードウェイに行き、万人規模のイベントをバンバン打つIPに育ったので、当時の自分の主張は、やっぱり正しかったのだと思います。

ただ、主張自体は正しかったかもしれないけれど、あの場面で主張したところで状況は変わらないのだから(会社としては特例を作る条件を満たしていなかったのだから)、あの時の正解は「正しさを主張すること」ではなくて、限られた条件の中でIPを開発&運営して、会社にオイシイ思いをさせることだったのだと思います。

「正義」に気を取られるあまり、「正解」を見失ってしまう…ということはよくあることなので、気をつけていきたいです。

注目のビジネス書

『夢と金』が各ランキングの年間1位に!

■楽天Kobo ビジネス書2023年間ランキング1位
■2023年オリコン年間”本”ランキング「自己啓発書」ジャンル1位
■ビジネス書累計が100万部突破!
※Amazonランキング書籍総合1位にも! コチラから

ミュージカルのお知らせ

お知らせ! 2025年8月9日〜30日、ファミリーミュージカル「えんとつ町のプペル」が大劇場・オーケストラ版での上映決定!

開催日:2025年8月9日(土)〜 30日(土)
会場:KAAT 神奈川芸術劇場(神奈川県横浜市中区山下町281) 

お知らせ! ミュージカル「えんとつ町のプペル」密着ドキュメンタリー【BackStory】を毎週金曜日に配信

西野亮廣「Back Story」

総再生回数1000万回突破!(YouTubeショート・TikTok含む)
毎週金曜日20時にミュージカル『えんとつ町のプペル』制作の裏側ドキュメンタリーを配信しています!
【これまでのBackStory】

最新回は【存続の危機】「降りさせていただきます」です。

ショート動画はこちら【YouTube】【TikTok】

■毎週金曜日に『BackStory』を流している西野亮廣のYouTubeチャンネルのメンバーシップに加入すると、【メンバーシップ限定特典】が2つ!
その1:『BackStory』の動画制作における西野亮廣のガチダメ出しをノーカットで見ることができる!
その2:「先行公開」として、他の人よりも早く観れる!

ミュージカル「えんとつ町のプペル 」VIP席 発売中!

お知らせ! キンコン西野のCHIMNEY TOWN、ブロードウェイで上演される『オセロ』に共同プロデューサーとして参加!

西野亮廣

デンゼル・ワシントンやジェイク・ギレンホールといったレジエンド達が出演するブロードウェイ舞台『OTHELLO(オセロ)』。世界中から多くの観客が集まるブロードウェイの大舞台で、シェイクスピアの世界を新しい息吹とともに表現する本作は、その完成度の高さや挑戦的なアプローチで、世界中の演劇ファンからも高い関心を集めています!

上演:2025年2月24日~2025年6月8日(予定)
劇場:Barrymore Theatre(ブロードウェイ/ニューヨーク)
出演:デンゼル・ワシントン、ジェイク・ギレンホール ほか
公式サイト:https://othellobway.com/

映画のお知らせ

NEWS! 西野亮廣が製作総指揮を務めたコマ撮り短編映画『ボトルジョージ』が、第97回アカデミー賞(米)の短編アニメーション部門のショートリストに選出されました!

監督:堤大介(トンコハウス) 脚本:堤大介氏と西野亮廣の共同制作 プロデューサー:松本紀子(ドワーフ)

■NEWS! ロサンゼルスのマリリン・モンローシアター(@サンタモニカ)で開催される『HOLLYWOOD SHORTSFEST』のオフィシャルセレクションに選ばれました! 映画祭は2025年4月4日〜4月6日の予定。

詳細はこちら

NEWS! スイスの【ジュネーブ国際インディペンデント映画祭】に選出されました!

詳細はこちら

■NEWS! フランスのランスで開催される『RED MOVIE AWARDS』の年間セレクションに『ボトルジョージ』がノミネートされました!

2025年5月23日・24日に、フランスのランス オペラ座(Opera of Reims)で授賞式が開催予定。詳細はこちら

■コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』が、札幌国際短編映画祭で「アニメーション特別表彰」&「最優秀作曲賞」。アメリカ南カリフォルニア最大級の映画祭、ニューポート・ビーチ・フィルムフェスティバルで「短編アニメーション賞」。グローバルステージハリウッド映画祭にてBest Short 2024」。続々受賞!

2024年10月15日現在、
【San Diego International Film Festival】(米国)
【Newport Beach Film Festival】(米国)
【Austin Film Festival】(米国)
【SPARK ANIMATION】(カナダ)
【San Diego Asian Film Festival】(米国)
が決まっています!

西野さんの『ボトルジョージ』に対する想いとは? こちらをチェック!

ボトルジョージ

■コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』の専用劇場、『ボトルジョージ・シアター』がグランドオープン!

発売中&予約受付中

■12点のイラストすべて西野さんの描き下ろし! 部屋に飾りたい! 「AKIHIRO NISHINO SKETCH BOOK CALENDAR 2025」 カレンダー発売中!

■CHIMNEY TOWNが運営するクラウドファンディング【PICTURE BOOK】

「挑戦する人」と「応援したい人」が集まる オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』を運営しているCHIMNEY TOWNが作った、クラウドファンディングのプラットフォームです!

《大阪平野の夜景を一人占め》HIBARI GOLF(宝塚市)のVIPラウンジ『星の絨毯』(2024年9月オープン)の【共同オーナー】(年間3日×7年分の貸し切り利用権)募集中!

■『星の絨毯』の【1日利用権】も仮予約受付中!

イベントのお知らせ

『西野亮廣講演会』全国各地で続々開催決定!

『西野亮廣講演会』のお知らせです。
下記の都道府県で開催が決まっています。

  • 2月25日(火)に東京
  • 3月25日(火)に三重
  • 3月26日(水)に埼玉
  • 4月3日(木)に新潟
  • 5月17日(土)に兵庫
  • 8月12日(火)に神奈川

私、西野亮廣がマイク一本で1時間半ほど喋る変なイベントです。チケットをお求めの方は、『西野亮廣全国講演会』で検索してみてください。サロンメンバーさんが作ってくださったイイ感じのホームページに飛びますので、そちらから。会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。

書籍のお知らせ

  • 最新絵本『みにくいマルコ~えんとつ町に咲いた花~』のご購入はこちら
  • 73万部の絵本『えんとつ町のプペル』のご購入はこちら

NFTのお知らせ

子供たちに絵本を贈るプロジェクト「『CHIMNEY TOWN GIFT』のNFT」が話題に!

バンドザウルスのお知らせ

オンラインサロン・SNS・Note・Voicy


TEXT=西野亮廣

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2025年4月号

人生の相棒、アートな家具

最新号を見る

定期購読はこちら

バックナンバー一覧

MAGAZINE 最新号

2025年4月号

人生の相棒、アートな家具

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ4月号』が2025年2月25日に発売となる。今回の特集は“アートな家具”。豊かな人生を送るうえでなくてはならない、惚れ惚れするほどの家具を紹介。表紙には羽生結弦が撮り下ろし初登場。

最新号を購入する

電子版も発売中!

バックナンバー一覧

SALON MEMBER ゲーテサロン

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる