23万部のロングセラー『夢と金』の著者であり、今、ビジネスパーソンが追うべき人物の筆頭である西野亮廣さんは、孤軍奮闘、数々の難解な交渉をこなしてきた人物だ。さて、ビジネスにおいては「正義と正解は違う」という場面がよくあるが、我々日本人は、子供のころから「正義=正解だ」という教育しか受けていない。しかし今回のゼレンスキー大統領しかり、「正義カード」だけでは議論が前に進まないことは多々ある。西野さん自身も、吉本興業を退所したときの“交渉”を振り返ると、反省すべき点があるという。今回も、音声メディア「voicy」で配信中の「#西野さんの朝礼」から編集してお届けする。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ)
今日は【トランプ大統領とゼレンスキー大統領の会談から学ぶこと】です。
第186回
相手のカードの方が強かったら、まずは衝突を避けて、相手の言い分を受け入れ、その中で「変数(交渉次第で少しでも条件を上げられる場所)」を探して、そこを狙い打つしかない!
相手のカードの方が強かったら、まずは衝突を避けて、相手の言い分を受け入れ、その中で「変数(交渉次第で少しでも条件を上げられる場所)」を探して、そこを狙い打つしかない!

正義と正解は違う
ゼレンスキー大統領とトランプ大統領の口論が物議を醸しております。
外交の場で、あのような感情的な舌戦が展開されることはなかなか無いと思うのですが、まぁ、あそこに至るまでには僕らの知りえないバックストーリーがあり(とくにゼレンスキー)、それが大声に繋がったことは想像に難くありません。
切り取られた動画を観たかぎりだと、「正義」を主張していたゼレンスキー大統領と、アメリカの取り分をチラつかせながら問題を片付けることを主張していたトランプ陣営…という風に僕の目には映ったのですが、今回の会談に限らず、議論する際に、「正義カード」をテーブルに出す人と、「おとしどころカード」(最大公約数)をテーブルに出す人がいて、「お前が正しいことは分かっているけれど、今、お前の正義を主張したところで話は前に進まないだろう?」という衝突が起きている現場をよく見ます。
お仕事というものは算数や道徳じゃないので、「正義と正解は違う」という場面がよくあるわけですが、ただ、考えてみたら、子供の頃から僕らは「正義=正解」の教育しか受けてこなかったように思います。
たとえば「イジメやめよう!」という正義はよく耳にしたのですが、「『イジメやめよう』という正義だけでは、結局イジメが世の中から無くならないのだから、イジメの止め方の正解は別にあるんじゃね? さぁ、皆で考えよう」という授業とかって無かったじゃないですか?
ビジネスシーンで必要な筋肉は、そういった「正解を探す訓練」で養われるわけですが、そういった訓練をする場がないまま社会人になった大人達が、ひたすら自分の正義を主張し続けて、壁にぶち当たっている。
「カードを持っていない側」の戦い方
「交渉の話」に話を戻すと、やっぱり「自分の手札と相手の手札を机に並べること」が一歩目で、相手の手札の方が強かったら、まずは衝突を避けて、相手の言い分を受け入れて、その中で「変数(交渉次第で少しでも条件を上げられる場所)」を探して、そこを狙い打つしかない。
今回の会談の両者の言い分の是非はさておき、トランプさんが仕切りに言っていた「キミはカードを持っていない」という言葉は、交渉の本質をついていて、カードを持っていない側は「カードを持っていない側の戦い方」をしないといけないなぁと、あらためて思いました。
僕が吉本興業を退所した一番の理由は、吉本の方針として「担当マネージャーがコロコロ変わる」というのがあって、それだと『映画』のように「IPを作って育てる」ということができないので(新しく就いたマネージャーが、何の思い入れもない作品の売り込みをしなきゃいけなくなるので)、「マネージャーだけは変えないで」と主張していたのですが、今思うと、その時の僕は「西野のマネージャーを変えると会社に大きな損失が出る」というカードを持っていなかったのだと思います。
その後、CHIMNEY TOWNとして担当スタッフが変わらない形となり、たとえば『えんとつ町のプペル』というIPはミュージカルになり、ブロードウェイに行き、万人規模のイベントをバンバン打つIPに育ったので、当時の自分の主張は、やっぱり正しかったのだと思います。
ただ、主張自体は正しかったかもしれないけれど、あの場面で主張したところで状況は変わらないのだから(会社としては特例を作る条件を満たしていなかったのだから)、あの時の正解は「正しさを主張すること」ではなくて、限られた条件の中でIPを開発&運営して、会社にオイシイ思いをさせることだったのだと思います。
「正義」に気を取られるあまり、「正解」を見失ってしまう…ということはよくあることなので、気をつけていきたいです。
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下記の都道府県で開催が決まっています。
- 2月25日(火)に東京
- 3月25日(火)に三重
- 3月26日(水)に埼玉
- 4月3日(木)に新潟
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私、西野亮廣がマイク一本で1時間半ほど喋る変なイベントです。チケットをお求めの方は、『西野亮廣全国講演会』で検索してみてください。サロンメンバーさんが作ってくださったイイ感じのホームページに飛びますので、そちらから。会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。