MAGAZINE &
SALON MEMBERMAGAZINE &
SALON MEMBER
仕事が楽しければ
人生も愉しい

PERSON

2024.02.08

フランフラン髙島郁夫、中田英寿…人気デザイナーが感じた、トップランナーに共通する“おもてなし力”

年末年始はゲストをもてなすためにキッチンに立っていた森田恭通氏。森田氏にとっておもてなしのための料理は、ビジネスにおける自身のプレゼンテーションに似ているとか。料理をつくりながら考えるおもてなしはどうデザインに落としこむかを妄想する思考に近いという。デザイナー森田恭通の連載「経営とは美の集積である」Vol.43。

森田氏が剥いた蟹
奥さまの大地真央さんから「カニ捌き名人」と呼ばれる森田氏によって美しく盛りつけられた毛蟹。

経営者はおもてなしが好き

年末年始、我が家は来客ラッシュを迎えました。ありがたいことに毎年人が大勢集まるので、その日はシェフ森田がスーパーに買いだしに行き、とっておきの器を並べ、終日キッチンに立って料理をつくります。

実は食材を揃え、メニューを考え、サーブする順番を考えながら料理をつくるという作業は、僕にとっては、デザイナーの一番の勝負どころでもあるプレゼンテーションに類似しているので、嫌いではないのです。

食材を買いだしする段階でメニューは決めていません。ゲストの顔を思い浮かべ、旬の食材、今日のお薦めはなんだろうとスーパーで眺めながら、献立が決まっていきます。僕なりに頭を使いますが、いつも楽しんでいます。

ありがたいことに冬は毛蟹を送っていただくことも多く、手に刺さる毛や殻の痛さを堪えつつ、美しく盛りつけるのが喜びです。妻のインスタグラムを見た方から「蟹の捌き方が上手」と恥ずかしながら褒めていただくこともしばしばあります。

我が家の食器は器好きの妻が集めたものかふたりで買いに行ったもので、アンティークか現代作家のものがほとんどです。また、仕事の一環で器を集めることもあり、その際に信頼を寄せているのが、「ギャラリー帝」のオーナー、矢部慎太郎さん。銀座の慎太郎ママといったほうがなじみ深いかもしれません。

慎太郎ママが企画する器展はとにかく人気です。全国津々浦々の作家さんとお付き合いがあり、センスが素晴らしく、さらにオーダーしてつくる「慎太郎ごのみ」シリーズの器も僕の好みです。

特にレンゲの形状が秀逸。一般的なものは先が丸く、僕は最後のひとすくいがうまく取れないのですが、「慎太郎ごのみ」のレンゲは先にほんの少し角がついていて、使いやすい。

銀座でクラブのママをされていて、一流のお客様を相手にして養った審美眼によるセレクトなので、最近はよく相談させていただいています。フランフラン創業者の髙島郁夫さんも自ら包丁を握る方で、慎太郎ママの器の愛用者のひとりです。

最近思うのは、経営者にはもてなし上手、もてなし好きな方が多いこと。

髙島さんのようにご本人が料理を振る舞う方もいれば、なじみのシェフを呼んで、一緒に料理を楽しみ、お酒のサーブに徹する方もいらっしゃいます。そのせいか僕の仕事もオープンキッチンを備えたご自宅のリノベーションや別荘のオーダーが増えています。

まもなく完成する中田英寿さんのオフィスもおもてなし要素が満載です。

中田さんといえば、プロデュースした日本酒イベントなどがよく知られていますが、日本の伝統文化に魅せられ、その普及と発展をミッションに活動する中田さんのもとには、全国から日本酒をはじめ、食材や器が集まります。

新オフィスには、それらを収納しながらディスプレイできる部屋をつくっています。食材やお酒のプレゼンテーションをしながら、それらの販路の仲立ちもするようです。

仕事のできる人はサロンで趣味の時間も楽しみ、自分のもとに集まった情報を発信し、新たな情報も集め、事業へとつなげていくのかもしれませんね。

自宅のキッチンに立ちながら、“おもてなし”をどう実際にカタチにするか思いを巡らせる年末年始でした。

森田恭通/Yasumichi Morita
1967年生まれ。デザイナー、グラマラス代表。国内外で活躍する傍ら、2015年よりパリでの写真展を継続して開催するなど、アーティストとしても活動。オンラインサロン「森田商考会議所」を主宰。

この連載をもっと読む

連載
森田恭通/経営とは美の集積である。

デザイナーとして、多くの経営者の経営展望や理念、彼らの求める機能やニーズに応えてきた森田恭通氏。そのなかに見えたのは、経営者こそが持つ、オリジナリティ溢れるセンスと美学だという。「経営」と「美」の関係性、その先にあるものとは。

TEXT=今井恵

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

3月号 Now on sale

【ゲーテ3月号】表紙は山﨑賢人。家づくりは究極の大人の遊び、“多拠点邸宅”特集

最新号を見る

定期購読はこちら

MAGAZINE 最新号

3月号 Now on sale

【ゲーテ3月号】表紙は山﨑賢人。家づくりは究極の大人の遊び、“多拠点邸宅”特集

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ3月号』が1月25日に発売となる。今回の特集は“多拠点邸宅”。人生を楽しみ尽くすための、こだわりの邸宅をご紹介。表紙を飾るのは俳優・山﨑賢人。その他にも伊勢谷友介の器コレクションや俳優・川口春奈へのインタビューなど必読だ。

最新号を購入する

電子版も発売中!

定期購読はこちら

SALON MEMBER ゲーテサロン

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる