PERSON

2023.09.11

「忘れること」は人間最強の武器! 理不尽や不運を乗り切る4つの方法

放送作家、NSC(吉本総合芸能学院)10年連続人気1位の桝本壮志のコラム。

ツイてない日は「見逃せますか選手権」の日と考えるべし

突然ですが、最近ツイていますか?

  • 理不尽なことをされた。
  • 職場で意味なく嫌われた。
  • パートナーの機嫌が悪かった。
  • さっきLINEをスルーされた。

……などなど。生きてりゃ、街中で歯医者の看板に出合うくらいの頻度で「ツイてないこと」が襲ってきますよね。

ですが、これほどツイてないことが起こるということは、そもそも人間は“ツイてない日々を過ごしていく生き物”とも考えられないでしょうか?

なので僕は、人間はオギャーと泣いた日から、運が良くない日常をスルーしていく“見逃せますか選手権”の出走者だと思っています。

そんなに簡単に見逃せないよ。ムカつく上司、ズルい同僚、理不尽なヤツ……。看過できないヤカラがたくさんいるんだから。そうおっしゃる方も多いでしょう。

では今週も、見逃せますか選手権を勝ち抜く思考法をゆっくり押さえていきましょう。

桝本 壮志/Soushi Masumoto
1975年広島県生まれ。放送作家として多数の番組を担当。タレント養成所・吉本総合芸能学院(NSC)講師。

①見逃せないと、ずっと嫌いなアイツの下僕になる   

大声で怒る人、嫌味を言ってくる人、他人を出し抜くセコい人など、いくら「近づかないようにしよう」と思っていても、学校の席替えのように“事故物件”は近くにやって来ます。

しかし、彼らの言動にいちいち引っかかって、「何であんなことするんだろう?」と気を揉んだり、眠れない夜を過ごしたりしている時間は、ずっと“その人が主人公”。わざわざ嫌いな相手のために、あなたが時間を割いているのです。

さらに、彼らが周囲にバラまいている「怖さ」「ズルさ」「セコさ」の正体は“弱さ”です。臆病だったり、ズルをしないと勝てなかったり、セコくないとお金を手にできなかったり、彼らは“弱さ”から自己防衛に励んでいるんです。なので、強いあなたが許してあげましょう。

②「忘れること」は人間の最強スペック  

ふと学生時代の友達や教室を思い出して「なつかしいなぁ」と思うことはありませんか? 

ひょんなことで過去の思い出が蘇って、甘酸っぱい感覚や、郷愁に浸れるのは“一度、忘れたから”。そう、人間が持っている能力の中でも“忘れる”は最強のスペックなんです。

一度、忘れたから、なにげなく横にいた旧友の温もりを再認識したり、かつて思いついたビジネスアイデアや企画の良さに改めて気づいたりする。この最強スペックを活用しない手はありません。

さあ、さっさとツイてない事象や人物は忘れてやりましょう。

③ 他者の落ち度も、最強スペックで忘れましょう  

緊張してプレゼンがボロボロだった、大切なデートに遅刻したなど、自分にさえガッカリするのに他人にガッカリするのは当然なので、他者の失言、失敗、過ちに敏感になり過ぎず、“見逃してあげること”も大切です。

特に昨今の、失敗した人を吊るし上げて、SNSでボコボコにしないと気が済まない風潮からは距離を置いて、“それはその人が克服すべき課題”と許容できれば、あなたの生活にゆとりが生まれます。

なぜそうするべきなのか?

究極は“誰かを許さない人は、誰かに許されない”から。

言い方を変えれば、“うまく見逃せる人は、大切な人からも見逃されない”のです。

④「ツイてる人」の正体は「私はツイてる」と言える人 

売れっ子芸人や一流企業の社長さんに、「なぜ成功できたんですか?」と聞くと、「ツイてただけです」と返答する人の多さに驚かされます。

彼らがそう答えるのは“うまくいかなかった”よりも“うまくいった”体験のほうを大切にしているから。ツイてなかったことは早々に忘れ、うまくいった体験をガソリンにして前向きにやってきた証なんです。

よく“幸せのカタチ”という言葉を聞きますが、その形を作るのは“気分”。そう“ツイてる人”の正体は“私はツイてる”と言える、思っている人のことなんですね。

では、もう一度、冒頭の質問をしますね。

最近、ツイてますか?

それでは、また来週お会いしましょう。。

COMPOSITION=古澤誠一郎

TEXT=桝本壮志

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