やんばる(山原)と呼ばれ、文字どおり山や原っぱなど、自然が多く残されている沖縄北部は現在、大規模な開発が進行中。旅慣れた大人が次に目指すのはこの地だ。今回紹介するのは、名護市・今帰仁村のホテル&リゾート「KAYATSUMA OKINAWA」。【特集 沖縄に住む】
大人のためのビーチクラブを計画
目の前に広がるのは青い空と太陽の光に煌めく海。対岸に小宇利島を望む沖縄北部の今帰仁村の高台に佇むわずか4部屋のみのヴィラ、それが「カヤツマ沖縄」だ。
冠婚葬祭業を中心にホテル、レストランなど多岐にわたる事業を展開するメモリードの吉田卓史代表がこの地を取得したのは2020年。コロナ禍でハワイなど海外のリゾートウェディングが減少するなか、日本が誇るリゾート地・沖縄でも喧騒を離れた北部にリゾートウェディングの最適地として施設をオープン。パートナーとゆったりと寛ぐことができる、プライベート感溢れるヴィラとして人気を博している。
「沖縄へ半径3時間で行ける範囲を商圏と考えれば、日本国内はもちろん韓国、台湾、中国も商圏内。その人口はハワイよりも圧倒的に多く、ビジネスチャンスはより高まっています」
実際に2023年の沖縄のブライダル件数はコロナ前を上回り、過去最高を更新。那覇には高層マンションが続々と建ち、高級レストランの単価は東京並みに。ホテルも外資含め新規オープンが続く。
「それでも、世界遺産に登録された“やんばるの森”を擁す北部のエリアはまだまだ未開拓。那覇や中部のリゾートは残念ながらファミリーが多く、高級ホテルであっても賑やかですが、ここは静かに波音を聞きながらゆっくりと過ごせます。それでありながら、ヘリなら那覇から30分で来ることができるんです」
吉田氏がこの地を選んだのには、もうひとつ大きな理由が。それがラグジュアリーな"ビーチクラブ"の実現だ。
「ギリシャ・ミコノス島やバリなど世界の美しいビーチには、昼間は太陽と海、夜はDJによる音楽とともに美味しい料理とお酒を提供するゴージャスなクラブハウスがあり、世界中から集まる大人の社交場になっています。そんな日本にはまだない、大人が遊べるビーチクラブをリゾート内のプライベートビーチにつくる予定です」
建築を手がけるのは、隈研吾氏。40m近い大きなプールやサウナ、DJブースを完備。那覇からは車内でドリンクなどを提供する専用バスも用意し、バスに乗った時からビーチクラブへの期待感を高める演出も考えている。さらに今後はオーナーが未使用時は宿泊権を販売できるような、ホテル以上に自由度の高いヴィラなども計画中。
「沖縄の魅力は、陰と陽の両方があること。心を解放する明るいリゾート地である反面、辛い歴史も経験してきている。その両極端があるからこそ、それを超えてきた沖縄のパワーを感じます。特にまだ人も少なく手つかずの自然が残る北部には、まだまだできることがたくさんある。このカヤツマを中心に、沖縄の他のエリアにはない、さらなる楽しみ方を提案していきたいと思っています」
KAYATSUMA OKINAWA HOTEL & RESORT
住所:沖縄県国頭郡今帰仁村運天506-1
TEL:0980-56-5661
料金:1泊室料¥77,000~
この記事はGOETHE 2024年9月号「総力特集:人生の楽しみ上手が集う島 沖縄に住む」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら