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TRAVEL

2023.11.24

ドバイ旅費1000万円超! なぜ、富裕層は“バグり旅”を求めるのか

超ド級な体験こそドバイの真骨頂。そんな世界への旅は、富裕層が求めるぶっ飛んだ“バグり旅”のニーズと一致している。その実情を、富裕層向けコンシェルジュ会社の代表、才津香果さんに聞いた。【特集 熱狂都市・ドバイ】

ディナー・イン・ザ・スカイ
クレーンでテーブルと椅子を吊った空中レストラン「ディナー・イン・ザ・スカイ」。ドバイ・マリーナの地上50m、高層ビル群とインド洋を一望しながらコース料理を堪能できる。https://dinnerinthesky.ae/ ©ドバイ経済観光庁

想像を絶する“バグり旅”はいかが?

世界の富裕層の旅をコーディネイトする会員制コンシェルジュ会社、アルカディア。代表を務める才津香果さんに旅の手配を依頼するのは、98%が経営者だ。これまで旅に総額8億円以上かけてきたという才津さんだからこそ、富裕層が喜ぶ旅を心得ている。その答えのひとつが、“バグり旅”だ。

「“バグり旅”とは、超絶体験がかなうぶっ飛んだ旅のこと。オークションでクルマのナンバーが数億円で落とされるような国ですし、ドバイ自体がバグってますから(笑)。警察官がランボルギーニに乗っていたり、金が自販機で売られていたりと、キャッチーなものをつくるのが上手い。世界一深いプールや世界一大きな噴水など、“世界一”のものが多くあるイメージを確立していて、観光も大成功を収めています。わかりやすい派手さがあって、日本人から見たら異文化感が強いのも魅力的です」

才津さんの顧客がドバイに行く場合、旅費単価は平均1000万円超えだという。

「エミレーツ航空のファーストクラスを利用された某経営者の会員様には、『アトランティス ザ ロイヤル』の1泊400万円のお部屋をご用意。ホテル側にもVVIPであることを伝えたため、会員様から『空港にすごい人数の方がお出迎えにいらっしゃっています! 』と連絡が(笑)。飛行機を降りた瞬間から専任の担当者がつき、空港内の移動も、荷物のピックアップ等も会員様の手間がいっさいないように、あらゆる手配をしました」

日本のホテルでは、すべての人に平等なサービスをすることが多いですが、海外では、グレードの高い部屋に泊まるゲストほど、より手厚いサービスをするのが当たり前。そういった意味でも、ハイグレードのスイートルームに泊まることには価値があるのだとか。

「今回の手配は初日ホテルでゆっくりして、2日目は専用車で市内観光。お子様にも異文化体験させたいとのことで、夕方にランドクルーザーで砂漠に行き、ラクダに乗ってサンセット鑑賞、そしてアラブ伝統の鷹狩りをセッティング。また特別なディナー体験として砂漠のど真ん中、星空の下でキャンドルやアラビア絨毯を用意。ベリーダンスやファイヤーショーを組み、特別な体験を堪能いただきました」

砂漠で食事
才津さんが手配するプランでは、砂漠に敷く絨毯から音楽、食事までセンスがよく大人のおとぎ話のような時間を過ごせる。砂漠のど真ん中にあるラグジュアリーホテルもお薦め。

ドバイの旅は、他にも“バグった”ネタは尽きない。

「金箔を“これでもか”とまぶしたステーキや、世界最大の噴水、ドバイ・ファウンテンを目の前で鑑賞できるレストランや、ドバイ・アブダビ間をヘリコプターで移動するなど、いくらでもアレンジが可能です」

なぜ、富裕層は“バグり旅”を求めるのか。その理由について才津さんはこう話す。

「会員様は自分を満足させるためではなく、一緒にいる大切な方の笑顔のためにお金を使います。大切な人を喜ばすこと。それこそが富裕層の旅の流儀であり、“バグり旅”の本質です」

ディープ・ダイブ・ドバイ
「ディープ・ダイブ・ドバイ」は水深60m、総水量1400万リットルのプールを使ったダイビング施設。世界一深いプールとしてギネス認定されており、水中で廃墟となった集合住宅を探検する。https://deepdivedubai.com ©ドバイ経済観光庁

▶︎ What is ARKADEAR
年間約200泊以上、世界のスーパーラグジュアリーリゾートに精通する才津香果さんが運営する、会員制コンシェルジュ会社。国内外の旅にレストラン予約、パーティの企画など、遊びからビジネス案件まで幅広く手配する。https://arkadear.com

才津香果/Kagumi Saitsu
ARKADEAR 代表取締役
1982年生まれ。早稲田大学法学部を卒業後、リクルートに入社、2ヵ月で退職し起業する。IT系企業など複数社を立ち上げ、8年前に事業売却。世界中を旅し、その経験を活かして2019年、富裕層向けコンシェルジュ会社「アルカディア」を起業。

【特集 熱狂都市・ドバイ】

この記事はGOETHE2023年12月号「総力特集: ヒト・モノ・カネが集まるドバイ」に掲載。▶︎▶︎購入はこちら

TEXT=大石智子

PHOTOGRAPH=アルカディア

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