超ド級な体験こそドバイの真骨頂。そんな世界への旅は、富裕層が求めるぶっ飛んだ“バグり旅”のニーズと一致している。その実情を、富裕層向けコンシェルジュ会社の代表、才津香果さんに聞いた。【特集 熱狂都市・ドバイ】
想像を絶する“バグり旅”はいかが?
世界の富裕層の旅をコーディネイトする会員制コンシェルジュ会社、アルカディア。代表を務める才津香果さんに旅の手配を依頼するのは、98%が経営者だ。これまで旅に総額8億円以上かけてきたという才津さんだからこそ、富裕層が喜ぶ旅を心得ている。その答えのひとつが、“バグり旅”だ。
「“バグり旅”とは、超絶体験がかなうぶっ飛んだ旅のこと。オークションでクルマのナンバーが数億円で落とされるような国ですし、ドバイ自体がバグってますから(笑)。警察官がランボルギーニに乗っていたり、金が自販機で売られていたりと、キャッチーなものをつくるのが上手い。世界一深いプールや世界一大きな噴水など、“世界一”のものが多くあるイメージを確立していて、観光も大成功を収めています。わかりやすい派手さがあって、日本人から見たら異文化感が強いのも魅力的です」
才津さんの顧客がドバイに行く場合、旅費単価は平均1000万円超えだという。
「エミレーツ航空のファーストクラスを利用された某経営者の会員様には、『アトランティス ザ ロイヤル』の1泊400万円のお部屋をご用意。ホテル側にもVVIPであることを伝えたため、会員様から『空港にすごい人数の方がお出迎えにいらっしゃっています! 』と連絡が(笑)。飛行機を降りた瞬間から専任の担当者がつき、空港内の移動も、荷物のピックアップ等も会員様の手間がいっさいないように、あらゆる手配をしました」
日本のホテルでは、すべての人に平等なサービスをすることが多いですが、海外では、グレードの高い部屋に泊まるゲストほど、より手厚いサービスをするのが当たり前。そういった意味でも、ハイグレードのスイートルームに泊まることには価値があるのだとか。
「今回の手配は初日ホテルでゆっくりして、2日目は専用車で市内観光。お子様にも異文化体験させたいとのことで、夕方にランドクルーザーで砂漠に行き、ラクダに乗ってサンセット鑑賞、そしてアラブ伝統の鷹狩りをセッティング。また特別なディナー体験として砂漠のど真ん中、星空の下でキャンドルやアラビア絨毯を用意。ベリーダンスやファイヤーショーを組み、特別な体験を堪能いただきました」
ドバイの旅は、他にも“バグった”ネタは尽きない。
「金箔を“これでもか”とまぶしたステーキや、世界最大の噴水、ドバイ・ファウンテンを目の前で鑑賞できるレストランや、ドバイ・アブダビ間をヘリコプターで移動するなど、いくらでもアレンジが可能です」
なぜ、富裕層は“バグり旅”を求めるのか。その理由について才津さんはこう話す。
「会員様は自分を満足させるためではなく、一緒にいる大切な方の笑顔のためにお金を使います。大切な人を喜ばすこと。それこそが富裕層の旅の流儀であり、“バグり旅”の本質です」
▶︎ What is ARKADEAR
年間約200泊以上、世界のスーパーラグジュアリーリゾートに精通する才津香果さんが運営する、会員制コンシェルジュ会社。国内外の旅にレストラン予約、パーティの企画など、遊びからビジネス案件まで幅広く手配する。https://arkadear.com
この記事はGOETHE2023年12月号「総力特集: ヒト・モノ・カネが集まるドバイ」に掲載。▶︎▶︎購入はこちら