3万人以上に脳科学的ノウハウを講演してきた脳科学者・西剛志の記事をまとめてお届け! ※2025年6月〜11月掲載記事を再編。

1.科学的にわかってきた、運がいい人の正体

「正直、私の人生はほとんどが“運”なんですよ」
ビジネスからスポーツ界までうまくいく人がよく言う言葉の1つです。一見すると謙遜?とも思われるかもしれませんが、この「運」こそが、うまくいく人とそうでない人の違いを生み出している1つの大きな要素です。海外の研究からも面白いことがわかってきています。
運に関して、ケルン大学で行われた有名なパターゴルフの実験があります。被験者に「これは幸運のボールです」と伝えてから打ってもらったところ、何も伝えられていないグループに比べて、カップインの確率がなんと35%も向上したのです(*1)。
つまり、「自分はツイている」という思い込みが脳の働きを活性化させ、無意識のうちに行動や判断力までも引き上げてしまうことを意味しています。
パナソニック創業者の松下幸之助は社員の採用試験で、「君は運がいいか?」と質問していたという話は有名ですが、まさに「運がいい」と思うことは、能力を開花させて、人生に運を引き寄せる可能性があるのです。
またそれ以外にも、運に関するもう1つ大切な要素があることも分かってきています。
2.「性格が悪い人」はなぜ存在する? 近年わかった、サイコパスより危険な「第五の性格」とは

「なんであの人、圧が強くて文句ばっかりなんだろう…」
職場でも、家庭でも、SNSでも。話すたびに人の悪口を言ったり、急に怒鳴りつけてきたり、やたら人の感情を逆なでするような人、いるかもしれません。
こちらがどれだけ丁寧に接しても、ムッとしたり、見下すような態度をとってきたり…。そんな相手と関わり続けると、心がジワジワと削られていくような疲労感が残ります。
こういう人のことを、私たちはつい「性格が悪い」と呼んでしまいがちです。でも実は、脳科学や心理学の世界では、こうした“人を傷つけやすい性格”には一定のパターンがあることがわかってきました。
近年注目されているのが、人を消耗させる「ダークパーソナリティ」と呼ばれる性格です(*1)。
世界的な性格の研究では、以下のような「5つのダークな性格」が、他人に強いストレスを与える性格傾向として注目されています。
3.「いい人なのに、なぜか疲れる」の正体。“隠れ攻撃性”をもったカバートアグレッション、6つのサイン

「一見いい人に見えるのに、なぜか疲れる…」
そんな人があなたの周りにもいませんか?
前回のコラムでは「ダークエンパス」という、“共感力を武器に人を操る怖い性格”を紹介しました。
今回はさらに一歩踏み込み、職場や恋愛でも蔓延し、多くの人が体験したことのある「カバートアグレッション(隠された攻撃性)」について、脳科学の視点からひも解いてみたいと思います。
カバートアグレッション(Covert Aggression)とは、表立った攻撃するのではなく、善人の顔をしながら隠れて相手を傷つけ、最終的に支配にまでつながることがある性格傾向です。
海外の研究でも、職場で人を攻撃するときに怒鳴るなどの「表立った攻撃」よりも多かったのが、陰湿な「隠れた攻撃性」でした。
4.【仕事のストレス度チェック】適職度と脳の状態がわかる10の質問

脳の状態を良くすることは、仕事のストレスを消したり、脳をストレスから守ったりするうえで有効ですが、そもそも仕事のストレス自体をできるだけ少なくすることも、脳の働きを高め、パフォーマンスを高めるうえでは非常に大事です。そして脳科学的にみると、仕事のストレスの有無や成果の出やすさは、「脳の状態」と「仕事の適性」の組み合わせによって左右されます。
ここでは、あなたの脳の状態と仕事の適性をチェックし、今の仕事があなたにどの程度ストレスを与えているかを見てみましょう。
①脳の状態
ドーパミン、オキシトシン、セロトニンなどの脳内物質が分泌されているか。これが十分であれば扁桃体の警報は収まり、集中とリラックスのバランスを取ることができ、前頭前野が本来の機能を発揮できます。研究では、ドーパミンレベルが高い人は集中力・判断力・記憶力が向上することが示されています。
②仕事の適性
自分の思考パターンと仕事の内容が一致しているか。適性が高いと「やらされ感」が減り、努力が成果につながります。強みを活かせる仕事に従事している人は収入だけでなく、パフォーマンスや幸福度も高く、オックスフォード大学の調査でも、幸福度が高まると生産性が13%高いという結果が出ています。
5.プレゼンや会議前の緊張が消える手法とは? 1万人のストレスに向き合ってきた脳科学者が伝授

朝から会議、メール、苦手な上司へのプレゼン。気づけば肩がカチカチ……。そんな“イライラ”や“緊張”を、たった1分の音楽でリセットできるとしたらどうでしょうか。最新の脳科学では、音楽が「感情」だけでなく、「脳の認知」そのものを変えることがわかってきています。それが、私が提唱する「ミュージックシフト法」です。
音楽に感情を左右する力があることは、みなさんもよくご存じだと思います。楽しい音楽を聴いてわくわくしたり、悲しい気持ちを聴いて落ち込んだり、といった経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。しかしそれだけでなく、音楽は脳に作用し、人の認知を変化させる効果があることが、ロンドン大学の研究でもわかってきました。
たとえば、目の前に突然、無表情の人が現れたら、おそらく多くの人は「怖い」「不安」といった気持ちになるでしょう。ところが、事前に楽しい音楽を聞いてから無表情の人と会うと、相手が楽しい気持ちに見えるようになることがわかったのです。逆に「悲しい音楽」を聴いたら、相手が悲しい気持ちに見えるようになったそうです。

