英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第326回。

痛みを伝える英単語。“dull”“nagging”“throbbing”
先日、精神的にハードな海外出張があり帰ってきたら、疲れが溜まったのかずっと胃腸の調子が悪いです。
食事を摂ると、とにかく胃が痛むので病院に行ったところ、医者に「シクシク痛みますか? それともズキズキですか?」と聞かれました。
私は英語力だけでなく日本語力も低いのか、このシクシクとズキズキの違いがわからず「なんか、すごく痛いです」としか言えませんでした。
あとで調べてみたら、こういうことでした。
シクシク=鈍い痛み
ズキズキ=鋭い痛み
私の日本語力が極端に低いだけかもしれませんが、日本人ですらこの表現に戸惑うのですから、きっと外国人の方が病院に行ってこう聞かれたらパニックになるでしょう。そう思うと、英語ではこのシクシクとズキズキの違いをどう説明するのかが気になってきました。
日本語ペラペラのイギリス人に聞いてみたところ、こう教えてくれました。
シクシク痛むは
I have a dull pain in my stomach.
dullは、まさしく「鈍い」という意味で、「お腹が鈍く痛い」となります。
また以下のように言うこともできるそう。
I feel a nagging pain in my stomach.
naggingは「しつこい」という意味なので「しつこい痛みが胃にある」ということになります。
なんとなくずっと胃が痛い、という症状を説明する際に便利なフレーズです。
一方、「ズキズキ痛む」はこう表現するようです。
I have a throbbing pain in my stomach.
throbbingは、心臓の鼓動や痛み、感情の昂りを表現するということ。ズキズキ、ドクドクする、と言う時に使うそうです。
イギリス人はこうも言っていました。
「“I feel a sharp, throbbing pain in my stomach.”とか言うかな。“sharp”を使うと、キリキリ寄りになるけど、ズキズキの強調にも使えるよ」
イギリス人なのに、日本語のオノマトペを完全に操っています。
私はシクシクとズキズキの違いもわからないのに、さらにキリキリも出てきて、どんどん混乱してきました。
もう一度調べてみたらキリキリはズキズキ同様に鋭い痛みですが、刺すような痛み、ということでした。改めて日本語の勉強にもなりました。
体質的にしょっちゅう胃を壊すので、海外で病院に行くなんてことがあったら教えてもらったこの表現を使いたいと思います。
と言うか、シクシク、ズキズキ、キリキリと言う日本語の違いをやっと覚えたので、先日医者にもらった薬が効かなければ、再度病院に行って正しく痛みを伝えたいと思います。

