英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第317回。

イギリス人カメラマンから言われた英語が意味不明だった
日本語ペラペラのイギリス人カメラマンと仕事現場で一緒になりました。
あまりに日本語がうまいので「なんでそんなにうまいんですか」「語学上達の秘訣は」などと質問しまくっていたら、だんだん彼の顔が曇って、こう言われました。
I went on the lash last night, and I’m really paying for it today.
直訳したら「昨夜ラッシュに行った。そして今日私は、実に支払っている」となり意味不明です。
しかしあまりに辛そうな顔でそう言うので、具合でも悪いのかととりあえずペットボトルの水を渡すと、ごくごく飲み始めました。
On the lash=酒をたくさん飲む
彼が水を飲んでいる間に調べてみたら、イギリス英語で“On the lash”はそういう意味があることがわかりました。
しかし、“I’m really paying for it today”の意味はまだかわりません。
聞いてみると、面倒臭そうに「代償を支払っている」と流暢な日本語で言われました。ということは、最初のフレーズとあわせると、こんな意味になります
I went on the lash last night, and I’m really paying for it today.
昨日飲みすぎたから、今日その代償を支払っている
つまり、二日酔いです。
飲んでいる時はあんなに楽しかったのに、翌日になってなんでこんなに苦しいのか。二日酔いはまさに「昨日はしゃぎすぎた代償を支払っている」といっていいでしょう。
食べすぎ、夜更かしのしすぎ…他にも使える“I’m paying for it today.”
“I’m paying for it today.”は二日酔いだけではなく、過去の行いに対して「代償を支払っている」ような時に使えるということ。
I haven’t been to the gym in months, then I did a two-hour workout. I’m paying for it today.
(数ヵ月ジムに行ってなくて、いきなり2時間ワークアウトしたら、身体が悲鳴をあげている)
この場合の“I’m paying for it today.”は運動不足なのにいきなりハードな運動をしたことに対する代償です。
I ate three slices of cheesecake at the party, and I’m paying for it today.
(パーティでチーズケーキ3つも食べちゃって、今日気持ち悪い)
食べすぎてしまった代償も、このように言えるそうです。
食べすぎ、夜更かしのしすぎ、スマホの見すぎ。そしてお酒の飲みすぎ。
たくさんの「しすぎ」が日常にはあるので、私も日々多くの代償を支払って生きています。“I’m paying for it today.”すごく使えそうです。
二日酔いで撮影の現場に入ったカメラマンは、そのことを隠すため必死でしたが、どうにも辛かったようで、誰にもバレないように英語でつぶやいたということ。
しかし撮影が終わる夕方頃には元気になり「これから飲みに行く?」と聞いてきました。明日も彼は代償を支払うことになりそうです。