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2025.12.19

「もらって嬉しい手土産とは“自分では買わないもの”である」小山薫堂の手土産3選

放送作家、脚本家、地域・企業のプロジェクトアドバイザーなど多彩なジャンルで活躍する小山薫堂氏。幅広い交流のなか、感謝の思いを伝える時にもらった相手の心を揺さぶり、なおかつ気を遣わせない手土産を教えてもらった。【特集 最高の手土産】

小山薫堂「もらって嬉しい手土産とは“自分では買わないもの”である」【手土産の正解3選】

心を揺さぶる“意外性の贈り物”

「もらって嬉しい手土産とは“自分では買わないもの”である」。小山薫堂氏の持論は、この一点に尽きる。相手の趣味嗜好に寄り添うのではなく、日常の想像の外側にそっと連れて行く──その驚きと余韻こそが贈り物の価値だと考えているからだ。

たとえば「イソップ マウスウォッシュ」は、ブランドは知っていても、このアイテムは知らないという“意外性”が心をくすぐる。高級酒と勘違いされるほどの美しい佇まいも計算のうちである。

一方、健美薬湯の湯道家元好み「沁」は、湯に人生を捧げてきた“湯道”の家元である小山氏が調合した入浴料というユニークさが魅力。身体と心に沁み入り、五感が湯にほどけていく体験そのものを贈るアイテムだ。

そして「一食入魂皿」は、自身が京都の窯元で絵付けしたオリジナル。食いしん坊の魂を込めた皿が、目の前の一食を特別な儀式へと変えてくれる。

いずれも決して自分では買わない(あるいは買えない)が、手元に届けば人生が一段豊かになる。小山氏が手土産として選ぶのは、そんな“余白のある贈り物”である。

小山薫堂の心揺さぶる手土産3選

1. イソップ マウスウォッシュ/イソップ
スキンケアブランドの意外な一品

イソップ マウスウォッシュ/イソップ
アルコールフリーなので穏やかに口内を清涼にしてくれる。「イソップ マウスウォッシュ 500ml」¥3,850(イソップ カスタマーサービス TEL:03-6271-5605)

「ボトルに高級感があるので、プレゼントした相手から高価なお酒と間違えられたこともあり、そんなところも気に入っています」。

そんなエピソードと共に小山氏が教えてくれたのは、オーストラリア発のスキンケアブランド、イソップのマウスウォッシュ。

「イソップといえばハンドソープやボディケア商品が有名ですが、マウスウォッシュはまだあまり知られていないでしょう。一般のマウスウォッシュと比べれば高額ですが、手土産としては相手に気を遣わせずに済むちょうどよい価格で、なおかつ実用的。お酒を飲むか飲まないかや、甘いものの好き嫌いなど、相手の嗜好がわからない場合にも使いやすいです」

2.湯道家元好み「沁」/健美薬湯
「湯道」家元が調合した入浴料

湯道家元好み「沁」/健美薬湯
ショウキョウ、センキュウ、ローズマリー3つの天然ハーブ(すべて整肌成分)を配合している。湯道家元好み「沁」¥1,815(健美薬湯お客様窓口 TEL:0120-1126-47)

日本人の入浴行為を類稀なる文化と捉え2015年より「湯道」を提唱している小山氏が、自ら調合した天然ハーブの入浴料。

「日本全国の銭湯や家庭に入浴料を卸し、販売している健美薬湯ご協力のもと、湯道家元としてオリジナルの入浴料を作らせていただきました。3つの天然ハーブを調合しており、心も身体もほっこり気分を味わってもらえる入浴料です。特にこれからの寒い季節の贈答品として、お勧めです」

3. 一食入魂皿/かのうたかお
食いしん坊の魂を込めた自作のお皿

一食入魂皿/かのうたかお
小山氏が思いを込めて一枚一枚絵付けしているため、同じものは一つとしてない。「一食入魂皿」(非売品)

常に真摯に食と向き合う小山氏が、京都の陶芸家・かのうたかお氏のもとで絵付けを施し、焼いてもらったオリジナルのお皿。

かのう氏は青年海外協力隊としてアフリカで作陶した経験を糧に、独自の表現を追求する陶芸家。粘土ではなく砂状の素材を固めて焼くという手法で、陶芸という概念そのものに問いを投げかけるような作品を生みだしている。

「一食一食を大切にし、感謝の気持ちを込めて食べるという、自分のモットーでもある『一食入魂』という言葉をお皿にしたためました。食べることが好きな方への贈り物として、贈ることが多いです」

小山薫堂/Kundo Koyama
1964年熊本県生まれ。放送作家、脚本家、地域・企業のプロジェクトアドバイザーなど多彩なジャンルで活躍中。2025大阪・関西万博ではテーマ事業プロデューサーを務めた。京都芸術大学副学長。

TEXT=小松めぐみ

PHOTOGRAPH=舛田豊明

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