伝統を重んじる心と先人が生みだした技術を受け継ぎ、さらなる高みを目指す日本料理人が話題。独創的なアプローチにも注目! 今回は、東京・赤羽橋の「寛心」を紹介する。

ショートコースに始まり好みの料理を選ぶ愉悦を
食べ慣れた大人の多くが今、心惹かれているのが少量のコースのあとに豊富なアラカルトのなかから気分や好みで自由に料理を追加するスタイル。実はビジネス会食にもとても適した発想で、スムーズに料理を楽しみ、場が和んできたところで相手の嗜好を深く知ることができるというのも利点のひとつだ。
今訪れるなら、これまでに『明寂』や『一平飯店』といった名だたる店をプロデュースしてきた林亮治氏と、京都吉兆で長きにわたり心技を磨いた中井甚恭氏による『寛心』に勝る店はそうないだろう。
3品が登場する6,600円のショートコースは日本料理の華である“椀刺し”から始まる。深い滋味に心が安らぐ出汁、魚の切りつけに料理人としての仕事への向き合い方がしっかり見て取れる。追加注文の品書きにはなんと30種前後の料理が。小鉢などは1品1,000円前後からというのに驚嘆しながら揚げ物も焼き物も、肉料理も締めの食事もとつい大人の欲張りが発動。この時期は蟹の炊きこみごはんや野菜の炊き合わせも、ぜひ注文したいところ。
みなで意見を合わせながらでも、各自の好み優先でも。美食の時をともにすることで、絆はさらに強くなる。
寛心/Kanshin
住所:東京都港区東麻布1-19-2
TEL:050-1722-2599
営業時間:17:00〜L.O.24:00
定休日:水曜、不定休
座席数:カウンター10席、個室2室(最大8名)
料金:ショートコース¥6,600、おまかせコース¥27,500





