毎秋、奈良・生駒で開催されているトレイルランニングの大会「BAMBI100」の募集が始まった。参加者は全部で39人という超小規模イベントの実態とは?

100マイラーになりたい
昨今、山を歩くのではなく、「走る」にフォーカスしたトレイルランニングが密かなブームになっている。スポーツメーカーも、その機能性をアピールすべく、各社がトレラン用のシューズやバックパック、ウェアの開発を加速させている。
Mt.FUJI100や信越五岳など、人気を集める大会も増えてきているなか、参加者「39人」という100マイル(160キロ)のイベントがある。それが奈良・生駒山を舞台とする「BAMBI100」だ。このイベントの参加者は初めて100マイルを走る人、または過去5年以上100マイルを走っていない人に限定される。奈良の動物と言えば鹿。鹿の子供、つまりBAMBI(バンビ)が100マイルを駆けていく姿をイメージして名づけられたBAMBI100(100マイルを走り終わった後は、脚が生まれたての小鹿になる…という意味も含まれている)は、「誰でも挑戦しやすい100マイル」を提唱している。
トレラン界では、100マイルを走ることがステイタスのひとつであり、多くの選手の目標なのだが、なかなか踏み出せない人も多い。大会のプロジェクトメンバーの1人、日本のトップランナー土井陵(たかし)氏は次のように話す。
「2026年で5回目の開催になります。毎回かなり多くの応募があるのですが、100マイルを走ったことがないというのが条件のひとつ。そして、応募者のみなさんには『なぜBAMBIを走りたいのか?』という作文も書いていただいています」

男女比はほぼ50%ずつを選出。それにしてもなぜ39人?
「構想の中でトランスジャパンアルプスレース(参加者約30人)や、香港の少人数のチャレンジレースでの選手へのフューチャーの仕方がとてもポジティブな印象で、そこから着想を得ています。選手ひとりひとり、運営や応援者が注目して、より身近に応援できるのです。採算? 赤ではないですが、儲けもありません(エントリー費はひとり8000円!)」
「BAMBI100」は40キロのコースを4周周回する。コースマーキングがなく、スマホや腕時計に入れた地図を元にルートを辿る。制限時間は40時間(土曜日の朝8時にスタートし、日曜日の24時まで)。2周は一人で走り、3周目からは3名までサポートメンバーを付けることが許可されている。
順位は付けない。各々が完走を目指す
第4回大会に出場し38時間弱で完走した、スポーツブランドのオン・ジャパンの前原靖子さんに話を聞いた。
「都会を離れて、緑に囲まれ、風を感じることは最高のメンタルデトックスですし、自然に触れることで、地球環境の課題を自分ごととして考えるようになります」
普段から数多くの大会に出ている前原さんだが、100マイルは初挑戦だった。
「順位を付けず、完走をテーマに掲げているのがこの大会の魅力です。4周なので、3回も手厚いサポートが受けられるスタート地点に帰ってこられます。初めての100マイルだったのでエイドで着替えたり、補給の追加などがしやすかったことに加え、『サポートメンバーが待っている!』、そう思ったらメンタル的なパワーも湧いてきました」
38時間も寝ずに走り続けた前原さん。翌朝10時から開催されたアフターパーティの壇上で感想を述べていた。
「自分一人では到底完走できなかった。あまり練習ができず、スタート前は大いに不安があった。でも、多くのサポートがあったからこそ、160キロを走り切れました」
人の温かさ、自然のありがたさ、そして、自分へのチャレンジとして、2026年の「BAMBI100」に参戦表明してみる⁉





