英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第311回。

外国人の子供が見つけた海の生き物“sea cucumber”
先日、少し早めの夏休みを取得し、石垣島へ行ってきました。シュノーケリングにも挑戦してみましたが、初心者の私にはシュノーケリングマスクがうまく扱えません。すぐに水が入ってきてしまうため、足のつくところでないと不安で、結局ずっと浅瀬でちゃぷちゃぷしかしていませんでした。
しかし綺麗な海なので浅瀬でも、水に顔をつけて浮かんでみればたくさんの魚が見えて、「これで十分楽しめるし安全だし」、と思っていた矢先。近くで遊んでいた外国人の子供の大きな声が聞こえてきました。
Big sea cucumber!
悲鳴にも似た大きな声だったので浅瀬で子供が溺れているのかと、声のする方にかけつけました。けれど幸いに、子供は私と同じく浅瀬でちゃぷちゃぷ楽しそうにしていました。
sea cucumber!
その子供は、親御さんであろう人にそう言い続けています。
直訳すれば「海のきゅうり」ですがなんのことを言っているのでしょうか。
子供が指差す方を見てみてらすぐに意味がわかりました。
sea cucumber=ナマコ
言われてみれば、ナマコは確かに、細長くてくねっとしていて、ぶつぶつもある、きゅうりみたいな見た目です。
浅瀬で顔をつけて泳いでいると、小魚なんかはたくさん見られるのですが、海底にいるナマコとの距離が近く、眼前に突如真っ黒で大きなナマコが現れてぎょっとすることが多々ありました。そのたびに「腸の調子がいい時の便のようなフォルムだな……」と思ってどこか気持ち悪く感じていました。
けれど「海のきゅうり」だと思えば、もう怖くありません。以降、眼前にナマコが迫ってきても自信をもって浅瀬をちゃぷちゃぷし続けることができました。
ちなみにナマコは、漢字では「海鼠」と書くそうです。英語での呼び方も知りませんでしたが漢字の書き方も知りませんでした。まぁ確かに遠くからみたらネズミが丸まっているように見えなくもないかもしれません。
浅瀬でもウツボや、そのほか大きな魚を見ることができました。けれど足にフィンをつけて沖から上がってくる人たちを見ると、いつかはちゃんとシュノーケリングを習って沖にも出てみたいなぁと思った次第です。