35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。英語力ゼロレッスン「人のEnglishを笑うな」第100回!
「にわとりをチキンショップで数羽買ってくる」って言っちゃってないか!?
Netflixで『愛の不時着』を見ていたら、劇中でしょっちゅう出てくるチキンが無性に食べたくなり韓国の友人にこんなメッセージを送りました。
I’ll go to bb.q olive chicken to get some chickens.
韓国の有名チキンショップ「bb.qオリーブ」に行ってチキンをいくつか買いたい、と言ったつもりでした。
その友人は、韓国で英語教師の免許取得に向けて勉強しているところで、とても英語が達者です。お互いの勉強のために、私が間違えた英語を使ったら指摘してくれ、と常に言っているので、この時彼女はすぐにこう返してきました。
「さっきの文章に決定的間違いがあるけど、気がついた?」
どこが決定的なのかわからず、首をかしげていると。
chicken=不可算名詞
だと教えてくれました。そういえば、「肉」は不可算名詞です。なので、フライドチキンをさして“chicken”というのであれば、それは肉なわけで、get some chickensと“s”をつけてはいけなかったのです。
しかし一方で「にわとり」の意味の“chicken”の場合は可算名詞になりますので、“There were 2 chickens in the garden(庭には二羽にわとりがいた)”とはいえるわけです。
つまり、私が最初に言った
I’ll go to bb.q olive chicken cafe to get some chickens.
だと、
「bb.qオリーブカフェに行ってにわとり数羽を買ってくる」ということになってしまうのです。“s”があるかないか自体は小さなミスですし、間違えたところで意味は通じますが、こんな面白い意味になってしまうとは衝撃でした。
豚と牛は、肉になると“pork” “beef”と名前がかわりますが、「チキン」の場合は肉になってもチキンなので、このように混乱が生じやすく、多くの人がやるミスだそうです。
フライドチキンや、手羽先など、肉になったチキンを何個か、と言いたい時は“some pieces of chicken“となるとのことでした。
コングラチュレイションズ! とは誕生日に言ってはいけない!?
先日、Facebookが英語教師のフェルナンダ(アメリカとブラジルのハーフで、英語とポルトガル語どちらもネイティブ)の誕生日を知らせてくれたので、このようにメッセージを送りました。
Congratulations!
とても喜んでくれましたが、ひとつ教えてくれました。
「そうなんだよね、ブラジルでもさ、誰かの誕生日に“congratulations”的なこと言うのよ。日本もそうなんだね。でもさ、英語では実は誕生日には“congratulations”って言わないのよ」
“congratulation”を辞書でひくと「達成したことを称賛するフレーズ」と出てきます。つまり、「苦労の果てに達成した」ことに対しての「おめでとう」なのだそうです。
ですので基本的に毎年1回絶対にやってくる誕生日では、とくに「達成」はなく、あまりふさわしくないそうです。
ならなんと言えばいいのか、と聞くとシンプルに“Happy birthday”でいいんだそうです。20歳とか100歳とか、すごく特別な誕生日のみ“congratulation”が使えるとのこと。
苦労の果てに、試験に受かったり、出世したり、そんな時の「おめでとう」なのであって、イメージとしてはフルマラソンを走り切った、くらいのことから“congratulation”は使えるのだそうです。
日本語では誕生日に「おめでとう」と言うのが当たり前ですし、どうやらブラジルでもそのようなことを言うような文化のようですが、「結局それは、母国語を英語にしているだけだからおこるミス。英語を学ぶなら、母国語を忘れないと」とフェルナンダに諭されました。
Illustration=Norio