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2025.11.07

西野亮廣が語る、生成AIの意外なリアル! 実は若者より“老いた重鎮”に軍配が上がり、格差が開いている!

24万部のロングセラー『夢と金』の著者であり、今、ビジネスパーソンが追うべき人物の筆頭である西野亮廣さんの人気連載。生成AIに早い段階で注目し、理解し、活用もしていた西野さんだからこそ、この話には説得力がある。生成AIは若い人の特権と思っていたら、実は「逆」だった! 今回の記事も、音声メディア「voicy」で配信中の「#西野さんの朝礼」から編集してお届けする。
(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ

今回は【キンコン西野は「最近のAI」をどう見ているのか?】というテーマでお話ししたいと思います。

第221回
軍事産業が一番最初に「未来」を迎えていて、その次に医療業界あたりが「未来」を迎え、エンタメ業界も比較的早めに「未来」を迎える!

西野亮廣

なんで西野はあまりAIの話をしないのか?

僕のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、2022年の夏頃は生成AIの勉強会をやたらやっていました。

が、その後、僕がAIについて言及する機会は少し減りました。

「ググる」が死語となったように、僕らの生活にAIは欠かせない存在になりましたし、エンターテイメントの制作現場ではAIの導入が進んでおります。

ハリウッドがどれだけ抗議しようが「AI俳優」は生まれ続けているし、なんならCHIMNEY TOWN USAの代表がもう一つ持っている会社はAIの会社だし、公私共にAIは切っても切れないツールとなりました。

「じゃあ、なんで西野はあまりAIの話をしないのか?」という話なのですが、今、クリエイティブの最前線で起きていることをお伝えすると少し伝わるかと思います。

これは、ミッドジャーニー(生成AI)がやってきた2022年から言い続けていることですが、「AIで画像や動画や音楽を作るということは、『文章を書く』ぐらい日常になるので、それだけでは食っていけない」というのがこの話の出発点です。

2022年当時、「AIアーティスト」を名乗っていた人達に、「いいから、そこに張るのはやめておけ。その肩書きは数ヶ月で価値がなくなるから」と口を酸っぱくして言いましたが、「これまで絵を描くことができなかった自分が、絵が描けるようになった」という感動体験は麻薬に近くて、まともに取り合ってもらえませんでした。

Googleが誕生した時に「検索屋になる!」と言っているようなもので、「いやいや、検索は皆ができるようになるから」という単純な話なのですが、どうにもこうにも。

しかし、まぁ、さすがに2025年ともなると「AIアーティスト」という肩書きは鳴りをひそめたように思います。

最近はSora2が人気ですが、あれなんて、それこそCHIMNEY TOWN USAの代表がもう一つ持っているAIの会社が2022年当時に同じようなものを作っていました。

「そうか。動画もこのレベルで誰でも作れるものになり、動画の価値が下がっていくのか」と驚きと感動を覚えたものです。

未来はある日突然やってくるわけではなくて、まず未来の選択肢を開発する人が現れて、そこに大きなお金を出す人が現れるところから始まります。

この業界にいると、まだ世には出ていないけれど、今、どこにお金が集まっているか(投資家の興味が集中しているか)というのが分かるので、それを見れば「ああ、これが未来になるんだな」ということが分かります。

たぶん、軍事産業が一番最初に「未来」を迎えていて、その次に医療業界あたりが「未来」を迎えると思うのですが、それでいうとエンタメ業界も比較的早めに「未来」を迎える場所にいて、ここにいると、世間の方よりも少し早く未来の足音を聴くことができます。

なので、「未来がどうなるか?」に関しては、一つの考え方としてエンタメ業界の最前線で起きていることを見て参考にしていただくのがいいのかなぁと思っております。

AIの恩恵を最も受けているのは「重鎮」

長くなりましたが、ここでようやく「AI」の話です。

AIは今、何かものすごい逆転劇を起こしてくれる「革命のツール」ように捉えられていると思います。

「技術革新」という点ではそれは疑いようのない事実なのですが、「まだ何者でもない若者が、AIという剣を使って、既得権益をなぎ倒す」という物語を期待しているのであれば、そこはちょっと考えた方が良くて、今、エンタメ業界の最前線で何が起きているかというと、映画にしても、ミュージカルにしても、「業界の重鎮(既得権益側)」がAIを使っているんです。

これまで「重鎮」と呼ばれている人の最大の弱点は、「老い」だったんです。

厳密に言うと、「老い」による体力の低下です。

体力が落ちるので、アイデアの本数が全盛期に比べて減ってしまう。

そこが若手のつけ入る隙だったのですが、今、業界の重鎮達が「衣装デザイン案」や「美術デザイン案」や「照明デザイン案」をAIで大量に生成して、その中からモノになりそうなものを選んで、そこから仕上げ程度に少し手を加えて、提出し始めている。

つまりAIの恩恵を最も受けているのは「体力は落ち始めているけれど、依然として、名前と信用がある大物クリエイターで、AIによって、むしろ格差が拡がり、逆転しにくい世界になっていっているんです。

アシスタントを1万人抱えた場合、強いのは「名前がある人」なんです。

AIに生成できないものを取りに行った方がいい

なので、若者のAI全張りは危険で、僕がよく言っていることですが、「AIに生成できないもの(アンカー)」を今のうちから取りに行っておいた方がいい。

たとえば20代であれば、「若い」というだけで「オジサン」と癒着できます。

「癒着」はAIには生成できないモノなので、そこはとっておいた方がいい。

地方にお住まいの方なら分かるでしょう?

経営が上手くいっているのに「後継者がいないから」という理由で閉じてしまう店あるでしょう?

たとえば、ああいうところに飛び込んだ方がいい。

「後継者になります」と。

それは「AI」では生成できないので。

ブロードウェイの話ばっかりして恐縮ですが、ブロードウェイ村に入ってみると分かりますが、もう村の人間同士でずっと仕事を回しているんです。

これなんて「癒着」の最たるもので、ここに入ることの方が無くならない仕事」に近いんです。

「AIという新しい選択肢に触れることは大切ですが、用法容量をお守りください」といったところです。

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イベントのお知らせ

『西野亮廣講演会』全国各地で続々開催決定!

『西野亮廣講演会』のお知らせです。
下記の都道府県で開催が決まっています。

  • 11月10日(月)に大阪
  • 11月11日(火)に愛知
  • 11月17日(月)に長野
  • 11月19日(水)に沖縄
  • 11月25日(火)に神奈川
  • 11月26日(水)に北海道
  • 12月1日(月)に沖縄
  • 12月3日(水)に東京
  • 12月8日(月)に福岡
  • 12月10日(水)に愛媛
  • 12月15日(月)に岐阜
  • 12月23日(火)に和歌山
  • 2026年1月15日(木)に鳥取
  • 2026年1月22日(木)に京都
  • 2026年1月27日(火)に福井
  • 2026年1月30日(金)に香川

私、西野亮廣がマイク一本で1時間半ほど喋る変なイベントです。チケットをお求めの方は、『西野亮廣全国講演会』で検索してみてください。サロンメンバーさんが作ってくださったイイ感じのホームページに飛びますので、そちらから。会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。

書籍のお知らせ

  • 最新絵本『みにくいマルコ~えんとつ町に咲いた花~』のご購入はこちら
  • 75万部の絵本『えんとつ町のプペル』のご購入はこちら

NFTのお知らせ

子供たちに絵本を贈るプロジェクト「『CHIMNEY TOWN GIFT』のNFT」が話題に!

バンドザウルスのお知らせ

オンラインサロン・SNS・Note・Voicy


TEXT=西野亮廣

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