24万部のロングセラー『夢と金』の著者であり、今、ビジネスパーソンが追うべき人物の筆頭である西野亮廣さんの人気連載。生成AIに早い段階で注目し、理解し、活用もしていた西野さんだからこそ、この話には説得力がある。生成AIは若い人の特権と思っていたら、実は「逆」だった! 今回の記事も、音声メディア「voicy」で配信中の「#西野さんの朝礼」から編集してお届けする。
(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ)
今回は【キンコン西野は「最近のAI」をどう見ているのか?】というテーマでお話ししたいと思います。
第221回
軍事産業が一番最初に「未来」を迎えていて、その次に医療業界あたりが「未来」を迎え、エンタメ業界も比較的早めに「未来」を迎える!
軍事産業が一番最初に「未来」を迎えていて、その次に医療業界あたりが「未来」を迎え、エンタメ業界も比較的早めに「未来」を迎える!

なんで西野はあまりAIの話をしないのか?
僕のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、2022年の夏頃は生成AIの勉強会をやたらやっていました。
が、その後、僕がAIについて言及する機会は少し減りました。
「ググる」が死語となったように、僕らの生活にAIは欠かせない存在になりましたし、エンターテイメントの制作現場ではAIの導入が進んでおります。
ハリウッドがどれだけ抗議しようが「AI俳優」は生まれ続けているし、なんならCHIMNEY TOWN USAの代表がもう一つ持っている会社はAIの会社だし、公私共にAIは切っても切れないツールとなりました。
「じゃあ、なんで西野はあまりAIの話をしないのか?」という話なのですが、今、クリエイティブの最前線で起きていることをお伝えすると少し伝わるかと思います。
これは、ミッドジャーニー(生成AI)がやってきた2022年から言い続けていることですが、「AIで画像や動画や音楽を作るということは、『文章を書く』ぐらい日常になるので、それだけでは食っていけない」というのがこの話の出発点です。
2022年当時、「AIアーティスト」を名乗っていた人達に、「いいから、そこに張るのはやめておけ。その肩書きは数ヶ月で価値がなくなるから」と口を酸っぱくして言いましたが、「これまで絵を描くことができなかった自分が、絵が描けるようになった」という感動体験は麻薬に近くて、まともに取り合ってもらえませんでした。
Googleが誕生した時に「検索屋になる!」と言っているようなもので、「いやいや、検索は皆ができるようになるから」という単純な話なのですが、どうにもこうにも。
しかし、まぁ、さすがに2025年ともなると「AIアーティスト」という肩書きは鳴りをひそめたように思います。
最近はSora2が人気ですが、あれなんて、それこそCHIMNEY TOWN USAの代表がもう一つ持っているAIの会社が2022年当時に同じようなものを作っていました。
「そうか。動画もこのレベルで誰でも作れるものになり、動画の価値が下がっていくのか」と驚きと感動を覚えたものです。
未来はある日突然やってくるわけではなくて、まず未来の選択肢を開発する人が現れて、そこに大きなお金を出す人が現れるところから始まります。
この業界にいると、まだ世には出ていないけれど、今、どこにお金が集まっているか(投資家の興味が集中しているか)というのが分かるので、それを見れば「ああ、これが未来になるんだな」ということが分かります。
たぶん、軍事産業が一番最初に「未来」を迎えていて、その次に医療業界あたりが「未来」を迎えると思うのですが、それでいうとエンタメ業界も比較的早めに「未来」を迎える場所にいて、ここにいると、世間の方よりも少し早く未来の足音を聴くことができます。
なので、「未来がどうなるか?」に関しては、一つの考え方としてエンタメ業界の最前線で起きていることを見て参考にしていただくのがいいのかなぁと思っております。
AIの恩恵を最も受けているのは「重鎮」
長くなりましたが、ここでようやく「AI」の話です。
AIは今、何かものすごい逆転劇を起こしてくれる「革命のツール」ように捉えられていると思います。
「技術革新」という点ではそれは疑いようのない事実なのですが、「まだ何者でもない若者が、AIという剣を使って、既得権益をなぎ倒す」という物語を期待しているのであれば、そこはちょっと考えた方が良くて、今、エンタメ業界の最前線で何が起きているかというと、映画にしても、ミュージカルにしても、「業界の重鎮(既得権益側)」がAIを使っているんです。
これまで「重鎮」と呼ばれている人の最大の弱点は、「老い」だったんです。
厳密に言うと、「老い」による体力の低下です。
体力が落ちるので、アイデアの本数が全盛期に比べて減ってしまう。
そこが若手のつけ入る隙だったのですが、今、業界の重鎮達が「衣装デザイン案」や「美術デザイン案」や「照明デザイン案」をAIで大量に生成して、その中からモノになりそうなものを選んで、そこから仕上げ程度に少し手を加えて、提出し始めている。
つまりAIの恩恵を最も受けているのは「体力は落ち始めているけれど、依然として、名前と信用がある大物クリエイター」で、AIによって、むしろ格差が拡がり、逆転しにくい世界になっていっているんです。
アシスタントを1万人抱えた場合、強いのは「名前がある人」なんです。
AIに生成できないものを取りに行った方がいい
なので、若者のAI全張りは危険で、僕がよく言っていることですが、「AIに生成できないもの(アンカー)」を今のうちから取りに行っておいた方がいい。
たとえば20代であれば、「若い」というだけで「オジサン」と癒着できます。
「癒着」はAIには生成できないモノなので、そこはとっておいた方がいい。
地方にお住まいの方なら分かるでしょう?
経営が上手くいっているのに「後継者がいないから」という理由で閉じてしまう店あるでしょう?
たとえば、ああいうところに飛び込んだ方がいい。
「後継者になります」と。
それは「AI」では生成できないので。
ブロードウェイの話ばっかりして恐縮ですが、ブロードウェイ村に入ってみると分かりますが、もう村の人間同士でずっと仕事を回しているんです。
これなんて「癒着」の最たるもので、ここに入ることの方が「無くならない仕事」に近いんです。
「AIという新しい選択肢に触れることは大切ですが、用法容量をお守りください」といったところです。
最新のお知らせ
今年も大熱狂! 『えんとつ町の踊るハロウィンナイト2025』の配信チケットの販売がスタート!
ミュージカル『えんとつ町のプペル』を仕掛けたチームがお届けする世界最大規模の盆踊り大会『えんとつ町の踊るハロウィンナイト2025』。キングコングの漫才(新ネタ)も入ってます! 愛と狂気と笑いと感動で溢れた時間を自宅で楽しみたい方はこちらから。

すべて西野亮廣描きおろし! 『AKIHIRO NISHINO SKETCHBOOK CALENDAR 2026』の発売スタート!

Amazonはこちら
あなたもサンタクロースになって、『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』をシングルファミリーの子供達に贈りませんか?【特典=エンドロールにお名前掲載】
普段なかなか映画館に足を運ぶことのできないシングルファミリーの子供たちへ、映画のチケットを「クリスマスプレゼント」として贈りたいあなたへ――。 この取り組みに賛同し、チケットを贈ってくださった方のお名前は、「Special Thanks」として『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』のエンドロールに掲載されます。詳細はこちら

2026年春、『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』 が公開決定!
解禁スペシャル動画 はこちら。

■お知らせ! ムビチケ前売券はこちら!

ミュージカルのお知らせ
■お知らせ! ミュージカル『えんとつ町のプペル』のオンライン配信チケット(特典映像盛り沢山!)
■ミュージカル「えんとつ町のプペル」密着ドキュメンタリー【BackStory】
注目のビジネス書
『夢と金』が各ランキングの年間1位に!
■楽天Kobo ビジネス書2023年間ランキング1位
■2023年オリコン年間”本”ランキング「自己啓発書」ジャンル1位
■ビジネス書累計が100万部突破!
※Amazonランキング書籍総合1位にも! コチラから
■誰よりも早く、西野亮廣の次なるビジネス書の内容を知りたいあなたへ
2025年8月12日に開催された、ミュージカル会場(KAAT 神奈川芸術劇場)での『西野亮廣講演会inえんとつ町』。ここで話したことが、1冊のビジネス書に!? オンライン配信チケットも!
映画のお知らせ
■NEWS! コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』が、海外の映画祭で続々受賞!
【 フォトフィルム国際短編映画祭(トルコ)】
・ 最優秀作品賞(Best of Best Festival Film)
・ ストップモーション部門最優秀賞(Best Stop Motion)
【オーフス映画祭(デンマーク)】
・最優秀短編アニメーション賞(Best Animated Short)
【デザートスケープ国際映画祭(アメリカ・ユタ州)】
・最優秀アニメーション短編映画賞(Best Animated Short)
【ハリウッド短編映画祭(HOLLYWOOD SHORTSFEST 2025)】
・最優秀アニメーション短編映画賞(Best Animated Short)
【札幌国際短編映画祭(日本)】
・最優秀作曲賞(Best Original Score)
・アニメーション特別表彰(Special Award for Animation)
【ニューポートビーチ映画祭(アメリカ)】
・ アニメーション短編部門審査員賞(Jury Award for Best Animated Short)
【グローバルステージ・ハリウッド映画祭(アメリカ)】
・最優秀短編映画賞(Best Short 2024)
■NEWS! 第97回アカデミー賞(米)の短編アニメーション部門のショートリストに選出されました!
監督:堤大介(トンコハウス) 脚本:堤大介氏と西野亮廣の共同制作 プロデューサー:松本紀子(ドワーフ)
西野さんの『ボトルジョージ』に対する想いとは? こちらをチェック!

■コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』の専用劇場、『ボトルジョージ・シアター』がグランドオープン!

発売中&予約受付中
■CHIMNEY TOWNが運営するクラウドファンディング【PICTURE BOOK】

「挑戦する人」と「応援したい人」が集まる オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』を運営しているCHIMNEY TOWNが作った、クラウドファンディングのプラットフォームです!
■「CHIMNEY TOWN」の公式クレジットカード
「日常で当たり前に使っているものこそ、応援の手段にできる」の発想から、誰よりも優しいカードです。詳細はこちら。

イベントのお知らせ
『西野亮廣講演会』全国各地で続々開催決定!
『西野亮廣講演会』のお知らせです。
下記の都道府県で開催が決まっています。
- 11月10日(月)に大阪
- 11月11日(火)に愛知
- 11月17日(月)に長野
- 11月19日(水)に沖縄
- 11月25日(火)に神奈川
- 11月26日(水)に北海道
- 12月1日(月)に沖縄
- 12月3日(水)に東京
- 12月8日(月)に福岡
- 12月10日(水)に愛媛
- 12月15日(月)に岐阜
- 12月23日(火)に和歌山
- 2026年1月15日(木)に鳥取
- 2026年1月22日(木)に京都
- 2026年1月27日(火)に福井
- 2026年1月30日(金)に香川
私、西野亮廣がマイク一本で1時間半ほど喋る変なイベントです。チケットをお求めの方は、『西野亮廣全国講演会』で検索してみてください。サロンメンバーさんが作ってくださったイイ感じのホームページに飛びますので、そちらから。会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。

