会議、接待、夫婦やパートナーとの関係や子育てなど、日常生活のひとコマで試される成功者の思考法を気鋭の脳科学者・西剛志が解説する連載「何気ない勝者の思考」の人気記事をまとめてお届け! ※2024年3月〜5月、9月掲載記事を再編。
1.マザコンは本当に悪なのか? ハーバード大らの研究結果から紐解く!
マザコンというと、日本人の40歳以上の人は1992年に大ヒットしたドラマ『ずっとあなたを好きだった』の冬彦さんを連想する人が多いかもしれません。マザコンでオタクという、佐野史郎さん演じる冬彦さんの変態キャラクターが注目され、当時「冬彦現象」とも呼ばれるブームをつくり出しました。
マザコンという言葉は日本独特の造語で、海外でマザーコンプレックスと言っても通じません。その代わり、英語では「Mama’s Boy(ママボーイ)」とよく表現され、母親を偏重する男性は世界に多く共通のようです。
イタリア男はマンマをとにかく愛することで有名で、マンマミッシモ(母親至上主義)という言葉があります。イタリアの独身男性は、親との同居率が約7割となっており、女性の約2倍だそうです(EU全体の平均は48%、ドイツでも68%にまで高まっているようです)(*1)。
またロシアも母親の力が強い国として有名です。インドも妻より母親を優先する国として知られています。インド男性は、仕事中もデート中も電話を頻繁にすることがあるそうですが、その相手が母親ということもままあるそうです。
2.あなたの「妬み度」を科学的に採点! 人間はなぜ嫉妬するのか?
「なんであの人だけが評価されるの!?」「あいつは絶対に許せない!」私たちは人と比べてよく嫉妬を感じることがあります。
「嫉妬」という言葉は古くは聖書にも七大罪悪の1つとして記され、仏教でも嫉(しつ)という煩悩の1つです。数千年も遥か昔から、私たちを悩ませてきた元凶の1つと言えるでしょう。
そもそも、「嫉妬」とは何なのでしょうか?
世の中ではあまり知られていませんが、科学的には2種類の嫉妬が存在します。
それが、1.「妬み」(envy)と、2.「ジェラシー」(jealousy)です。
「妬み」(envy)は他人が持っているものをほしいときに感じる感情で、例えば、自分よりも仕事の成果をあげたり、リッチな暮らしをしている人を見たときに生まれます。
一方で「ジェラシー」は自分が持っているものを奪われる(かもしれない)ときに感じる感情です。不倫されると交際相手に感じる気持ちがまさにこれです。
3.「マウンティング」は自信の無さの表れ? 裏側にある人間の心理を脳科学者が解説!
「友達が有名人」「私はタワマンの◯階に住んでいる」「彼氏がハイスペック」「子どもが有名学校に通っている」「悩んだことがないので、わからない」…
思わずイラッとする言葉にあなたも出合ったことはないでしょうか。
このような言葉(行為)をよく日本では「マウンティング」と言いますが、マウントという言葉は世界の共通言語ではなく日本特有の言い回しです。
「マウント(Mount)」は本来、馬乗りになるという性的な行為を意味することもあり、海外で使うとかなり恥ずかしい言葉になります。
正式には英語で「Condescending attitude」(見下す行為)、「Arrogant」(傲慢)と呼ばれ、「他人をとがめるようなやり方で自分の優位性を主張すること」を意味しています(*1)。
4.なぜ、人は性犯罪に走るのか? 脳科学的観点から見えてきた意外な事実
電車での痴漢、睡眠薬を飲ませて性行為、飲み会の席でキスや体の関係の強要まで、相手の同意がないままそのような行為を行うことは絶対に許されないことです。明らかな犯罪です。
しかし、世の中には平然とそれをやってしまう人たちがいます。
その理由の1つが「認知の歪み」。性犯罪を起こす人は、よく下記のような考え方を持っている傾向があると言われています(*1)。
・「肌の露出が多い女性はレイプされることを望んでいる」
・「目が合う、手が触れるのは、相手にその気があるからだ」
・「出会い系に登録している女は、何をしても構わない」
普通の人なら考えないことですが、性加害を行う人はこのような一方的で一人よがりな考え方をする傾向があります。よく考えればおかしいとわかることなのに、なぜ、こんな考え方をしてしまうのでしょうか?